6-9歯止め
皆様こんにちは。お世話になっております。
からすです。
そういえば、蝶々は一頭、二頭…… と数えるのが正しいそうですね。
だから何というわけではありませんが。
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手にしたエメラルドは、鉱石の状態なのでお店に並ぶようなカットされた状態ではありませんが、これはこれで綺麗です。
現実では天然の宝石なんてあまり見ることありませんし、こんな状態のものはなおの事。
自然物、って感じが伝わってきて好きです。
説明は概ね、まさに宝石といった感じ。
ただ、自然下で生成される環境が整うのは難しいとのことなので、手に入ったのは幸運だったりするのかな、と思ったり。
輝きを発する、とも書いてありますが、少なくとも今手元にあるものは、光っている様には見えません。もしかすると、もっと暗い所ならわかるかもしれませんが。
そこらへんは置いておいて、実用的な部分を見てみましょう。
エメラルドは鉱石から作製可能な効果は、『魔力絶縁』と一部の状態付与で、追憶は『封牢の魔力』となっています。
詳細を確認すると、魔力絶縁は付与した対象の魔力抵抗を高める効果があるようです。エメラルドは魔道具を作る時にも使うらしいですし、ここら辺が大事になってくるのでしょうか。
追憶の、封牢の魔力は、付与した対象が魔力を利用できなくなる、という効果でした。敵等に押し付けられたら便利そうですが、そもそもこれって、この素材を使って何かを作った時に、作ったものに付く効果ですから、現状宝石類の使い道と言えば装飾品にするくらいですから、鞄とかが魔力を利用できなくなって…… で? って感じです。
エメラルド鉱石の効果に関しては、今の所は活用方法が思いつきませんね。
手元の渋草とエメラルド鉱石をバッグに仕舞い、タイマーを確認。偽りの選択のCTが明けるまでは、まだ少し時間があります。
とりあえず、ステータスとMPの強化にハツメさんとオーリナの所に行きましょう。軽度劣化も付いちゃいましたし。
ギルドを出たところで、特に迷うような道ではないものの、癖でマップを開くと、今まで通ったことのある道が、ミミズが這ったように記録されたマップが気になりました。
そういえば、マップも埋めたいという話をしていましたね。
この後は、もう門は閉まってしまうでしょうし、何か作ろうかとか思っていましたが、先にこっちの方がすっきりするでしょうか。
こういうのは、一度気になるとずっと気になってしまうもので。
ついでに、とマップを見ながら虫食い状態の場所を通る様に歩きます。
道中見つけた水場で思い出し、オオナツにも水やり。
バッグに入れていると割と忘れますね。
若干しんなりしていましたが、水をやったらすぐに元気になってくれましたので、何とか無事? でした。たぶん。
成長度の表記は12%になっていて、双葉の間からは葉らしい葉が顔を出しています。なんだか感慨深い。気を付けてあげないとですね。
迷路のような裏道をうろうろと歩き回る道中、天然物のヤミコモリに遭遇して幾つかドロップ品を回収。
ヤミコモリのドロップ品はヤミコモリの翼膜と影粉でした。
今までヤミコモリに出会っていたのがクエスト内だけだったので、素材は初入手。とはいえ、どちらも特筆すべき点の無い素材です。
また、その戦闘で『解体』のアビリティもレベルアップ。
ようやく、といった感じですね。
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『過ぎたる解体』Lv.1 → Lv.2
世の中は、ごく平凡な素材でできている。
スキル▼:P 慈愛の終撃
P 丁寧な解体
P 望まぬ幸運 - New
LUC+6 TEC+2
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新しく手に入ったスキルはパッシブスキルの『望まぬ幸運』。
効果は、致命的な攻撃によって倒した場合に最低確率ドロップアイテムのドロップ率が増加し、それ以外のドロップ率が大きく低下する、というもの。
致命攻撃で倒すと、レアが出やすくなって、通常ドロップが出にくくなるパッシブスキルなので、通常ドロップが欲しいなら普通に倒せばいいよね、という話です。
そのほかには、民家の壁からキノコが生えていたり、割れた石畳の隙間から溢れ出すように生える渋草の群生地を見つけたりしましたが、それくらい。
ふむ。こう考えると、それくらい、と言うには色々ありましたね。
そして、一応ハツメさんのお店を目的地に歩いていたのですが、先にオーリナさんのお店の付近にたどり着きました。
オーリナさんのお店へ着くと、相変わらずひとけの無い店内にお邪魔いたします。
今回はなぜか、目の周り以外が煤だらけの逆パンダ状態になっていたオーリナさんに、MPコンバーターの強化をしていただきまして、改めてハツメさんのお店へ向かいます。
ハツメさんのお店に入店すると、店内では棚を前に数人のお客さんお買い物をしています。気にしていませんでしたが、いつもヒトがいるのを見ると、意外と人気店なのかもしれませんね。
真剣にウィンドウとにらめっこしている皆様を横目に、カウンターへと向かいます。
いつも通りに奥の部屋へ通され、今回はSTRとAGIを上げて欲しいと伝えたところで、今回はハツメさんの手が止まりました。
「あー、STRとAGIを上げるには素体の強化が必要だね」
そう言って、手元にウィンドウを出すと、何かしらを操作しながら言葉を続けます。
「今の素体でSTRを上げるとなると三日月草、AGIを上げるとなるとハスノネギリが必要になるんだけど――」
ウィンドウを操作していた手を止めたハツメさんが顔を上げました。
「んー、市場には無かったね。まぁ、それなりに採取が面倒だし、普段は使わない素材だから仕方ないけどね。
となると、持ち込んでもらえれば調整してやれるんだけど、あんた、取りに行けるかい?」
ここからは素材が必要なんですね……
三日月草、ハスノネギリ。どちらも聞いたことがありません。
マケボに流れていないのでしょうか?
