表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/62

5-10いつも通りの進み方

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、銀杏も生きた化石と言われることがあるそうですね。

だから何というわけではありませんが。

●〇●〇


 街をぐるりと回るように壁沿いを街門前広場まで戻ってからギルドへと向かいます。


 門が開いている時間の通りの人通りは穏やかではありますが、確実に多くの人通りがあり、比べれば中央から横に逸れた細道は、正に表と裏。

 どちらの雰囲気も好きですが、表通りよりも裏通りに少しわくわくしてしまうのは私だけでしょうか。


 ギルドへたどり着いたところで、まずはお買い物にマーケットボードの元へと向かいました。


 マケボを開き、水筒に当たりそうなアイテムを探します。


 水、というかおそらく液体類も、土を入れているミニポーチの様な性能のアイテムでなければ収納できないことは確認していますので、専用のアイテムがあるはず。


 そう考えると、案の定、絞り込みの一覧に『容量収納』の文字がありました。

 表示すると結果には、私の持っているミニポーチの様な袋も含め、様々な『容器』が並びます。


 検索結果的には見た限り、収納するものに対して個体や液体といった区別は無いように見えますね。

 それなら、もう一つ容量収納ができるミニポーチを作ればコストは削減できるのかもしれませんが、感覚的に布製のアイテムに液体を入れるというのが何となく違和感がありますし、それっぽいものを買ってしまいましょう。


 どれにしましょうか?


 一覧に水筒のような容器は沢山あります。

 何かと用途はあるでしょうし、高すぎない範囲でよさげなものを買っておくことにしました。


 値段の違いは主に容量と品質、後は追加効果や付与効果の有無になります。


 基本的には容量が大きくて品質が良ければいいかな、と思いますが、そんなに値段の高いものでなくとも効果が付いたものは幾らかありましたので、幾つか眺めてから決めることに。


 吟味した結果、『小さなグラスボトル』というアイテムを購入することにしました。

 見た目は、本体に薄い青みのかかったガラス瓶ですね。

 お値段は2050 Cで、容量は六枠分、追加効果に『強度増加:小』、付与効果に『変質軽減』が付いています。


 変質低減の説明には『内容物の変質を軽減する』書かれていますが、具体的にどのような効果なのかはわかりません。

 いくつか見た範囲ではこれが付いているものと付いていないもので明らかに値段が違いましたので、大事なものなのかな、と。

 他の付与効果にピンとこなかっただけというのもありますが。


 購入した小さなグラスボトルをボックスから取り出してみると、予想以上に大きな瓶が手元に現れます。

 小さな、とは。


 ボックスの六枠分の容量がある容器ですし、ウィンドウで見た時もそれなりの大きさなのはわかっていましたが、布製品とは違い形がしっかりしているものは大きさが目立ちますね。


 透明な容器というのは初めてなので、中にものを入れたらどんなふうになるのかな、と試しに適当なアイテムを中に入れてみます。


 バッグやウエストポーチ以上に入れられないアイテムが多かったですが、入りそうなものを入れていくと、それ、絶対口から入らないでしょ、みたいなアイテムも中に入っているのが見えました。


 ふむ。

 こういうのになんだか見覚えが…… 何でしたっけ?


 そう、ボトルシップです。


 それっぽいもの、とボックスの中を漁り、チュートリアルでいただいたお人形を瓶の中へ。

 うん、何やってるのでしょうね。


 少し眺めて正気に戻ったところで、瓶で遊ぶのはやめてボックスへ仕舞います。


 あとは何か、買っておきたいものとかありましたっけ?


