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バレンタインデー
バレンタインが近づくと、ルミは特別な準備を始めた。彼女はテツヤとケンタのために、心を込めて手作りのチョコレートを作ることに決めた。どちらのチョコも大きなハートの形をしており、ルミの乙女心がそのまま形に現れていた。
休日を利用して、ルミはキッチンに立ち、材料を慎重に選び、一つ一つ丁寧に作業を進めた。チョコレートを溶かし、型に流し込み、デコレーションを施す。その間、彼女の心はテツヤとケンタのことを思い浮かべて揺れ動いた。
「どちらも大切な人だから」とルミは自分に言い聞かせながら、チョコレートに最終的な仕上げを加えた。テツヤにはシンプルで力強いデザインを、ケンタには少し遊び心を加えたデザインを選んだ。
バレンタイン当日、ルミは勇気を出して二人にチョコレートを渡すことを決心した。彼女の心はドキドキと高鳴り、どちらの反応も気になって仕方がなかった。しかし、どんな結果が待っているにせよ、ルミは自分の気持ちを正直に伝えることの大切さを感じていた。