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7-1改善案

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、ラクダは三重まぶたなのだそうですね。

だから何というわけではありませんが。

●〇●〇


 埃が晴れてそこにいたのは、ダメージポップどころかノックバックすらしていない無傷の呪いの欠片。


 魔工炸裂板、敗北。

 ダメージすら入らぬとな? どういうことなの……


 一応数枚まとめて投げつけてみましたが、結果は変わりません。


 ただ、呪いの欠片は本当に近づかなければアイテム使用などに対しても反撃行動をとって来ないことが確認できました。

 そうと分かれば、手持ちのアイテムを漁り、ダメージを与えられそうなものを探します。


 とはいえ、ダメージを与えられそうなものは、以前オーリナさんのお店で買ったハードショットの魔道具位なもので、一緒に買った他のアイテムは致命的な攻撃の威力を上げてくれるものなので、致命が出ない呪いの欠片には意味が無さそうです。

 というか、そもそも近寄らないと使えないのですが、近寄るとそれだけで攻撃してくるのですよね。


 あの頃救ってくれた、毒液さんも今は在庫切れ。ちゃんと集めておくべきでした。失敗。

 後は、道中拾った石が数個。これに期待するのは荷が重すぎますか。


 とりあえず、最有力候補のハードショットの魔道具を取り出します。


 同時に、このために貰ったと言っても過言ではない燻る黒鉛の矢も取り出し…… どうやって使うんでしょう?


 忘れたか、聞いてないか。アイテムの使い方に少し頭を捻っていると、魔道具からウィンドウがポップしました。

 ウィンドウには弾とするアイテムと魔石をセットする枠があります。


 そういえば、魔石も必要なのでしたね。

 魔石も取り出して、二つをウィンドウ内にセットします。


 効いてください、と祈りながら、黒い箱の姿をした魔道具を呪いの欠片へと向けて発動。

 赤と青の絡みあった一条の光が射出されたのに遅れて、風を切る音と共に大きな反動が身体襲い、思わずその場に尻もちをついてしまいました。


 びっくりしました…… そういえば、反動があるんでしたね。


 立ち上がり、結果を確認。

 これでうまくいってくれれば嬉しかったのですが、結果は残念。

 攻撃自体は無事命中してはいたものの、残念ながらポップに表示されていた数字は1ダメージしか与えられていないことを示していました。


 とはいえ、反撃がない分まだこちらの方がまだましとも言えます。


 その後、三発撃ちこんだところで魔道具が発動できなくなってしまい、確認すると魔石の枠が空に。

 どうやら、魔石一つで四発しか撃てないようです。

 燻る黒鉛の矢の耐久も三割程減っており、随分とコスパの悪いアイテムに感じますね。


 身体の方は、魔道具の反動でも劣化・消耗は進んでいそうですが、追加の通知はなく、普通に戦うよりは消耗が激しくなさそうです。

 魔石を湯水のように使うので、これなら正直一度失敗した方が良いのではと頭の片隅で思いながらも、もう一つ魔石を取り出したところで、タイマーが誤りの選択のCTが明けたことを知らせてきます。

 それによって、もう一つ方法があることを思いつきました。


 少し考えて、手にした魔石を仕舞うと、別の魔石、霊森狼の魔石を取り出します。


 芸術を解す機械、誤りの選択を発動。と、同時に中度劣化の通知がポップします。


 撤退までのボーダーに近づく感覚をひしひしと感じながら、予想を確認します。

 すると、やはり魔石に記録引揚を使用できる感覚が。


 魔石は収納の時も重ねられませんし、個別に別物判定なのではと思いましたが、やはりそうみたいですね。


 祈りを込めて、記録引揚を魔石に対して使用します。


 攻撃系よ、おいでませ。


 解放されたのは、『スキル:ネフテル』。

 効果は…… 対象へ霊属性の魔力ダメージを与える。


 勝ちました。

 いえ、勝ってはいないのですけど。気分的に?


 一応戦闘中なので、MPコンバータに触れるのかも不安になりましたがそこは問題ないみたいで、普通に取り外すことも、魔石をセットすることもできました。


 MPが少し余っていますが、そんなことは言っていられません。

 手にした魔石をMPコンバータにセットし、装備します。

 それによって、スキル:ネフテルが限定的に使用可能になった旨の通知がポップしました。


 ネフテルの消費MPは1、CTが3 s、魔石で得られるMPの総量は19、つまり十九回は使用できます。


 早速、呪いの欠片を対象にして魔法を発動すると、青白い光の玉が勢いよく飛んでいきます。


 有難いことに反動もありませんし、これでだめならハードショットの魔道具と直接攻撃で頑張るしかありませんが、そんな余裕はないので、撤退となるでしょう。


 祈りを込めた光の玉が呪いの欠片に着弾。すると、今まで遠距離攻撃では鉄の塊か何かのように変化の無かった身体が光の玉に抉られる形で消し飛び大きく波打ち、26のダメージがポップしました。


