世界の確認
あ~喉痛い
「とりあえず今の状況を教えてくれ、といっても設備がダウンしてたみたいだからな、分かる範囲でいい」
俺の問いかけに”サラ”は、凛とした佇まいのままよく通る声で報告する。
「了解しましたマスター、私が記録している範囲内で答えさせて頂きます。私の最後の記録は、次元の割れ目に囚われて、粒子レベルにまで分解したところまでです・・・・・・」
「なに!?次元の割れ目だと?そんな膨大なエネルギーを感知出来ないはずないだろ?」
俺は考えた、次元の割れ目付近は膨大なエネルギーが渦巻いている、普通ならすぐに感知して避けれるはずなのだが・・・・・・
「それが・・・・・・あまりにも一瞬にして眼の前に発生いたしまして・・・・・・回避行動が間に合わず、マスターは何が起こったかすらわからないまま、要塞ごと引き込まれて行きました。」
「マジかよ・・・・・・」
”サラ”の回答を聞き、自分の運の無さに絶望しながらも、ふと疑問に思ったことを聞いてみる。
「じゃあなぜ俺は今生きているんだ?まさか、ここはあの世なのか!?」
科学技術の発展によりあの世の存在など全く信じていなかったが、そうとしか思えない状況にそう叫ぶしかなかった。
「いえ、次元の割れ目によって粒子レベルまで分解した私たちは、未知の宙域の未知の惑星に飛ばされ、そこで、物体の再構築がおこなわれたと考えられます。ですが、すべての設備、システムが止まっていたため、性格にはお伝えすることが出来ません・・・・・・」
物体の再構築だと?そんなことが可能なのか?
そんなことを考えながら、少し申し訳無さそうに顔を伏せている”サラ”に礼を伝えながら、俺はこの世界の情報を知るために、情報を集めようとしていた。
「”サラ”、この世界の情報を集めたいんだけど何かいい方法はないか?衛生を上げるとなるとかなり時間がかかってしまうな・・・・・・」
「でしたら、ナノマシンにカメラを搭載させて世界にばらまくのはどうでしょう、現地に生命体がいた場合でも見つかりにくく、また様々なところで約にたってくれます。」
「なるほど、ナノマシンか・・・・・・確かにそれならすぐにこの世界の情報を集めることができるな!」
そう言うと俺は早速キーボードやタッチパネルを動かしナノマシンの準備に取り掛かって行った。