step.6「剣ちゃんも、女の子にかわる」
剣ちゃんを研ぎ始めて、何日か経った、ある日のこと。
ぱああああぁー、と、光が走りはじめて――。
ぼくは〝その時〟が来たことを知った。
《よし。あ――うん、なんかわかった、たぶんできる。あたし――》
もう剣ちゃんはまぶしくて見ていられないほど。
《ご主人さま! ――正座して待ってなさいよーっ!!》
ぼくは言われるままに正座した。ワクワクして待つ。
やがて光が収まったときに立っていたのは――。
《どうっ!?》
スレンダーな体つきの女の子が、ポーズを取って立っている。
あー、うん。
剣ちゃんだ。すごいイメージ通りだった。
剣ちゃんは、ちょっとキツい感じがあったんだけど、それも外見によく表れていた。
「すごい綺麗だよ。――剣ちゃん」
《ば――ばかっ! 剣に向かって! 綺麗とかバカじゃないの! ほ、褒めるなら! もっと違うコトバで褒めなさいよ! た――たとえば、よく切れそう! だとかっ!》
「こっちはよく切れるようになったと思うよ」
ぼくは剣ちゃんの〝本体〟を手に持って言った。
剣ちゃんに一つ一つ教えてもらいながら、ずっと一心不乱に研いできた結果、刃はとっても鋭くなっていた。
そして剣ちゃんが人間の姿になれるようになったとき――。盾ちゃんのときと同じように、剣の〝本体〟もまた、形状を変えていた。
ずっと高そうな感じの剣に変わっていた。
《あ……、ね? ちょっとあるじ! いまの、もういっぺん……言って? ほーらー! 言いなさいよ!》
「え? どれ?」
《だーかーらー! いまの!》
「ああ。うん。……すごくよく切れそうだね」
《はきゅううぅぅ~ん!》
「なに? どしたの? 剣ちゃん?」
《あるじさま~、喜んでいるんですよ。剣ちゃんは~》
「そうなんだ」
《わたしにも、言ってくれますぅ~?》
「なんて言えばいいの?」
《それは盾ですからぁ~、丈夫そうだね、とか~?》
「丈夫そうだね。どんな攻撃も受け止められそうだ」
《はきゅううぅぅ~ん……!》
盾ちゃんも、変な声をあげた。
ぼくらは笑った。ぼくも盾ちゃんも剣ちゃんも、オバちゃんも笑った。
ぼくたちは、その時、本当に幸せだった。
Act1 異世界生活リスタート編、完了ーっ、です~。
ここまで初日に連続更新させていただきましたー。
次回からは、日刊更新となりまーす。明日19時の更新でーす。
新章「冒険者……になんて、なれっこない」に突入でーす。
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