 これはいけるのでは。

 なんで気付かなかったのでしょう。物理で硬いなら、魔法に弱い。ゲームの定石なのに。


 すぐさま追撃のネフテルを放ち、26前後のダメージが積み重なってゆきます。


 早くも勝った気で五度目のネフテルを放った時。


 呪いの欠片が大きく波打ったかと思うと、膜状に広がった呪いの欠片が一瞬にして若木を包み込み、後に残ったのは黒く染まりぼろぼろと崩れ落ちる若木だったものと灰色に染まった小さな池だけ。


 何が起こったのか戸惑っていると、【私の庭『ザクロ』】のクエストウィンドウがポップし、目を向けると、ピシッと音を立てウィンドウに無数の罅が入り、直後、光の欠片となって砕け散りました。


『八時間後に再度、システム画面から受注が可能です。』


 と、通知がポップし、そこまで見てようやく、クエストが失敗したことを理解しました。


 遠距離からチクチクしていたのがいけなかったのか、時間をかけ過ぎたのか、思い当たる節はあるので納得はできますが、それでも少しショックです。


 今回の敗因は、取れる手段が不足していたことと、魔法を持っていなかったことにあります。

 今までそんな敵がいなかったので気付きませんでしたが、魔法系の攻撃手段に乏しいですね。


 そんなに積極的に敵と戦うつもりはないので、短剣使いとかのアビリティに魔法系の攻撃が生えてくれるのが一番いいのですが、無理かな。


 どうなのでしょうか。魔法が有効だったのか、魔力が有効だったのかによっても変わってくる気がします。


 魔力が有効なのでしたら、わざわざそっち系統のスキルを持っていなくても剣に魔力を付与して~、みたいなエンチャント系でも良いわけですし。


 どこかのお店で、~を付与する、みたいなアイテムって売っていましたっけ? 何でしょう? 薬? 魔道具? どういう扱いになるのでしょうね。

 あるなら、今回のような場合に備えて、いくらか持っておきたいです。

 これもあとで、マケボで探してみましょう。


 失敗の反省は今後に生かすとして、兎にも角にも、もうぼろぼろなので早急にハツメさんのお店へ戻ることに。


 戦闘中はあまり気になりませんでしたが、消耗によってかなり動かしにくくなっている身体を引きずり、やっとの思いでハツメさんのお店へと足を運びます。


 今回の整備と修繕は、〆て4000 C近く。

 その程度で済んだというべきなのかどうなのか、懐に余裕があるので良いですが、かなりの出費です。


 修繕に必要な素材のうちで持っている物があれば、少しは節約できたのですが、何も持っていませんでしたからね。そもそも見たこともない名前の素材でしたし。


 今回は、合わせて以前いただいた身体部品保護液というアイテムを追加で使用してしまうことにしました。次の劣化・消耗までは少し余裕を作りたかったからですね。


 というのも、今回のクエストの失敗で、アビリティやステータスはもちろんちゃんと考えないといけませんし、そもそも、行動範囲を少し広げてできる事を増やさないとな、と思った所存でございました。


 あんな不意に、しかも街中で戦闘が始まったのは備えようがありませんでしたが、ちゃんとステータスを上げていたらもしかしたかもしれないわけですし。

 いえ、もちろん、これが終わったら何か作ろうかな思っていたわけでして、その前にはステータスも振ろうと、考えていましたからタイミングが悪かったとしか言いようが無いと思うわけです、うん。

