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五番目の勇者

私はフローラ。勇者をやってます。そして今、断崖絶壁に立たされてます。私より先に来たもっと強い4人の勇者でも敵わなかった魔王に一人で挑もうとしてます。今、目の前に立ちはだかる巨大な扉を前に緊張でからだが動きません。


「おい、見えてるぞ。さっさと中に入ってこないか」

魔王のものと思われる不気味な声が耳を撫でる。


「待ってください。こっちにも心の準備ってものが」


「そんなんで我が待つと思うか?」

その発声とともに大きな扉は細切れに刻まれた。


「待ってって言ったじゃないですか!」

私の言葉を無視して魔王は長い足で脇腹めがけて蹴りを放ってくる。


しかし、想像していたものよりも足さばきは早くなく。難なく躱すことが出来た。


魔王の大きな体躯を飛び越え背後を取った私は、奴に足払いをかけた。

簡単に引っ掛かった魔王はこちらに背を向け、大きな音を立てながら倒れ込んできた。


「貴様、女のくせにパワー型なのか?」

倒されたというのに余裕綽々な様子で魔王は言った。


「だからなんですか?」

魔王の偏見に基づいた発言に腹を立てた私は、奴の脳天目掛けて拳を放った。

拳は奴の頭蓋を破壊し、脳にまで達した。

紫色の奴の体液が飛散し、気持ち悪い。


「今回の...勇者もなかなかの...出来だ。素晴らしい!」

こんな状況で何を喜んでいるんだ?

恐怖で後ずさる。


すると魔王はゆっくりと起き上がり、崩れた顔に笑みを浮かべながらこちらを凝視してきた。


「合格だ。貴様で最後だ。我の役目は終わった。我が主よやりました。勇者に最高の苦しみを!」

謎の言葉を残し、魔王は再び倒れた。


何なの?これで終わりなの?最後のはどういうこと?

疑問解決の手がかりがないかピクリとも動かない魔王の元へと寄る。


「最後のはどういう意味ですか?」

返答に期待はせずとも一応声をかけてみる。

しかし、想像通り反応はなかった。

が、魔王の体にひびが入り、そこから光が溢れだした。

眩しい。何も見えない。

突然のことに抵抗する余裕もなかった。

そして、激しい光と轟音の中に意識が消えていった。

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