タロウ鉄道2
まだこのネタを引っ張るのか(´・ω・`)
どんよりとした腐った魚のような目でテレビ画面を観ている。借金88億円。数字が真っ赤だ。どうしてこうなった?
もう説明するまでもなかろうが、一応説明しておこう。
オレは大体、土日を配信日に定めている。学校が休みだからだ。故に、平日は他の動画を観たり、或いは生活の中で、ネタになりそうなヒントを探しているのが常。
ほんでもって、今日は土曜な訳で、いつも通り配信を終え、何気なくディスコードを見たらチョコラがいた。ほんでもって、「タロウ鉄道やるわよ、タロウ鉄道。前回のリベンジ、果たしてやるんだからね」とかほざいていた。
「はぁ、さいですか。ほなワイ君は忙しいのでオチまーす」と適当にいなそうとしたら、ナデ子さんが降臨してきた。
「楽しいよねー、タロウ鉄道。やろうやろうよー」
とか無邪気に言い出したので、そこで絶望。ナデ子さんからの鶴の一声には逆らえねぇ。もうやるしかない……
という経緯があり、今に至る。
因みに10年プレーであり、今は9年目を終えたところ。
88億円の赤字とか末広がりで最高だよね! ――ってんな訳あるかよ。
れいによって、あの大きくなった貧乏神さんが、8億の赤字のところで現れたんだよ。そこから倍々で借金が膨らんでいったんだ。
そして、今、白目を剥いている。
「あははー、楽しいねー、ナデ子先輩ー。特に上杉が最下位だと楽しさも倍増するっていうかー」
「しー。チョコラちゃん、そんな風に思っていても、声にしたら駄目だよ。上杉君が可哀想だよー。だから、シー。お口にチャックしてね」
「はーい。ぷーくすくす。げらげらw」
いや、口にチャックもなにも、丸聞こえなんですけど。ヘッドセットをして、喋りながらやっているんだしさ。
「え、えへ、えへへ。あのー、チョコラ様?」
「なによその卑屈な声。キモイわね」
「貴女様は、徳政令カードを持ってらっしゃいますよね? 是非、それを卑しいわたくしめの為に使って頂けないでしょうか?」
「上杉さん」
「チョコラ様?」
「死んでも嫌ですー。絶対に、ぜーったいにつかいませーん。ぷーくすくす」
「ちっくしょう。お前資産50億で2位じゃないか! 慈悲を与えてもいいだろうが! このドケチ。守銭奴!」
オレの罵りなどどこ吹く風と体で、チョコラは口笛など吹き始めた。
コイツに期待したオレが馬鹿だった。しょうがねぇ、サイコロ振るか。
サイコロ目通り5マス進む。
と、そうしてマスを踏んだら、なんか上手いこと具合に出身地だったので、借金は帳消しとなった。これはラッキー。
「チッ、ラッキーね、上杉」
チョコラがサイコロを振り、着々と目的地へと近づいていく。
「泣く子はいねがー。チョコラは何処だー。貧乏神をお前に押しつけてくれるわ」
「ふふん、お生憎様ー。あたしは今、北海道にいまーす。ゴールの小樽まで近いでーす。けれど、上杉君はまだ関東にいるじゃない。それで追いつけるなら追いついてみなさいよー」
二人でいがみ合っている間に、ナデ子さんがサイコロを振った。ナデ子さんは東北から北海道に入った。
オレの番となった。一か八かで、北へカードを出す。
ヘリコプター出動。そして、運良く北海道へとやって来た。降りたポジションは絶好の位置。すぐそこにチョコラがいるからだ。
「ぐぇへへへ。待ってろよ、チョコラ」
「きゃー来るなー。この貧乏神めがーーー!」
チョコラがサイコロを振ったが、1。1マスしか進まない。もう射程圏内だぞ、チョコラ。
資産100億越えのナデ子先輩が、悠々とサイコロを振る。函館経由で札幌近くに向かっているかんじだ。
そして、オレの番。3以上の目が出れば、チョコラを追い抜くことが出来る。貧乏神をなすりつけられる。
「喰らうがいい、チョコラよ!」
サイコロを振ったら5が出た。それで、チョコラを追い抜いて、貧乏神を押しつけたのはいいのだが、ピタリと目的地の小樽に止まってしまった。
結果、貧乏神はナデ子先輩についてしまった。
次の目的地を決めると、札幌になった。
それから3ターンが経過し、ナデ子先輩はすんなりと札幌に着いた。豊富な所持金を持つ先輩は札幌の物件をガンガン買い上げる。
そして、次の目的地は宮崎となった。
この時点で一番遠いのは、チョコラ。ようやく奴が貧乏神を背負うことになったな。ハハハ。
だが、チョコラには新幹線カードがあったはず。つまり、オレを猛追してくる。
オレの番となり、華麗にヘリポートのマスに着く。そして、そのまま九州へと飛んだ。アディオス、チョコラ。
「ふ、ふふふ。うふふっ。上杉、こんなこともあろうかと、取って置きのカードを取っておいたわ。喰らえ、テレポート!」
チョコラはテレポートカードを使い、一気にオレの近くまでやって来た。ヤベぇ、ヤベぇよ。
泡を食っていると、貧乏神の様子が……
貧乏神は貧乏神王に変化した。
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