一番目の勇者②
なんだここは?何もない真っ白な空間が延々と続く。
「おーい誰かいるのか?」
試しに声をかけてみるが反応がない。
そりゃそうか。
いや、そもそも何で俺はこんなところにいるんだ?
さっきまで魔王と戦ってて勝ったはずじゃ
!?
そこまで考えたところで耐え難い頭痛が走った。
あまりの痛みに倒れ込む。
しばらくして頭痛は収まった。
何だったんだ?今の頭痛は。
しかし、ここがどこだかわからなければ抜け出しようがない。もう一度思考を巡らせる。
!?
まただ、またあの頭痛だ。
今度は片膝をつく。
さっきも今も魔王討伐後のことを考えると頭痛が起こったぞ。
そこに答えがあるのか?だが、頭痛のせいで思い出せない。
「さっきから倒れ込んだり起き上がったり何をやっているんじゃ」
しわがれたお爺さんの声が何もない空間にこだました。
「誰だお前」
俺は警戒を全開にしながら声を出す。
「初対面の相手にお前とは失礼なやつじゃのう。しかし、これくらい強気な奴でないと面白くないのもまた事実。許してやろう」
謎の声はどこからともなく響き続ける。
「姿を現せ、そしてここはどこだ!」
俺は苛立ちで声を荒げる。
「まあ、そんなカリカリすんな。姿はいずれ見せてやる。」
「今出せ!」
「...ここはお前が望んだ場所だ。そう聞いておるぞ」
「おい、話を聞け!それに俺が望んだ場所だと聞いているってどういうことだ?」
「なんだ?魔王の奴からなにも聞いてないのか?」
「魔王から?やっぱりあいつが原因で俺はこんなところにいるんだな?」
「そうじゃ。お前が魔王により強きものを求めたと聞いておるぞ。それでここにお前は召喚されたんじゃ。」
「俺が強きものを求めた?」
!?
また頭痛が走る。
あの時の記憶が映像のように甦る。
「いや、俺はそんなもの望んでないぞ!勇者として強きものを求めることはしなかったはずだ」
「ほうー。そうなのか。それは、ちょっと聞いてた話と違うのぉー。まあ、こうなってしまってからでは後戻りは出来ん。お前には最後まで付き合ってもらうからな」
「ふざけるな!今すぐ元の世界に返せ!」
「もう無理じゃ。あとは大人しく残りの4人を待っておれ。そうしたらまた相手してやる。それまで大分かかるじゃろうが辛抱するんじゃぞ。じゃ、そういうことでー」
「おい!勝手に話を進めて俺をここにおいてくな!」
苛立ちを前面に出して言うが、謎の声はもう反応しなかった。
俺の苛立ちが空しくこだまするだけだった。




