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海原

気がつくと水の中に居た


苦しさは感じない、むしろとても落ち着く


水の上に上がらなければと思うが、いつまでもこうしていたい


そのうち、体がふわりと浮き上がってきた


水の外に出た


太陽が出ているが外はとても寒かった


少しでも水の中に浸かっていようともがいた


しばらくすると体を誰かに抱えあげられ、冷たい床に打ち上げられた


振り向くと男の顔があった


男は酷く狼狽した様子で「大丈夫か!」と聞いてきた


話を聞くと、男は近くを船で通りかかり、人が溺れていると思い助け出したようだ


俺は大声をあげた


「溺れているなんてとんでもない!こんな寒いところに居るより水の中にいた方がいい!」


それを聞くなり男は、俺が正常な判断が出来ないほど弱っていると考えたらしい


数人の男を集めるなり俺を船の中へ運ばせた

抵抗したが男たちは強かった


船の中に入るなり数人の女が集まってきて俺の濡れた服を脱がせ、新しい服に着替えさせた

先程の男たちが着ていたような特徴のない服


そのまま俺をベッドが並べられた部屋へと連れて行く

疲れているのだろう、抵抗する気さえ起きない

そのままベッドに横になり泥のように眠った




目が覚めた、部屋の電気は消えており周りのベッドでは男たちが眠っている


俺はもうひと眠りしようとも思ったが、今なら自由に行動できる


俺は船の甲板を目指した


少しの記憶を頼りに進んだ

重い鉄の扉を見つけた

「たしかあそこから来たはずだ」


扉を開ける


甲板に出る


周りは暗い、波の音だけが聞こえる、この船はどこへ向かっているのだろう


船べりに向かい手をかける

その時だった


眩しい


遠くから太陽が登ってくる

途方もないほど広い海原に一筋の道が出来た


その時俺は、どこへ行くかも分からない船だがもう少し乗っていようと思った

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