第一章 こうゆうことわ気をつけてやるべきだ。
「よしっやろ〜ぜ!」
小畑が言う。
「えっ弁当は?」
「んなもん後でいいだろ。」
「別にいいけどさ。」
その時だった。
ん…?奇妙なことに校歌が遠くから聞こえる。小畑も気づいたらしい。顔を傾け分からないという仕草をしている
「なんで校歌?」
僕が尋ねる。
「さあな。」
どっちでもいいらしい。僕も大して気にしないことにした。
彼女は早速機器を取り出している。そんな乗り気には見えないけどやる気がないわけではないみたいだ。
「なぁコレどうやって使うの?」
え〜と……僕は一通りやり方を説明してやると、彼女はコレだけか?と素直に驚いた。
今は自分で買った車のゲームをやっている。ボタンを操作するごと自分の体ごと動かしている姿は可愛くて微笑ましい。
しかし僕はつくづく思う。なんでこんな所でゲームしてんだろ?オタク…だよなこれじゃぁ。
けれども僕もワクワクしながら自分のものを起動させた。同じみのBGMが流れる。僕はすぐにその世界に入り込んでいった。
くどいけど僕はけっしてオタクじゃない。
久保田義光は真面目な人物だ。
自分の担当する世界史では決して私語を許さない。
居眠りも許さない。いたらひたすらに起こり続ける。
久保田義光は真面目過ぎる人物だ。
自分の授業は無い時は授業時間に学校中をくまなく見回りする。彼がこの作業をするようになってからは、授業をサボる奴は今は一桁にも満たない、いや、いない。
だからこそ彼はこの見回りを続けている。万が一見つけたら、そいつは生徒指導室に直行し、束のような反省文を書かされ、久保田義光の地獄に等しい説教を聞くことになる。
そしてこの学校在学中は永遠に顔と名前を覚えられるのだ。
だからこそこの学校は治安がいい進学校でいられるのだ。小畑望と西川智也が校則違反な行為を行っている昼休み、
彼は何故か号泣している応援団員たちに囲まれていて、そいつらに激励をとばし、しばらくしたら肩を組んで校歌を歌い出した。
恥ずかしいけど俺はゲームがこんなに面白いとは思わなかった。今俺はGT-2000でモナコを爆走してる。
90度直角カーブ、ブレーキを入れて、再び急アクセル、見事なドリフトが決まる。
ここでカーブにてこずったCOMをぬく。これで2位だ。
1位の車が見えてきた。
スパートの長い直線で俺は,ギアMAXで最高の追走を繰り広げいる。
ゲームのBGMだけが流れている。僕と彼女は黙々と集中していた。
僕はやり始めて、やっとたった今GAMEOVERになった。意識が小さな画面内から殺風景なそこにもどる。小畑はまだ体ごとゲームと動いていて、大きい目だからとても目がすわっているのがわかるので恐い。
どれくらい時間がたったんだろう?
やっと気づいた。聞こえてた校歌はとっくに終了して、昼休みのざわつきすら聞こえない。聞こえてくるのは教師の何かを説明するような声だけ。
嫌な予感がする。
僕は時間を確認するために恐る恐るケータイを学ランのポケットから取り出した。




