対話②
神の言葉に嘘が無ければこの物語の決定権は俺達勇者にあるということになるな。ならばこちらで意見をまとめさせてもらおう。
「お前とこの世界について分かった。だが、少し急なことで完全には整理がついていない。だから俺たちの間で話しをまとめさせてくれ」
「よいぞ。いくらでも話せ」
「二人もそれでいいか?」
俺はサクスム、フローラにも確認を取る。
「はい」「俺もそうしたいと思ってたところだ」
二人の同意を得。俺たちは輪になって集まった。
「まず聞きたいことは君たち二人は奴を殺すべきだと思うかどうか?」
「わ、私は反対です。神様を殺したらどうなるか分からないんですよね?私たちも死んじゃうかもしれないし、もしかしたら世界も......。怖いです。全てが終わってしまうかもしれないのが」
「分かった。サクスム、君はどうだ?」
「俺は勇者としては奴を倒すべきだと思うが、それは世界を壊すことになるかもしれない。そこに憂慮すべき点があると思うから慎重に判断すべきだと思う。」
「どっちつかずという感じか」
「プロトスさんあんたはどうなんだ?」
「俺?俺は奴を殺す。」
「何故?」
「俺はこの世界に長い間閉じ込められてきた。ここに閉じ込められた二十年間はただただ苦痛でしかなかった。ここから出られる可能性があるのであれば世界が無くなる可能性を取ってでも奴を殺す。そして俺は何としてでも元の世界に戻る。終わらせない」
「分かった。では、三人の意見は全て異なるということになるな」
「俺は君たちがどんな意見でも奴を殺す。それは変わらない」
「でも、そんなことしたら世界が終わっちゃうかもしれないんですよ」
「俺の人生はここにいる限り終わったままなんだよ。君たちには分からないだろ。何もないこの空間で二十年間一人きりで居続けた俺のことは。俺も奴と同じでこの終わりの見えない状況を終わらせたいんだ」
「プロトスさん。あんたがそれだけの覚悟を持ってるならば俺は止めない」
「わ、私はそれでも反対です。どうしてもやるってんなら私はあなたを一生恨みます」
「それでいい。じゃあ行ってくる。」
俺は二人に背を向け神の元へと歩み寄る。
「おい神、準備はいいか?」
神はぎこちないウインクを返してきた。




