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1-9世界へ つづきのつづき

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、東シナの海水は日本の周りの海で一番しょっぱいそうですよ?

だから何というわけではありませんが。


●〇●〇


 クエスト受注広場(仮)に着いた私は、空いている適当な珠に手を置いてウィンドウを開き、アビリティ合計レベル0~0でソート。受けられるクエストを探します。


 すると、先ほどまでは全て灰色表示で選択できなかったクエスト一覧が選択できるようになっていました。

 試しに一番上のクエストを開いてみます。


==========

【荷運びの人手】フリークエスト

 力仕事の人手が足りねぇ! 頼む、手伝ってくれ!


達成条件:一定時間内に、特定の『荷物』を運搬する

達成回数:0


※このクエストはRoots内時間9:00~12:00の間に各日一度のみ開始することが可能です。

※このクエストは特定の回数を達成することにより、ステータスにボーナスの付与されるクエストです。


報酬:200 C


ステータスボーナス(積み上げ値0/10):STR+1 HP+5


~ギルド証情報:機構人形~

※ステータスボーナス取得不可。

※ギルドより、メンテナンス券▼が1枚発行されます。

==========


 メンテナンス券とはなんぞや?


 説明欄が折りたたまれているようなので、さっそく開いてみました。


==========

『メンテナンス券』

 使用することで一定時間(30分)自身の身体部品の劣化速度をわずかに低減させる。


※このアイテムは買取・売却・譲渡が出来ません。

==========


 ふむ?


 ふむ……


 なんかとってもいいアイテムなような、そうでもないような。何とも言えないアイテムですね。悪くはないのですが。

 わずかに、がどれくらいなのかですよね。


 初動の今より、もっと後の方が価値が高そうなのは気のせいでしょうかね?


 まぁ、少なくとも徒労というわけではなさそうで少し安心。


 さて、それはそれとして、メンテナンス券一枚は欲しいです。なので、メンテナンス券を貰えるクエストは一件受けて、と。


 アビリティ合計レベルが0の今の状態だと、あとは、お金・料理(握り飯)・装備(お守り)を貰えるクエストが各一つずつしかないので、料理は売るくらいにしか使い道がありませんし受ける必要ないですよね。