 あぁ、そういえばもっと回復量の多いリペアオイルがあったらいいですね、ってお話していましたね。


 買えるならマケボではない方が手数料がかからない分安上がりですから、あるのかどうかの確認だけしておきましょう。


 検索をかけると、以前値段を確認した時には気づきませんでしたが、一覧には『精製リペアオイル』というものも並んでいました。


 ただ、出品数が少なく、今現在一覧には二本しか表示されていません。


 見る限り、精製の回数が多ければ多いほど回復量が多くなっているようです。

 一度の精製で、回復量は倍に。もう一つの方は四度の精製で1800回復に。


 四度精製の方は低品質で、品質によっても若干回復量が変動するようですので、おそらくは精製の度に倍々になっていっていると考えていいのでしょうね。


 うち一つの四度精製してあるリペアオイルは付与効果に『属性付与:炎』が付いていました。


 適正価格がわからないので、存在が確認できただけでよしとして、購入はクラフトスペースの受付さんに聞いてみましょうか。


 マケボ前を後にし、クエストを見に行く前にクラフトスペース受付へ向かいます。


 受付には、珍しくいつもの羽耳お姉さん一人だけ。他のお二方の姿は確認できませんでした。


 相変わらずセンサーでもついているのか、窓口に近寄ると頭を上げる受付さんに声を掛け、精製リペアオイルについて聞いてみます。


「あぁ~、精製リペアオイルは、予備在庫がないんですよね~

 納品元から直接購入していただけますか?」


 そう言って手元で何かを操作し始める受付さん。

 機械から出てきた紙を折りたたみ封筒へ納め、蝋封をして、此方に差し出してきます。


「こちらの紹介状をお持ちになって、『隠居薬師の小店』というお店へ行ってください。

 場所はわかりますか?」


 隠居薬師の小店って確か、以前フリークエストでお世話になったお店ですよね?

 おばあちゃんに擬態している小さな女の子に見える方が店主さんをしておられる。


 場所はわかりますので、受付さんへ首肯を返し、紹介状を受け取ります。

 フリクエの確認が終わったら、消化よりもこちらが先ですね。


 お礼を言って、再び眠り入る受付さんを横目にクエスト受注の広場へ移動。


 ひとのいない場所のコンソールを操作し、クエストを眺めます。


 今のアビリティ合計のレベルは21。


 解放されているクエストは討伐が二つ、採取納品が二つ、お使いクエストが一つで計五つ。


 手に入るものは素材やお金、アイテムや装備品のクエストがあります。

 素材はコレル石塊と霊樹灰。お金は三千少し。アイテムは燻る黒鉛の矢。装備品は悪戯な砂時計、となっていました。


 素材は聞いたことがないものですね。今の所何に使うのかわかりません。


 お金は、周回するには少し悩みますが、クエスト名の『愛しのあの方へ』というのがとても興味を惹かれます。

 ええ、とても。


 ストーリーを楽しむためとして、一度受けてみましょう。


 アイテムは、弓を使う方は周回したりもする、のかな?

 弓は使わないので…… と思いましたが、多分これも以前オーリナさんの所で購入したハードショットの魔道具で打ち出せますよね。弾はなんでもいいとのことでしたし。

 そう考えると、試しに入手してみるのも良さそうです。


 装備品は、入手してみないと効果がわからないですね。

 名前的には、時間的な何か?

 むむむ、気になる。


 クエストも確認したところで、素材が報酬のクエスト以外の三つを受けておくことに。


 元から受けていた五つと合わせてクエストの受注数が八つとなると、それで一度に受注できる数が上限となりそれ以上は受けられなくなりました。

 どうやら同時に受注できるのは八つまでのようですね。


 アビリティの合計レベル1~20までのクエストも気になるものがあれば受けてみたいですが、まずは今受けているものを達成してしまいましょう。


 フリクエの開始位置をマップで確認しつつ、その場を後にします。


 ギルドを出たところで、フリクエ…… の前に『隠居薬師の小店』に行く…… 前に、中央広場へ足を運びます。


 ボックスからグラスボトルを取り出し、中央広場の真ん中にある大樹から流れ落ちて水槽へと満ちている水を少々拝借いたしまして、オオナツの種を植えたミニポーチを取り出し、注ぎました。


 相変わらず出てくるアビリティ不所持の警告はスルーして水やりを続けますが、やはり園芸師の様なスキルが無いとかなり難しく、土表面の指示色は部分部分で勢いよく消えていったかと思えば全然消えなかったり、と水をやる量の調整に難儀します。


 水をやった後、ミニポーチの方には『水濡れ』の状態付与が付いていて、下からぽたりぽたりと水滴が垂れていました。

 水濡れ、は以前魔石集めの際、水玉と戯れていた時にも装備に付いていた状態付与ですね。

 高品質ボーナスによってデバフは打ち消されていますが、隔離の為アイテムボックスの方に収納しておくことにしましょう。


 グラスボトルに今使った水を補充して、100 %の状態でボックスへ。

 水の素材名は『聖霊樹の清水』と表示されています。


 聖霊樹さん、樹液過多でしょうか?


