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俺は甲板の上で目を覚ました

どうやら寝ていたらしい

起きあがり辺りを見回す


船の上ではそれぞれの役割を果たすべく、人々が忙しなく動いていた


ここにいるなら自分も何か手伝おうと思った


近くの男に話しかけた

「何か俺に仕事をくれないか?」


「おう!人手なんかいくらあっても足りないくらいだ!暇なら食材を厨房まで運んでくれ!」


「分かった、食材はどこにある?」


「その辺の甲板に転がってるだろ!」


甲板を見渡すと、甲板を埋め尽くすほどの魚が転がっている

奥では男たちが網を引いている


俺は立ち上がり魚を集めるため歩き出した


その時だ


「逃げろ!!」

甲板の方からだ


遠くを見やると空が黒くなっている

目を凝らした


カモメだ

それも大群


「ウーーーー!、ウーーーー!」

甲高い鳴き声が近づいてくる


甲板から船内へ繋がる重い鉄扉が開かれる

人がなだれ込んでいく


俺は立ち尽くしてカモメを見ていた


船が影に覆われた

無数のカモメが頭上を飛び回る

ベチャベチャ!

上から何かが雨のように降り注いでいる

酷い匂いだ


音が止むとそのうち一匹のカモメが急降下し魚を咥えていく

それを皮切りに無数のカモメが甲板に突っ込んでくる


統率が取れているのかそれぞれのカモメがぶつかる事はない


カモメが体にぶつかり体制を崩し、その場にうずくまった

船が大きく揺れる

カモメは凄い声で騒ぎ立てる

まるで地獄だった


「早くどこかへ行ってくれ!」

心の底から願った


次第に静かになり俺は顔をあげた


そこには甲板の色が分からないほどの汚物があるだけで魚は一匹も残ってはいなかった

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