未知との遭遇
コロナに感染して暇になったので、自分が妄想していた物語でも書いて見ようかなと思いました。
初投稿です。
人間ってのはどんなに科学が進歩しても、理解し難い状況に陥れば皆数分間はフリーズしてしまうものだ。
今の俺が、そうであるように・・・・・・
今、俺がいるのは陸である。そう、空気があり、水があり、土や草がある......どこかの惑星の何処かの陸地だ。
「何処だ・・・・・・ここは・・・・・・」
思わず声が出る。
おかしい・・・・・・俺はつい先程まで、自作した宇宙要塞でAIとくだらない話で盛り上がりながら、広大な宇宙を漂っていた・・・・・・はずだった。
今は宇宙暦1300年、惑星さえもナノマシンで自作できるようになった人類は、自由気ままな暮らしをしていた。
俺もそのうちの一人だった。
しかし、今の俺は何処かの惑星の、何処かの陸にいる。
そして、眼の前に広がる見渡す限りの広大な海。
俺は、急に不安が押し寄せて来るのを感じながら、ふと気になって後ろを振り返る。
「良かった・・・・・・要塞は無事か!」
そこには東京タワー並の高さの、ドーム状の要塞がそびえ立っていた。
それは銀色に光沢していて、所々に穴が開いている。
穴が空いているのは、敵や何らかの障害物があったときに、レーザーで攻撃をするためである。
要塞には、医療設備やナノマシン、AIやロボット、武器、食料など、その他諸々の生きていくために必要な設備が整っているので、要塞も一緒にこの世界に来ていたことは、何よりも嬉しい情報であった。
「とりあえず中に入ろう、設備が正常に機能しているかが心配だ。」
そう言って俺は要塞の下の転送装置と呼ばれる場所から、要塞の心臓である司令室へテレポートした。
俺が司令室へ入ると、自動で電源が入り電気がついた。
どうやら先程まですべての設備の電源が落ちていたらしい。
俺は、慣れた手付きでキーボードを操作し、スクリーンに写し出される情報を読み取る。
「医療設備は・・・・・・異常なし、武器庫も異常なし、食料もある、
人格AIは・・・・・・良かった、全て異常ないみたいだ”!」
俺は、すべての設備に以上がないことを確認すると人格AIである”サラ”を呼び出した。
人格AIとは、人間に近い感情を持ち、話をすることができるAIのことである。
「人格AI、起動! コードネーム”サラ”!」
すると目の前のスクリーンに、銀色の髪をした少し背の高い、何処かミステリアスでクールな美少女が映し出された。
相変わらずの無表情で表情が読み取れないが、AIじゃなかったら見とれてしまうぐらいの魅力が、彼女にはあった。
「すべてのシステムに以上がないことを確認、コードネーム”サラ”起動”します。
・・・・・・お呼びですか?マスター。」
その声は俺を安心させるのには、十分な声だった。