表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/59

悔しい。でも、感じちゃう

「キャー、貧乏神王が出たー」


 チョコラの喚き声が聞こえて、オレは密かに笑った。お前はもっと泣け、喚け。そして、借金苦に陥るがよい。


「おや、早速貧乏になりたいのか? ならばいいだろう。貧乏の世界ではお金は要らぬ! さぁ、サイコロを振れ!」

「う、ううううう」


 チョコラは貧乏神王の指示通りサイコロを振る。デカい目が出て、一気に彼女の手持ちの金が減っていく。いいよいいよ、貧乏神王さん。もっとやっちゃってください。


 次のナデ子先輩は、リニアカードを使い、着々と航路を進んでいる。だが、九州には遠い。


 オレは急行カードを使い、なるべくチョコラから距離を取ろうと必死になる。


 チョコラは新幹線カードを使い、追いすがってきた。その差は3マスしかない。


「く、来るなー。来るんじゃねー!」

「うふ、うふふっ。上杉~。次のターンでアンタを追い抜いて貧乏神王さんをなすりつけてやるからね。震えて待ってなさいよ」


 と、チョコラがドスの効いた声を出すも、貧乏神王さんが喋った。


「よし、お前を貧乏の世界に連れて行ってやるわ」

「いやー、それだけはやめてーーー」


 チョコラが絶叫するも、彼女は貧乏の世界へと行ってしまった。

 チョコラ、気の毒な奴め……ならば、あと10マスで目的地だが、ゆっくりと行くことにしよう。ゆっくりとなぁ。


 さて、次のターンのチョコラ。どっぷりと貧乏の世界に浸かっている。


 チョコラさん、サイコロを回す。3しか進まず。

 そして、間髪を入れず、赤字ルーレット。チョコラさん、-4億を引いてしまう。おまけにデビルまでも。


 最高だ。最高だぜ、コイツは。ククク。


「あのさ、上杉」

「何かな?」

「アンタ、自分の部屋でニヤニヤしてない? このあたしが、貧乏の世界に落ちて、笑ってない?」

「め、滅相もないですよ、チョコラさん。グフッ」

「あ、今、ちょっと笑ったでしょ?」

「いいえ、空耳でしょ?」

「うぬぬ……覚えていなさいよ、上杉」

 

 とか言っている間に、ナデ子先輩は新幹線カードで順調に南下してくる。だが、まだ九州までは遠い。


 次にオレの番で、6を出す。


「ありゃ目的地を通り過ぎちゃったなー。かー。本当はゴールしたかったのに、かー」


 とかわざとらしい声を出す。


 チョコラさんは相変わらず貧乏の世界にいて、サイコロを回すも、出口に到達せず、またも大赤字を引く。

 そして、デビル軍団までも容赦なく金をむしり取っていく。お、鬼だぜ、コイツら。グビリ。


 そして、ついにチョコラは所持金マイナスとなり、物件を売った。泣きながら。


 次のターンでまたオレは目的地に着けなかった。つまり、チョコラは未だ貧乏の世界にいることになる。


 チョコラは6を出し、出口に辿り着いたかに見えた。だが――


「そこは本当の出口ではなーい」


 と貧乏王に一喝され、貧乏の世界のスタート地点に戻される。そうと同時に赤字ルーレットを回し、8億の赤字を引いた。さらに、またデビル軍団が金を巻き上げていく。

 大赤字のチョコラさん、ガンガン物件を手放す。


 次のターンも同じ流れで、チョコラさん赤字ルーレットを回し、大損こいてまた物件を手放す。


「悔しい。でも、感じちゃう。ビクンビクン」


 とギャグをかましたら、チョコラからメッチャ怒られた。

少しでも「面白い」、「先が読みたい」と思いましたら、ブックマークと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