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私の父

作者: 牛玖ケンジ
掲載日:2025/12/22

私の父は死にそうだ。


毎朝六時に目が覚める。父のたんを吐く音で起こされる。喉が痛いのだろう。最近は咳も増えてきた。それも重い咳である。朝から玉緒は嫌な気分になる。朝、玉緒はベットの上でずっと同じ事を考えさせられる。心配になり悲しくもなる。

父はタバコもお酒もやめられない。とても美味しく、気分良さそうに飲んで吸う。玉緒は家にいる時の父のその様子をずっと見てきた。


食事中の父は面白い。たくさんティシュを使う。口を拭ったり、テーブルを拭いたりする。昨日の父は昭和ソングを特集したテレビを嬉しそうに見ていた。特に中森明菜が映ったときに。

「getup,getup,げっげぇーーーー」

とゲップをかました。汚いが面白くて吹き出しそうになった玉緒がいる。重い咳は止まらない。風呂前は必ずタバコを吸う。全てルーティン化されている。玉緒は心配になるばかり、まだ中学生なのに父が死んでしまったらと。人はいつか死ぬそれは分かっている。玉緒の爺ちゃん婆ちゃんはみんな死んだ。


父は運転が上手い。必ず助手席に座る。

横断歩道では必ず歩行者を譲る。そうしなければいけないらしい。指差し確認までする。


父は真面目だ。夜寝る前に必ず明日の仕事着をリビングに置いておく。天気予報を必ず確認する。


父はゴルフをする。おそらく接待をする方だろう。お昼ご飯の時間にビールを飲んで怒られたらしい。素人のゴルフは、気を遣いながらやらなければいけないらしい。前の組の人達の位置を確認してボールが当たらないようにするらしいが、父はグリーンに前の組の人達がいるのに、どうゆう訳だか知らないがドライバーでティーショットをしたらしい。それで凄く怒られたらしい。玉緒その話を聞いて大笑いした。


父と兄で焼肉行った。父は酔いながらは言った。「先に歩けなくなるのはお母さんだろう」一体どの口が言っているのだろう。父が言うには母は運動が嫌いで本ばっかり読んでいるからと言った。玉緒はあまり腑に落ちなかった。この間の痛風の話を兄が振った。そしたら父は言い訳を始めた「足の親指を深く切りすぎたらしく、そこから菌が入って痺れただけなんだ」そう医者に言われたらしい。


父が死んだ。本当に死んだ。起きてこなかった。父の心と体を別に考えると、父の体はよく頑張った。玉緒は一応泣いた。

父のたんを吐く音は忘れないで生きていく。


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