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こいつらみんなバカだ

「勇せんぱい! 今日も晴れてますね!」


「そうだな」


 昼休みの教室後方廊下付近の席。最近、昼休みになると水菜は2年1組の教室に襲来して勇に弁当をあーんしに来ている。巨乳のツインテール&ロリフェイスという一部の輩に需要のある水菜に迫られる勇は、嫉妬と怨念を浴びせられ、羨ましい、爆発しろなど穏やかではない言葉が聞こえてくる。


「麗ちゃん! 俺にもあーんしてくれ!」


 すぐ後ろで繰り広げられている二人のイチャイチャに触発された神威は、神威の机まで椅子を持ってきて座る麗に同じことをねだった。麗はうん、と言ってツナ缶を開け、プラスチックのフォークで神威にあーんさせた。


「美味しい? 油切ってないツナ缶」


「うほーい! サイコーだぜ!」


「良かったね」


「うほうほーい!」


 その光景を見ていた周囲の女子が言いだす。


「留萌さんってねっぷの飼育係になったのかな」


「同じ新聞部だからねー。ねっぷ問題児だし、変なことしないように見張り番でも頼まれてるのかも」


 勇や水菜と同じシチュエーションでありながら、このような見解の違いが生じている。しかし神威はあーんの歓喜のあまり、周囲の声は聞こえていない。


「どうしたんだ近頃は。今まで教室には来なかっただろ」


「入学以来猛烈にアピールしてるのに勇せんぱいが陥落しないからです! オマエさっさと付き合えよってカンジです!」


「そうは言っても気持ちの整理がつかん」


「じゃあ一学期一杯、勇せんぱいが陥落するまで攻めに来ます! むしろ責めに来ます!」


「二学期は来ないのか?」


「そこまで陥落しないつもりですか意気地無し!」


「どうだかな。相変わらずニコニコしながら酷いこと言いやがって…」


「夏休みのアバンチュールに間に合わせなきゃ青春の損です! 話があるので近いうちに時間ください!」


「話?」


「そうです! 話が通じなければこの恋キッパリ諦めます! 言っときますけど告白はもう済んでますからね!?」


「はぁ…。わかったよ。時間くらいならな…」


「おうおうおう! 二人ともアツイぜヒューヒュー! 麗ちゃん! 俺も時間が欲しい! ラブホでイこうぜ!」


「ラブホで、逝く? うーん…」


 いくら気絶させてるからって、殺すつもりはないんだけどなぁ…。


 通路を挟んで神威の隣に座る万希葉を静香と一緒に囲む萌香が言った。


「あははー。こいつらみんなバカだー」


「ルッツーには言われたくないんじゃない?」


「だな。アタシも言われたらプライド傷付くわ」


「あははー。二人とも、めがっさ失礼だゾ☆」


 そんなこんなで、いまのところ平和な昼休みであった。



 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 近頃は文字数少なめになっております。地の文がないせいでしょうか。勇と水菜のやり取りはテンポ良く進んでいるような気がしますw


 

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