 そうしたら、残りの二つは受けてみることにしましょうか。

 美味しいなら、同じのを何度も受けてもいいですよね。できるか知りませんけど。


==========

【売って買って】フリークエスト

 回る経済。潤う人々。


達成条件: マーケットボードから売・買をそれぞれ3回ずつ行う

達成回数:0


報酬:クラフトスペース利用券▼


※このクエストはRoots内時間9:00~12:00の間に各日一度のみ開始することが可能です。

※このクエストは特定の回数を達成することにより、ステータスにボーナスの付与されるクエストです。


ステータスボーナス(積み上げ値0/10):STR+1 LUC+1


~ギルド証情報:機構人形~

※ステータスボーナス取得不可。

※ギルドより、メンテナンス券▼が1枚発行されます。

==========


 まずはこれですね。

 先ほど気になった案内板が多分マケボのものだと思うので、覗きに行くついでに。


 すれ違うキャラの方々を横目に眺めつつ、案内板を追いかけて行くこと少し。


 開け放たれた大きな門扉の先、続く通路には左右壁際を埋め尽くすように立ち並ぶ露店? の数々。


 その最も手前、扉際に設置された大きな掲示板。

 天井からの吊るし看板にマーケットボードと書かれているので、これがそうなのでしょう。


 先の露店では幾人かが売買をしているようですが、意外にもマケボの前には一人も人が居ません。


 ぎゅうぎゅう詰めでも困るので助かるのですが、張り付いてる方とかいないのですね。

 いないのか、必要がないのかはわかりませんが。


 マケボに触れ、ポップしたウィンドウを見ると、どうやらアイテム名とアイテム種で検索できるようです。


 とりあえず素材アイテムで検索、出品数の多い順でソートすると、一番上に赤鉄鉱というアイテムが。


 眺めてみると、1スタック(S) 、99個、一度に売買できる上限量ですね。

 それで、27000前後くらい。

 単価は約270 C。


 私の所持金は500 Cなので、流石に買えませんね……


 一つ下。

 コレル木材。


 こちらは、1 S、99個で3000 C

 単価は、約30 C。

 買えますね。


 そしてこれだけ取引が盛んなら少し待っていれば――

 ――ほら。


 価格の安い順でソートして、ウィンドウを少し眺めていると、一番上に二個売り55 Cでの売りが。

 時間勝負。急いで決済してしまいます。


 そんなことを数回繰り返し、単価20~29 Cで9個のコレル木材を買い集め、これで買いの方は達成。

 今度は売りですね。


 単価29 Cで三個ずつマケボに載せて少し。

 入荷したコレル木材はわずかな利益を出して全て巣立っていきました。


 いいアイテムになるんですよ。


 ……まぁ、こういうのはあるあるですよね。

 せこいとか言ってはいけません。

 お金を転がすのは元手もかかりますし意外と時間対収益がよろしくないので、もうやりませんけどね。


~ポーン… ポンッ~

~ポーン… ポンッ~


 せこ…… いえ、効率よく回数をこなしたことにより、達成のハンコがぽんと押されるとウィンドウからぴろぴろっと二枚のチケット。


 そして、同時に達成されたチュートリアルクエスト報酬に、先ほどの武器箱とは意匠の異なる防具箱が。

 そこまで違うというわけではありませんが、色とか細かい作りが違うので、これもとっておきたい感じです。


 さっさと倉庫のようなのが無いと、すぐに手持ちが溢れそうですね。


 チケット二枚は結構違いがあります。

 一枚は、透明な部分があったり光沢のある部分があったりと結構豪華です。

 こちらが、メンテナンス券。


 もう一枚は、The量産、って感じの簡素なつくりをしています。

 こちらがクラフトスペース利用券ですね。


 予想はしていましたが、どちらもアイテムなんですね。

 んー、意外とアイテムボックスの圧迫?


 まぁ、今のところは枠には困っていないので、よしとしましょう。


 二枚のチケットと防具箱をアイテムボックスに放り込んでおきます。


~ポーン~


 そして、武器箱を使っていないので、ついでに武器を買っておきたいんですよね。


 出てきた次のチュートリアルクエストをささっと確認します。


==========

【形無き宝】チュートリアルクエスト

 技術を習得することは、技術を未来へ繋ぐこと。


達成条件:後天性アビリティの習得


報酬:AP:3

==========


 あー、次がこれになるんですか。

 んー、アビリティの類は一通り仕様を触ってみてから決めたいのですよね。


 戦闘系は無いと流石にきついのでしょうけど、ある程度平気なら創作系を多めに取りたいですし。


 開始地点だけ確認。

 クエスト開始地点はギルド内の、アビリティ習得紹介受付、になっていますね。


 一旦置いておきましょう。


 マケボに視線を戻し、武器でソート、安い順一覧表示で見ていきます。


 さて、武器。

 そっか、今私、重量1のしか持てないんですよね。


 INTで補正の乗る武器は、買えませんよね。最低ライン3000 Cですか……

 一応、今はINTが一番高いのですけど。


 3で大剣が持てる? 500 C

 んー、ステータス上げちゃいましょうか……

 迷う。とても迷う。


 いやっ、まだ保留!

 短剣なら0.5で持てますし。一先ずこっちにしましょう。


 結局、150 Cの短剣を購入しました。

 ついでに手ごろな安くておしゃれっぽい髪留めも購入。


 武器更新はステータスに合わせてですね。


 買った髪留めでくるくるさくっと、髪を纏めて、後は外ですね。


 クエスト情報に記されていた地図で開始場所を確認。

 ギルドを後にし、目印の方向を追いかけて歩みを進めていきます。


 すると、場所はどうやら街の裏道の様な所に入る必要があるようです。

 

 裏道はマッピングの範囲が表通りを歩いている時より小さくなっているようですね。ほぼ自分の歩いた道だけしかわかりません。

 

 途中迷路に嵌った感覚に陥りながら、グネグネととした道を目印の方向へ、少しずつ近づいていきます。


 そして間近になった時、マッピングして初めて気付く割と簡単に来られるルート……

 悲しいですね。


 マップを埋めたと思えば(しくしく


 そんなことはさておき、たどり着いた目印の地点は二階建ての一軒家でした。

 周りの建物と作り自体は同じですが、その建物だけ周りよりも幾分か年季を感じさせます。


 見つけてからも数人の方が出入りをしている様子なので、間違いではないと思いますが。


 とりあえず中へ。


 扉を開けると、ちりんちりんとドアベルが音を立てます。


 足を踏み入れると、中からはふわりと薬品の香りが鼻を抜けます。

 据えつけられた棚には様々なアイテムが並び、薬品の類だけでなくその他雑貨類も種々置かれていました。


 どうやら、雑貨屋のようです。

 足を踏み入れた時、マップに『隠居薬師の小店』と出ました。


 見ているだけで楽しい所ですね。


「いらっしゃい」


 店内を眺めていると奥から、建物に対して随分と不似合いな、キーの高めな声が。


 そちらへ目を向けると、声をかけてきたのは、女の子でした。

 碧の瞳。翡翠色の長い髪を白のレース布で包み纏め、赤いチェックの肩掛けを羽織った子です。

 

 落ち着き様はとても自然で、正に店内の一部というくらいに溶け込んでいます。


 店主さんでしょうかね? あるいはお孫さん?


