タロウ鉄道 3
いきなりX鉄をぶっ込んで済みませんでしたー(´;ω;`)
それから数ターンで、ナデ子先輩が目的地に着いた。2連続で目的地に到達したので、ボーナスまで付く。う、羨ましい。
目的地から一番遠い所にいるオレが、また貧乏神を背負う。
そして、2回ほどサイコロを振ったところで、2年目が終わった。トップはナデ子先輩で独走。2位はオレ。最下位はまだチョコラ。だが、チョコラとの差は僅か。
こうなったら、アレだ。くらえぃ、サミットカード。集合じゃ、皆の衆。
「あれあれ。今度は私が貧乏神を背負うのかー。よいしょっと」
ナデ子先輩に貧乏神が取り憑いた。済みません、先輩。
次はショコラの番で、急行カードを使う。ナデ子さんを追い抜いてしまい、貧乏神がチョコラに移った。
「い、いいのか、チョコラ?」
「ふん、いいのよ。次の目的地は高知だからそんなに遠くない。なら、いち早く目的地に着いてやるわ」
「おー、チョコラちゃん。男前だねー」
「いや、女子ですけどね。けれど、何人たりともあたしの前は走らせませんから!」
チョコラは赤字のまま、猪突猛進していく。貧乏神を背負ったまま。
そして、数回の後……
貧乏神の様子がっ。貧乏神は大きい貧乏神へと変化した。
「おら、お前。もっと赤字を多くしてやる。サイコロを振れ。振った目の倍、赤字が増えていくからな」
「ひぃ!」
チョコラはわなないた。そして、サイコロを振る。目は6。
「マイナス7000万円の赤字の6倍にしてやる」
マイナス4億2千万円。チョコラさん、マイナス4億2千万円。
「ひー、腹痛ぇ。ひー」
オレがゲラゲラ笑うと、「笑うな!」とチョコラの怒声が聞こえてきた。いいよ、いいよ。もっとやっちゃってください、大きい貧乏神さん。
次にチョコラの番になる。着実に目的地へ近づくものの、大きい貧乏神さんが相変わらず取り憑いている。
チョコラさん、大きい貧乏神さんの指示通りサイコロを振る。またも6。
「マイナス4億2千万円の6倍にしてやる!」
「チョコラさん、マイナス25億2千万円。ひー、腹筋崩壊するー。いやー、チョコラさんイカしてるー。そこまでの借金を背負うとか、なかなか出来ないことだよ」
「う、うううう……」
あれ、イジり過ぎた? なんかチョコラの声が震えてるんだけど。
まぁ、まだ目的地は遠いが、しゃーない。迂闊にチョコラに近づくのはよそう。
オレは急行カードがあるにも関わず、2を出し、ゆっくりと行くことした。くわばらくわばら。
「うーん、ここは勝負だねー。えーい、都市カード」
ナデ子先輩が都市カードを出すも、東京まで飛ばされてしまった。
次は大借金王のチョコラさんの番。彼女は新幹線カードを出す。え、何やっての? もう目的地に近いのに。それじゃあ、デカい目が出て、目的地を通り越す可能性が大きいぞ。
って、まさか!?
「上杉信玄ーーー。おのれー」
20。サイコロの目は20。チョコラはなにを血迷ったか、目的地は逆方向に爆走し、こちらに近づいて来た。
「うわっ、来るな、来るなーーー!」
チョコラの最下位は確定的。だが、ここで貧乏神をなすりつけられては、たまったもんじゃない。あの貧乏神が貧乏神の王に変身したら、かなり危うい事態となる。
オレも高知とは逆の方向に逃れようとするが、1。1マスしか進まない。
「二人とも仲が良くていいねー」
関東方面にいる先輩は、3を出し、駅に止まって着々と物件を買い上げる。
「うぉおらぁ!」
チョコラはまた新幹線カードを出し、13マス進んで、オレを通り越した。故に、貧乏神が自動的になすりつけられる。
オレは手持ちが赤じゃないので、大きな貧乏神は普通の貧乏神に戻った。が、いらんこんなの。
6を出し、再びチョコラを追い抜き、貧乏神を預ける。目的地とは、完全に逆を行っているが、致し方ない。
「上杉ー。何やってくれちゃってのよ!?」
「貧乏神を預けただけですが、何か?」
「ウキーーー!」
チョコラはチンパンジーのような奇声を発する。退化した。人類から退化しやがったよ、コイツ。
ナデ子先輩は、2を出して青マス。彼女はまだ関東方面にいるが、着実に稼いでいた。
「しねぇい、上杉信玄」
またチョコラがこっちに突進してきて、貧乏神をなすりつける。今度はオレが絶叫し、チョコラを追い回す。
関西方面で醜い貧乏神のなすりつけ合いが勃発。なんか本来の目的から激しく逸脱している。
そうこうしているうち、誰も目的地である高知へ辿り着けず、3年目になり、ゲーム終了。
1位は30億稼いだナデ子さん。2位はオレで、資産100万というなんともしょっぱい結果に。そして、ぶっちぎりの最下位はチョコラさんに決定。
いやー、めでたしめでたし。
「あ、母さんが呼んでる。ちょっと晩飯食ってきますので、落ちますね」
「ちょ。勝ち逃げは許さないんだからね。また1時間後に再開よ。今度は10年でね」
「オッケーだよー」
「りょーかい。んじゃ、先輩、チョコラちゃん。一旦オチまーす」
軽い調子でそう言って、ヘッドセットを外し、テレビの電源を切った。
やれやれ。また1時間後に血みどろの死闘が始まるか。
そう感じながら、軽く両肩を上げ、襖を開けた。
しかし、チョコラというか、石田め。アイツは本当に恐ろしいヤツだな。
少しばかり身を震わせ、食卓についた。
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