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Unconscious act 3

 龍太郎はその晩、結局明け方まで飲み続け、翌日藤原と共に目覚めたのは昼過ぎだった。お互いに炬燵に足を突っ込んだまま寝たので、身体中が乾燥している。キッチンで水を汲み、一息に飲む。頭いて・・・

「篠ちゃん、朝メシ・・・」

「朝じゃねえ、昼も過ぎた」

藤原は更に酔いの残った顔である。

「どうせだったら女の子の家に泊めてもらって、朝のコーヒーで起こされたい」

「人の家に泊まっといて、勝手なこと言うな。コンビニでも行くか?」

「俺、スウェットに革靴なんてヤダ」

「いいけどさ。買ってきたものに文句言うなよ」


 踵をつぶしたスニーカーを引っ掛け、顔も洗わないままコンビニに向かって歩く途中、龍太郎は昨晩「メールする」と言ったことを思い出した。

 なんか怒ってた?俺に?朝、挨拶をしたときは普通だったぞ?

おにぎりとペットボトルのお茶を適当に掴み、カウンターの上の揚げ物も買ってアパートに戻る。部屋に戻ったら、メールをしようと思う。

 明日じゃ早いか。年末だから、平日の帰り時間は読めないし。


 一方、美緒も起き上がったのは昼過ぎだった。

「イイ年の娘がいつまで寝てるの!」

 母親に布団を剥がされて、いやいや身体を起こしたのである。着替えて、とりあえず洗濯機を回してから、コーヒーを淹れる。ボーっと座っていると、母親が前に座った。

「休みの日だからって、そんなに気の抜けた顔して。ちょっとは娘らしいことのひとつもしなさい」

 娘らしいこととは、何?

聞き返すとうるさいので、いい加減に返事をする。男の子なら男らしいことのひとつも、と言うのか。家の中には高校生の妹がいるのみなので、わからない。

 そう言えば、メール!今日メールするって!

慌てて携帯をチェックすると、着信はなかった。


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