 その子が手元の読み物から目を外し、カウンター越しにちらりと視線をこちらに向け、すぐに手元に戻します。

 そして今度はバッとこちらを。

 綺麗な二度見ですね。


 目が合って数瞬。


「人造の……」


 女の子がそう言って、深いため息を吐くと、気付けば店内に数人は居たはずの人が居なくなり私だけになっていました。

 何事かと。


 もしかして、なにかイベント入りました……?

 私の運すごいですね?


「人造の」

「あ、はい」


 人造の、って私の事ですよね?


「あんたには偽装は効いてないだろうから言っておくけどね、私は世間的には一応、おばあちゃんで通ってるんだ」


 ふむ?

 どういうことでしょう?


「あんたの状態異常耐性で私の使う見た目他の偽装が効いてないってことさね」


 疑問が顔に出ていたのか、説明していただけちゃいました。


「だからまぁ、普通に客として利用するのにどうこう言うつもりはないけどね…… ばらさないでおくれよ?

 ……にしても、まだ稼働体が残っていたとはね」


 女の子がそう締めくくると、周囲に人が戻ります。

 これだけのイベントだったようですね。


 確かに隠居薬師、と書いてあったので勝手にお年寄りなものだと思っていましたが、色々な種族がいるわけですし、見た目とかは特に気にするほどの事ではないような気がします。

 何かしら事情があるのかもしれないですけどね。


 ばらすとどうなる、とかは別に興味がないですし、大分突発的なイベントだったので進行の仕方とかもさっぱりです。

 なので、こちらも一旦置いておいて本来の目的を果たすとしましょう。


 カウンターに近づき、今度は私から話しかけます。


「あの、シロと言います。ギルドで依頼を受けたのですが」


 まずはこちら。


==========

【薬師の依頼】フリークエスト

 渋草の若葉が欲しい。採って来ちゃくれないか?


達成条件:渋草の若葉12枚


報酬:180 C

   宿木葉のお守り袋

==========


 お守りがもらえるクエストですね。

 アイテム詳細は見られないので、貰ってみないとどんなのかわかりません。


「うん? あぁ、助かるよ。私はリーティ。自分で行けばいいんだけどね。長い間ここを離れるわけにもいかなくてね。

 渋草は街を出たすぐの森の木の根元にいくらでも生えているから、若葉を摘んできておくれ」


 リーティさん…… ちゃん?

 さんにしておきましょう。


 リーティさんにうなずき返し、お店を後にします。


 クエストの進行と、目印で街の外の位置を確認。

 とりあえず、最初の広場まで戻るとしましょうか。


 一度自分で歩いたことのある道なら迷うこともないので、特に苦も無く広場まで戻ることが出来ました。

 帰巣本能強めです。


 さて、マップの目印の位置の方向は、太い道の方向ですね。

 これが中央通りなのでしょうね。ギルドに行くにも通りましたし。


 というか、まっすぐ道の先に大きな門が見えているので、あそこから外に行けるのでしょうね。


 先ほどは特に気にしていなかった左右に並ぶ店舗を外から眺め見つつ、道の端を門の方へ歩みを進めていきます。


 近づいてくるとなおのこと門の大きさに圧倒されます。


 街をぐるりと囲む壁の途中に据えられた分厚い石? の門は、人力では到底開け閉めできるような感じがしないのですが、これも不思議パワーで開け閉めできてしまうのでしょうかね?


 そんなことを考えながら門をくぐると、先は川と跳ね橋になっていました。

 門脇と対岸にいる門兵さんに軽い会釈をすると、門兵さんも礼を返してくれます。

 こちらが会釈程度なのが申し訳なくなってしまうくらいしっかりとした礼が返って来ましたよ。


 うん、次からちゃんと礼しましょう。


 頭を低くしてそそくさと橋を渡ります。


 対岸に渡るとすぐに、目の前に広がる森。

 人が通るように整備された道以外は、すぐ脇にそれただけで深い森に入ってしまうような、感じです。


 青々しく広がる森は中々に新鮮で、少しどきどき。

 まぁ、どきどきはログイン当初からしっぱなしなので今更ですが。


 ボックスから先ほど買った短剣を取り出し、手に持ち少し経つと、短剣を包んでいた鞘が解ける様に消えていき、すぐに腰回りにベルトと短剣の鞘が装着されました。


 これが装着でいいのですよね?

 便利ですね。


 ふっ、と一息。

 道を外れ、森へと足を踏み入れます。

お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じいただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲

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― 新着の感想 ―
[一言] >さて、それはそれとして、メンテナンス券一枚は欲しいとして、料理は〜とりあえずこの3つで。 受けられるクエストの数や内容(料理?)の説明が無くていきなり話が飛んでる気がするので、もしかして…
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