9. 境界の破綻
何日も昼夜を問わず巨石に身を投げた。奴の「パターン」はひどく単純で、そしてひどく完璧だった。俺は洞窟に戻り、全身の痛みを抑えながら、毎晩しつこい復習を続けた。ノートの代わりに、土の床に木の枝で巨石の位置、反応範囲、反応トリガー、そして見えない衝撃波の方向と射程まで、俺が知り得た全ての情報を記録しては消すことを繰り返した。俺の拙い実験はいつも血だらけに終わったが、少しずつ、ごく少しずつ、奴の「境界」に亀裂を入れる手がかりを見つけていった。
巨石は動かなかった。一定距離に接近するか、吸収を念頭に置いた接触の試みに対してのみ反応した。見えない力で俺を吹き飛ばすその一撃は、「警告」に近く、範囲内でのみ作動した。俺を殺そうともしなかった。数十回、数百回打ちのめされても、奴は俺に最後の一撃を放たなかった。まるで…「超えて来るな」というメッセージを繰り返す自動防御システムのように。
「くそっ、これが…本当の『境界』そのものだったのか?」
全てのピースがはまるようだった。巨石は森の「結界」を維持する装置であり、その結界そのものだった。奴は侵入者を「除去」するのではなく、単に「遮断」して「警告」する役割を果たしているのだ。だとすれば、奴の「パターン」を逆手に取って攻略する方法があるはずだった。もちろん、命を懸けなければならないが。
夜明け、疲れた体を引きずって洞窟を出た。俺はこれまでに俺が知った巨石の全ての「パターン」を見抜いていた。巨石の気配が近づいてくるにつれて心臓が再び狂ったように高鳴り始めた。血が冷たくなるような恐怖が足元から全身を駆け上がったが、もうこれ以上躊躇することはできなかった。今日でなければ永遠に機会はないだろう。奴の本体は俺の「アビス」能力が通じない絶壁だったが、その「パターン」は通用した。ひどく繰り返される自動反応システムには必ず隙があるものだった。
俺は先日実験を通して見つけた巨石の最も致命的な弱点を狙った。奴の衝撃波は圧倒的だったが、発動直後不可避に発生するごく短い刹那の硬直があった。その瞬間、巨大なエネルギーを放出したせいか結界の防御密度が極度に圧縮され、かえってその核心部がわずかに露出するごく微細な隙。その刹那の瞬間を突くことにした。これは単にタイミングを合わせるだけでなく、奴の最後の防御壁を打ち破り、私のすべての意志を込めて突破しなければならない勝負手だった。
全身の神経を集中した。冷たい大気が振動し、虚空が悲鳴を上げながら俺を吹き飛ばそうとした。だが俺は歯を食いしばって耐えた。計算されたタイミングで身を投げ、最初の衝撃波を流した。すぐに、奴の本体から感じられる極めて微細な震えと硬直!その刹那の瞬間、俺はすでに奴の本体へ突進していた。右腕を伸ばし、全身の意志を一点に集めて巨石の黒い本体に手を突き刺した。
「吸収…!死ね…!頼む…!」
強烈な痛みが全身を引き裂くようだった。吸収を試みるたびに逆流していたその圧倒的な気が、今回はわずかながら吸い込まれてくるのが感じられた。骨が砕ける音が聞こえるようであり、意識は遠のいていった。奴は苦痛に満ちた振動を放ちながら全身が痙攣した。巨大な本体から黒いオーラが嵐のように散らばり、この森全体を圧していた巨大な結界がひび割れ始めた。青い光を放っていた巨石の隙間が、ますます薄れていった。
俺の手が奴の本体の奥深くに入り込んでいくにつれて、俺は未知の情報と感情の破片に圧倒された。巨大な時間の流れ、森の生成と消滅、数多の存在たちの生と死…全てが混ざり合って俺を覆った。膨大な量の知識が滝のように流れ込んできた。その圧倒的な衝撃に、精神を保つことさえ困難だった。「うわああああああ!」本能的に全ての力を振り絞り吸収を完了した。
ドガアアアアン!!!
巨石の本体は爆発するかのように粉々に砕け散った。黒い岩石の破片が四方八方に散らばり、森全体を覆っていた圧倒的な結界の力が嘘のように消えた。体を圧していた重苦しい圧力も消え、突然の解放感と共に宙でどさりと倒れた。視界はぼやけていたが、俺ははっきりと見た。森の境界の向こうに、遙か遠くまで広がるもう一つの世界の風景を。生き延びたという安堵感と同時に、全ての力を失った後に訪れる虚無感が押し寄せた。ようやくこの巨大な存在を打ち倒したが、今俺はどこへ行くべきなのか。
私の物語に貴重なお時間を割いてくださり、心より感謝申し上げます。 もしお読みいただき、何か不足な点や改善すべき点がありましたら、忌憚のないご評価や貴重なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。 常に学び、成長できるよう努めております。