11. 固く閉ざされた門
城壁が天を突くようにそびえ立っていた。その雄大さとともに放たれる圧倒的な威圧感に、足が自然と止まった。遠くから見えていた明かりは、近づくと華やかに輝いていた。私がそれほど探し求めていた文明の痕跡だった。地獄のようだった森から抜け出し、ついに安息の地にたどり着いたというかすかな希望が、さっきまでは存在した。
しかし、城門のすぐ目の前で、私は鏡を見たようだった。血と土で固まった髪、あちこちが破れてボロボロになった服、全身を覆う傷と汚れ。骨ばかりがむき出しになった憔悴した姿は、まさに野生動物と変わりなかった。こんな私のざまじゃ、あの城門の近くにも行けないだろうと直感した。
「くそ…誰かが見たら山賊か乞食のガキだと思うだろうな。いや、ただの怪物か。」 私は自分に呟いた。
真っ先に思い浮かんだのは、当然ながら城門だった。しかし、普通に歩いて入るには私の格好がひどすぎた。見張りが立っているのが目に見えていた。あのクソ門番どもが私を見るなり、すぐに刀で刺してこなければ幸いなことだろう。大声を出すとか、助けを求めるのは…やってみるだけ無駄だった。いい加減な訴えが通じるはずがないのは明らかだった。
それならば、別の方法があった。私は素早く周囲を見渡した。
城壁を越える?私が持つ微弱な念動力では、石ころ一つ動かすのがやっとだった。あんな巨大な壁を越えるのは、ほぼ不可能だった。おまけに城壁の上には、確実に警戒している兵士たちがいるはずだった。下手に飛び込んだら弓で射殺されるか、そのまま引きずられて牢屋暮らしになるだけだった。
「バカな、あんな城壁に挑むか?すぐに殺されるだろ。」
隠れて入る?こっそり潜入するのなら…どこか下水のような通路があるかもしれない。獣のように闇の中を這いずり回り、ネズミのように隠れなければならないだろう。あるいは、物品を積んで出入りする馬車にこっそり忍び込む方法もあった。しかし、それは運が味方してくれなければならないことだった。こんなクソみたいな運が私にあるわけがなかった。
「くそったれ、ネズミみたいに下水でも探してみるか。運良く馬車でも見つかれば別だがな。」
戦って入る?異世界に落ちてきて以来、どうにかして生存者としての経験値は溜まった。しかし、相手は森の獣ではなかった。きちんとした武装までした人間たちの組織だった力だった。おまけに彼らの都市は、頑丈な城壁で囲まれていた。私一人の力では、到底無理だった。
「笑わせてくれるな。すぐに無駄死にするだけだ。」
夜は深まり、城門は固く閉ざされたまま微動だにしなかった。森は抜けたが、私はまたしても巨大な壁の前で身動きが取れずにいた。絶望は希望の隙を与えなかった。
その時だった。私の後ろから、低いながらもはっきりとした声が聞こえてきた。足音も立てずに現れた、私と似たような歳頃に見える女の子だった。
「あら、城門の前でこんなことしてるなんて…けっこう珍しいね。何か問題でも?」