 取れる手段が少なすぎたのは完全に失敗でしたから、反省はしますけれど。


 頭の中できゃいきゃいと脳内会議というか言い訳大会というか、が開催されているのを感じながら、ハツメさんのお店を後にして装備品修理のお店『相棒』に訪れました。


 修理に出すために壊れた上の装備を外すと代わりに、自動的に『古布のシャツ』が装備されます。武器も外し、両方とも受付で修理に出しました。


 そういえば、修理中の予備にもう一式くらい装備を持っていた方がいいのかもしれませんね。

 一応、バッグに放り込んであった以前の短剣を装備しておくことに。


 今回の修理料金は二つ合わせて1000 Cちょっと。

 上着より武器の修理費の方が高かったです。


 修理受付中のポップが出たのを確認し、終わるのを待ちがてら歩みをギルドに向けます。


 目的は、戦闘時に思った付与系のアイテムやステータスの強化に必要だと言われた素材、あとは予備装備とか、毒液含めて攻撃系のアイテムも売っていそうなら。


 所持金はちょこちょこと使っていましたがそれでもまだ50000 C後半あります。これだけあれば十分でしょう。

 資金源となっている魔石の手持ちは現在四個。

売ってしまってまた集めに行っても良いですけど、そんなに買うかは見てみないとわかりませんね。


 ギルドへ足を運び、そろそろ見慣れてきたマケボの前まで訪れます。


 まずは、ステータスの強化に必要だと言われた三日月草と…… ハス? えっと、そう、ハスノネキリ。ギリでしたっけ? を、検索してみました。


 これであればよかったのですが、ヒットしません。入力時の予測には出てきますし、名前を間違えたというわけではないみたいなので、ただ単に出品が無いようですね。


 そちらは諦めて、付与系のアイテムを探してみることに。


 どう検索したものかと頭を捻りながらしばらく探していると、幾つかめぼしいものを発見いたしました。


 一つは、『○○を付与する』薬系のアイテム。

 もう一つは、そもそも属性が付与されている武器。


 そして、探していて気付いた事実があります。


 最初に○○を付与するというアイテムを見つけたのですが、そこでは毒や麻痺、火炎や水濡れといった見たことのある状態異常を付与するアイテムしか見つかりませんでした。

 なので、属性付与、エンチャント、みたいなのは存在しないのかなと思ったのですが、属性、を中心に探していたところ、元から属性を持った武器を発見し、そういうことではないことに気付きました。


 それらの武器には、基本的に耐性:○○と常時付与:○○の二つが付いており、そこに付与されていたのは、見たことのある火炎や水濡れといった、状態異常だと思っていたもの。


 つまるところ、状態異常イコール属性付与ということみたい?

 もっと具体的に言葉を変えて考えるなら、『火傷している武器』というのが『火属性を持っている武器』ということになるみたいです。


 ふむ? なら例えば、自身が毒の状態で体当たりしたら、相手にも毒を与えられる? 理論上はそういうことになりますよね。

 今度やってみましょうか。


 それはそれとして、なので毒や麻痺、火炎や水濡れ、感電、氷結、魔痺その他といった、状態異常を付与するアイテムだと思っていたものがそのまま、対象に属性を与えるアイテムということになります。


 一通りを少しづつ買ってしまおうか、と思ったところで手が止まります。


 買うこと自体に問題はありません。合計しても大した金額にはなりませんし。

 ですがそれらは、ごく一部を除いて全てが薬品アイテムです。毒液ではありませんがその加工品と思われるアイテムもそう。


 話しは変わりますが、種族的にMP 1あたりの費用が重いことを考えると、よほど致命的な問題が起こらない限り魔法系のアビリティだけは取る予定がありません。面白そうとは思います。

 となると、こういうアイテムを使う以外の方法は、攻撃系のアビリティに属性系の攻撃手段が生えてくるか、あるいは新たに付与術師、エンチャンターみたいなアビリティを取得するかあるいは……


 前者を期待するのは流石に受け身すぎです。後者には一考の余地があるとはいえ、見てみないと分かりませんが、攻撃手段のためだけに枠一つ潰すのはどうなの? と思ってしまうところがあるのも事実。


 なら残る案は、薬師のアビリティを取得すること。


 これであれば、薬品はこういうアイテムに限らず、元々の目的通りにリペアオイルの自給も可能になるでしょう。


 錬金術師の方は想像と少し違って、分解を主としたものでしたので今回の目的にはそぐいません。お店ではアイテム間の効果を引継がせる合成も出来ましたし、育てればそういったことも出来るようになるのでしょうけど。例えば、水に火属性を付与する効果を移す、みたいな?


 ただ、それでも元手が必要になりますし、やはり薬師の方が適当でしょうね。


 どれくらい育てればこういうアイテムを作れるようになるのか、というところは少し心配ですが、最善策ではあると思いました。


 一応、付与系アビリティを見てみるために、アビリティ習得紹介受付に寄ってから決めましょう。一応ね。


 そう決めて、薬品類の購入を取りやめ、別のものを検索することにしました。


 あとマケボで探しておきたいものは、予備の装備でしょうかね。

 装飾品はいいとして、靴上下武器の四種類の予備を買っておきましょう。


 あ、武器は、以前買う時に悩んだもう一方にしましょうか。そういえばあれは耐性貫通武器でしたよね。今回の様な時に便利かもしれませんし。


 以前ルフェリアンスティレットと悩んだ『模造・魂転の刀』の出品一覧を確認します。

 値段は、安いもので三万少し、高いものでは二十万近いものもありピンからキリまで。


 予算は、三万位? あぁ、でも予備ではなく持ち替えと考えるならもう少し奮発しても良いですね。

 うん、スティレットを買った時も四万でしたし、四万にしましょう。


 そう決めて、四万前後でよさげなものを探します。


 すると、四万少しで、耐性貫通を武器耐久減のものがありました。参照するステータスは、TECとAGI――


 ……ふむ。装備がステータスに依存する以上、余っているステータスポイントを振ってステータスを作ってからの方がいいですか。今気づきました。


 そもそも、この武器は以前のステータスに合わせて検索した結果に出てきたものですし、今条件を変えて検索したら、また違うのが出てきますよね、たぶん。

 防具ももっと良いのがあるなら、こちらがメインで今着ているものが予備になりそうです。


 先に、放置していたステータスポイント振りましょうか。


 マケボを閉じて一旦その場を離れ、適当に落ち着ける場所を探してステータス画面を開きました。

お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲

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