生きた死神
人を誘導するのは本当は難しい
「タバコをさ、50本位水につけて置いて、水が茶色く染まったら、その水飲むと死ぬんだってさ」
いつだったか、友人に『もう死にたい』って伝えた時に、そう教えてもらった。
本当に死にたいって思った訳じゃない。ただなんとなく、そう言いたい気分だったんだ。
でもその時、友達は言ってた「死ぬってさ、すげぇ汚ぇんだってよ……。知ってたか?……死んだらよ、筋肉に力が入らなくなるじゃん。じゃあよ、小便とかウンコとか垂れ流しで、鼻水とかよだれも垂れ流しでよ、ものすげぇ、汚ぇらしいぜ」って。
それを聞いた時、『死んだら汚いも何も自分には関係ないじゃん』って思ったっけ。
その友達が昨日死にやがった。交通事故だってよ。学校の先生が言ってた。横断歩道を渡ってる途中に車に跳ねられたらしい……。即死だったらしい。
『糞尿は垂れ流してたんだろうか』何か、俺は冷めた気分で考えた。
そういえばそいつ「お前死ぬ勇気あんのかぁ?」って言ってたな。
あいつに教えてやるの忘れてた。『死ぬってのは勇気いらねぇんだ』って。『無心なのさ』ってよ。
まぁ、いっか。死んじまったら教える事すら出来ねぇし考えんのやーめた。
じゃ今日も元気に学校行くか!また誰かに『もう死にたい』って伝えて、ネガティブにさせてやろ。
また、死んだりして。……まっ、俺には関係ねぇか。
死とか闇とかが頭から離れない。