後で一応覗いてみるとして、聞くところによると、一番近くでそれらを採取できるところは、街道を進んだ先にある隣街の付近だそう。
マケボにもなければ、隣街に行けるようになるまではこれ以上S・Aを上げるのはお預けということになりそうです。
あるいは、身体部品そのものを変えてしまうという選択肢もありましたが、身体部品にできそうな素材を未だ見た事が無いので、頭に浮かんだだけ。
とりあえず今回は、DEF、TEC、LUCでお願いしておくことに。
強化は、小さな人形たちが触れてくる場所が変わったくらいでいつも通りに終わり、合わせて整備と修繕もしていただいて、お店を後にしました。
強化作業をしている最中に誤りの選択のCTも明けていたので、表へ出たところで早速使ってみることに。
ひと様の邪魔にならない道の端に寄りまして、ポーチから取り出したりますは魔石が一つ。見た目的にはどれも変わりありませんが、何となく輝きが違う、様な気がする子を。
ステータスに依存するところがあるのかいまだにわかりませんが、一応、切れていた最適化も掛け直しまして、芸術を解す機械も発動、その上で尊ぶべき誤りの選択から記録引揚を魔石に対して発動。
ウィンドウが開き、魔石の説明が現れます。
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『霊晶片の微小魔石』
ごく小さな魔力の塊。
※拡張情報
魔力の揺らぎに容易に生成されるが、ほとんどは安定せずに散り消える。
※最古記録
世―は常に――さに―む。
※作製可能効果▼
スキル:ネピア
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ポーチには、マケボで買ったものと森の泉でドロップしたものがありましたが、今回スキルを使ったのは泉で手に入れたものですね。
おそらく、作製可能効果の所の『ネピア』というスキルが解放されたものでしょう。
他の素材は、同じ素材に作製可能効果が解放されたらそのまま他のものにも引き継がれますが、魔石はどうなのでしょうか。
名前が違うものは別として『霊晶片の微小魔石』をもう一つ取り出して見てみます。
すると、説明や拡張、最古は同じテキストが並んでいましたが、作製可能効果の欄がありません。
また、記録引揚が発動できる気配もありませんでした。
説明は解放されているので、別物判定というわけではないと思いますが、他の物には作製可能効果が無いのでしょうか。
霊晶片の微小魔石以外の、霊森狼のものや、マケボで買った『微小魔石』としか書いていない物も見てみますが、作製可能効果の欄が無い以外は同じでした。
解放されたスキルを確認してみましょう。
魔石に解放されたスキルは、機構人形の場合、MPコンバーターに魔石を入れるとその魔石の分のMPを消費し切るまでは使用できるようになるみたいです。
作製可能効果、ですから、魔道具なんかを作る時に使えばそのスキルを持った魔道具が作れるのしょうか。というかそちらが本来の使い方?
効果は、10秒間、対象の行動速度を低下させる、というもので、デバフ系のスキルですね。
使ってみたいところですが、MPはまだいくらか残っていますし、流石に入れ替えてしまうのはもったいないので、次MPを使い切った時に使うことに。
見失わないよう他のとは別にアイテムボックスの方に収納しておきます。
タイマーも再設定しておいて、この後は、以前からだいぶステータスも上がってできる事も増えたでしょうし何か作ろうかな、と思ったのですが、その前に、あとちょっとで全部埋まるマップを先に埋めてしまうことにしました。
マップを見ながら埋まっていないところへ足を運び、マップをほぼ完全に埋めると同時に、ぽーん、と随分久しぶりに聞く音と共にウィンドウがポップしました。
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【私の庭『ザクロ』】イベントクエスト
知らないことは、あんまりない。
達成条件:反精霊主義団体の調査
報酬:精霊樹の若枝
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クエストの発生と共にマップに示された目印の位置は、大樹のある中央広場の真ん中。
記憶が正しければ、目印が水槽の中にあるように見えるのですが、ざぶざぶと突撃してゆかねばならぬのでしょうか?
とりあえず目印の地点を目指して中央広場へとたどり着き、改めてマップを確認。
目印はやはり水槽の中央を指しており、濡れるのは覚悟せねばならないようです。
くるりとあたりを見回すと、街灯が灯り照らされる広場は相変わらず人通りも多く、気にされることはないと分かっていても、少し人目が気になる所ではあります。
しばし、そうして浅い水面とにらめっこをした後、えいやと水の中へと足を踏み入れました。
お読みいただきありがとうございます。
もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。
あとブクマとかも(強欲