13 第四の権力分立
うとぅ『 ……はい?
さっき《 中央銀行の独立性 》の話で、外部監査の時にしこたま出てきた会計検査院…!?
会計検査院がなんでまた? 』
にぃに「 しこたま…い、いやそのしこたま出てきた会計検査院だけど
重要だからもう一度言っておくけど 【 日本の場合 】は、だよ。
日本の場合
〔 >会計検査院は、憲法第90条にその設置根拠をもつ国の財政監督機関であり、
国会 、内閣、裁判所のいずれにも属さない独立機関であって、
会計検査院法第1条では
「会計検査院は、 内閣に対し 独立の地位を有する」と規定されている 〕(※1)
────と、されていて【 内閣どころか国会や裁判所からも独立している憲法上の機関 】なんだよね。
なんでそんなことになっているかといえば 、
さっき話した日本の中央銀行 、日本銀行が《 認可法人 》で
会計検査院が必ず検査 しなければならないもの
《 必要的検査対象 》になっているのは 説明した通りだけど覚えてる? 」
うとぅ『 うん。覚えてる《 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計 》だよね。 』
にぃに「 そう。
そのことはモチロンだけど、その会計検査院が必ず検査しなければならないもの 《 必要的検査対象 》は
【 国会、 裁判所 、会計検査院、 内閣、 内閣府 ほか 11省等 】の
『 国の毎月の収入 支出 』
『 国の債権の得喪、 国債その他の債務の増減 』
『 国の所有する現金及び物品 並びに国有財産の受払 』
なんかもあって他にも沢山あるから紹介してないだけであって…
でも、 これ聞いただけでわかるよね?
会計検査を行うのに、どこからも干渉を受けずに
中立で公正であるためには
国会、 内閣、 裁判所のどれかに属していたら到底ムリな話だろう? 」
うとぅ『 だよね…。どれかに属してたら影響や干渉は避けられないと思う… 』
にぃに「 んで話は戻るけど、さっき僕が言ったこと覚えてる?
国の借金を返すためには中央銀行である日本銀行が 今現在の《 認可法人 》じゃなくて【 国有化されて 国の機関となる。 】
その上で【 会計検査院と同じく 国会、 内閣、 裁判所のどこにも属さない 独立機関にすること 】によって
中央銀行が非常に重要視している《 中央銀行の独立性 》は、今の認可法人であるよりももっと強力に保障される
───って僕は思うんだよね 」
うとぅ『 だよねぇ!だって今の認可法人の中央銀行だと、よーするに国の機構図でいえば
内閣 → 財務省 → 中央銀行
の順だもんね。それで独立性って言われても…難しいのでは? 』
にぃに「 おまけに、中央銀行が国の独立機関になってお金を発行する権限(権能)を得た
つまり《 発行主体が国となった 》ならば、
最初の頃に 政府が貨幣を発行する流れを説明したけど、もう一度説明するね。
〔 >「硬貨」つまり貨幣については,独立行政法人造幣局が製造し た後,銀行券と異なり,
日本銀行へ交付された時点で,国が「お金」として発行したことになる
( 「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第 4 条 〕(※2)
このことによって、 政府が発行した貨幣は日本銀行の貸借対照表の資産の部に計上されて国の借金とはならない。
────つまり、国の機関となり、独立した機関の中央銀行ならば
今まで以上に《 中央銀行の独立性 》は保障されているのにも関わらず
国の独立機関になった中央銀行が発行する紙幣は貸借対照表の資産の部に計上されて国の借金とはならない!!
────と、いうことにならないだろうか? 」
うとぅ『 おぉ! 』
(※1)引用元︰第159回国会会議日誌-衆議院憲法調査会 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/chosa/159.htm
引用元︰第五回 統治機構のあり方に関する調査小委員会 統治機構のあり方に関する件 |二院制と会計検査制度
『会計検査院レジュメ』 (PDF 307KB)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/chosa/1590527kaikeikensain00.pdf/$File/1590527kaikeikensain00.pdf
(参照日:2024年2月26日)
(※2)引用文献︰日本銀行金融研究所編『日本銀行の機能と業務』有斐閣、2011年3月。42p