闘技国誕生
前章を踏まえて作者の小話
2度目のラグナロク第一章《山の竜編》最終話と同時公開!
…人類誕生から約1500年後…人々は集団で生活をするうえで、群衆を纏めるリーダーを作り上げたのだ。
…やがて人々を纏めるリーダーは『君主』となり、そのもとに集まった人々が『民衆』となる。
…多く、大きくなった人々の集団はやがて『国』を造り、『君主』は治める地を統治し君主は『貴族』、その貴族らを纏める『まとめ役』を『王』として君臨させた。
…だが、やがて『貴族』と『貴族』の間で『地位』の上下関係を巡り争いが起きたのだ、その争いが大きく膨張していく…その様子に気付いた《方解の守護者》が咆哮する。
「何故だ…何故人らは争う…上下の立場あれど等しく人であるのに…」…と、深く嘆いた守護者は顔に深く…濃く影を落としたのだ…。
…だがそんな者たちの中にも確かに存在したのだ…、この争いに辟易する貴族も存在していたのだ。
この貴族に『光』を見出したモノ…《翡翠の先導者》が先導者の名のもとに貴族間の争いに終焉をもたらしたのである。
その貴族は、民衆を徴兵する権力争いを《翡翠の先導者》の名を使い徹底的に殲滅したのだ…、
しかしながらそれだけでは貴族等の反感を買うだけである…そこでその貴族は一つの『権力争い』を提案したのだ。
その権力争いとは…
貴族たち当人の殴り合いによる、直接対決である。
一見、根本の解決になっていないように感じる対策だが、この権力争いはまず死者数が大幅に減少したのであった、
民等の徴兵がなくなった権力争いは貴族間の直接的なぶつかり合いにより、陰湿な貴族間の権力争いは形態を大きく変化させてきたのである。
だが、いつしかそのような権力争いは自然消滅していった…馬鹿々々しくなったのだ、
権力に固執し愛する者たちを危険に晒すような行動に…権力を増したとしても得られるモノは決して心満たされるものではなかった。
そして顔を合わせて向き合うことでお互いを知り合う事で、土地が大きいから偉い…なんと狭窄な心であったのかと自らを恥じ、権力争いは武力から話し合いに変わっていった。
貴族の争いに始まり、いつしかそれは貴族の娯楽へと変化したのだ。
貴族たちの権力争いの殴り合いに始まり、スポーツの様な面を見せた格闘技へと変じ、いつの間にか戦う側から観戦する側へ…より本格化した強者たちの戦いへと姿が変容した。
現存する中立的娯楽国家『闘技国』となったのだ。
そして現在…。
初代闘技国国王、もとい権力争いを終焉に導いた貴族…『ルル家』が現在も闘技国の運営を治めており、現代の権力争いは戦う側の貴族から観戦側へと変わった。
つまり、闘技を行う上で必要になる支援金を多く支払う事で、資金力に余裕がるというマウントをとる…という静かな権力争いが行われているのだが…蛇足である。
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ワァァァアアアアアアア!!!
その闘技国で現在響く快勝のゴングに、今人々は魅了されているのであった…、そして今行われているのが大会の『王座奪還シード決定戦』の優勝者が決定し、表彰されていた瞬間であった。
「さぁ!今回の優勝者はーーっ!」
ぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!
「大陸一のナイフマスターの第二高弟、サルダバーン!」
「ゥォォオオオオオ!!!」
「さぁ!次回の王座奪取戦のシードとなりました、次回の闘技大会になにかいきごみは!?」
ドっ!
「っきゃ!?」
びしっ!
「闘技国覇者ァー!」
大きく優勝を宣言されていた全身傷だらけの男であった、サルダバーンは快活な司会者の女の子を押しのけ、コロシアム状の闘技場で一番豪華な観覧席に指を指した。
大きく豪華な座椅子から立ち上がる者は、高身長な細身の男の背であった、垂れていたシルクの暖簾を柔らかく開き場内を覗いた。
「…」
「お前を倒し、その席に座らせてもらう…!」
「…」こくっ
「まずは司会者にぶつかったことを謝れ」
「それはゴメン!!」
覇者はそのシルエットを暖簾からチラつかせる…。
こんばんは!
プロローグ01をご覧頂きまして本当にありがとうございます!
〇謎の闘技国覇者
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いつも見ていただきありがとうございます!あとがきに書いてる小話って需要あるんですかね…?
次回、第二章《闘技国編》!お楽しみに下さい!