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動かぬ証拠

「君如きケツの青い若造に講釈たれてもらうほど、私はもうろくしてないよ。兎に角、君は停学だ。そして、二度と娘に近づくなよ。さもなくば……」

「さもなくば?」

「退学、だな」

「そうですか。理事長のお考えがよーく分かりましたたよ。ところで、理事長の名前はなんでしたっけ?」

「私か? 私は石田竜。理事長の名前くらい覚えておき給え」

「では、この子の名は?」


 オレは石田を引き寄せた。理事長はさも不快な顔をしている。


「石田美鈴だが?」


 如何にも不機嫌そうな声を吐き出す。


「なぁ、石田美鈴。お前はVTuberの花園チョコラで間違えないよな?」

「え、ええ。そうだけれども……」


 石田は戸惑いながらもそう口にした。


「ふん。確かに私の娘は、VTuberの花園チョコラだ。だが、すぐに引退するがな」


 一方、理事長は不適に笑い、オレを見遣る。


「とどのつまり、君の主張は、娘にVTuberを続けさせたいということなんだろ? さて、君の話は存分に聞いた。その上での結論だ。山田哲、お前はアルバイト禁止の校則を違反したので、停学だ」

「はぁ、そうですか。そう出来るといいですね」

「なんだと?」


 理事長が睨め付けてきたが、ニヤリと笑った。そして、ポケットからスマホを取り出す。




「え、ええ。そうだけれども……」

「ふん。確かに私の娘は、VTuberの花園チョコラだ。だが、すぐに引退するがな」




 スマホのボイスレコーダーで録音した音声ファイルを再生する。

 理事長に入る前、予め起動しておいたボイスレコーダー・アプリの録音ボタンをタップしておいたのだ。

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