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塾仲間と塾からの帰宅中に鬼に出会ってしまった。

作者: Y

もうこんな時間だ。

塾が終わり、仲間と話し込んでしまった。

僕は、帰宅方向が同じ連中と歩いていた。

連中とは、僕、カズ、ユウ、アキの四人だ。

急に、空気が湿ってきた。雨が降り始めたときのアスファルトの臭いが立ち込める。

ふと気づくと鬼がいた。目の前にいる。見ればわかる。あれは鬼だ。あの桃太郎に退治されるタイプの鬼だ。長めの金棒を持っている。

そして、鬼が言う。

「おい、お前たち。一人だけは見逃してやろう。残りは死ね」

は?あいつ何言ってんだ?どこの変態だ?

「聞こえたか?お前らのうち、最後に生き残ったやつだけ見逃してやろうと言っているのだ。なに、殺し合えと言っているんじゃない。手を汚すのは俺様だ。お前たちは俺様を利用して生き残ればいいのだ。」

僕は、まだ状況を飲み込めていない。

帰り道の先が途絶えている。どうやら崖のようだ。この道の先だけじゃない。城の堀のようだ。逃げ道がない。ここは孤立している。

「まだ状況がわかっていないようだな。おい、お前」

鬼はそう言うと、金棒をカズの頭に振り下ろした。バコン。

あぁ、カズの脳が血で汚れてしまったじゃないか。残念だ。いや違う。僕は少し遅れて状況を理解した。

「うわぁぁぁ」

僕は逃げた。とりあえず逃げた。走って崖っぷちに来た。遠くで笑う鬼と、ユウの逃げる姿が見える。

道に御札が落ちている。紙には「鬼、攻撃」と書いてある。くだらない。僕は紙を破り捨てた。

「あい、わかった!」

鬼の声が近くで聞こえた。そして、バコン。脳が飛び散った。

「あと二人だぞ。どうする?」

アキが言う。

「ごめん」

あ、何が、ゴメンなんだ?

アキはその御札を破り捨てた。

「あい、わかった。おら」

鬼は金棒を僕に振り下ろした。

「あ」

と声がでて、僕は死んだ。

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