テツヤの気持ち
幼い頃からいつも一緒にだったテツヤとルミも、ケンタの登場によって少しずつ変化を感じ始めた。テツヤはスポーツが得意で、特にサッカーではクラスのエースだった。ケンタも同じくサッカーが得意で、ふたりはすぐに仲良くなった。
一方で、ルミはケンタの明るい性格と優れた運動能力に少し圧倒されつつも、彼の純粋な笑顔に心を引かれていった。テツヤとケンタが一緒にサッカーを楽しむ姿を見て、ルミは複雑な感情を抱えていた。
ある日の放課後、ルミは校庭の桜の木の下で一人考え事をしていた。そこへケンタがやって来た。「何か悩んでるの?」と優しく声をかけるケンタに、ルミは少し驚きながらも、「ただちょっと考え事をしていただけ」と答えた。
ケンタは「もしよかったら話してもいいよ」と微笑みながら言った。その笑顔にルミは少し心を開き、最近の心の揺れ動きを少しだけ打ち明けた。
ケンタは静かに聞いてくれ、最後に「どんな時でも、友達として支え合えることが大切だと思うよ」と言った。その言葉にルミは少し救われた気持ちになり、ケンタと新しい友情の一歩を踏み出した。
しかし、ルミの心の中にはまだテツヤへの特別な感情が残っており、その感情がどう変化していくのか、彼女自身もまだわからなかった。