 一応、『照会』と『情報請求』のスキルで確認してみます。


 見れない? なぜ?

 水の類は範囲外なのでしょうか。

 あるいは、生産物やそれに類する、原生のものではないものということになるのですが。


 空を見上げ、相も変わらず枝葉の陰から水を吐き出し続ける不思議大樹を眺めます。


 いつかは仕組みが分かる日も来るのでしょうか、と淡い期待を抱きつつ、隠居薬師の小店の方へ。


 たしか…… そう。リーティさん。

 位置をマップで確認し、リーティさんのお店の方へと歩みを進めました。


 以前のように道に迷うこともなくたどり着き、入店いたします。


 カウンターには、大きな丸眼鏡を掛けて読み物に目を走らせているリーティさんの姿がありました。


 入店と同時にちらりとこちらに向けられた視線と目が合いますが、それも束の間、すぐに目は手元へと戻されます。


 紹介状を手に店内をカウンター前へ進み、リーティさんへと声を掛けました。


「いらっしゃい。何か用事でもあったかい?

 買いものならそっちで、リペアオイルなら……」


 と、そこまで言ったところで、紹介状へ目を留めます。


 招待状を差し出しつつ、ギルドで、精製リペアオイルの購入にはこちらへ行くように、と指示された旨をお伝えしました。


 「そうかい」と呟き、受け取った招待状を開封、中を確認すると、顔を上げます。


「あー、シロ、だったかい? そしたら、精製に必要な素材を取ってきてもらおうかね。

 普段使うようなものじゃないから在庫が無いんだよ」


 言葉と共にウィンドウがポップし、クエストが開始されました。

 と、ウィンドウには既に達成可能な条件を満たしている表示が。


 達成の条件を確認すると、必要なのは『ぬめる酸液』という素材のようでした。


 達成可能ということは、すでに持っているということなのでしょう。バッグを漁ってみます。

 すると、バッグの中で1スタック程のぬめる酸液を発見。


 説明を見てようやく思い出しました。

 確か、毒液を落とす方じゃない方の虫からドロップした素材でしたよね。

 あの虫は糸や毒液の印象が強くて忘れていました。


 これをリーティさんに渡せば達成となるようですので、アンプルに入った状態の薄緑色の液体を一本、バッグから取り出してカウンターへ置きます。


「なんだい、持ってたのかい。

 そしたらね、精製リペアオイルは150 Cになるけどね、あるかい?」


 意外と高いのですね。

 とはいえ、それくらいなら問題ありませんので、首を縦に振り首肯を返します。


「ちょいと待ってな」


 受け取ったぬめる酸液を手に奥へと下がっていったリーティさんを待つこと少し。


 戻ってきたリーティさんの手には、記憶にあるリペアオイルと比べると少しだけ黄色っぽい色をしたアンプルが握られていました。


 取引を済ませ、詳細を確認してみます。

 精製回数は一回、回復量は倍のリペアオイルですね。


「もっと必要なら、また素材を持ってきな」


 その言葉と主に、クエストウィンドウに達成のハンコが押されました。


 ポップした説明によると、今後は素材を持ってくることで精製リペアオイルの購入ができるようになったようです。

 ぬめる酸液一つあたり精製リペアオイル一つを購入でき、追加で未精製のリペアオイルを二つ用意すると、90 Cで購入できるらしいので、今持っているリペアオイルは全て精製リペアオイルに変えてしまってもいいかもしれませんね。


 ただ、見た限り精製できるのは一回のみで、二回三回とはできないようです。

 マケボには四回精製のものがありましたから、出来はするのでしょうけど。


 気になったので、リーティさんへ質問してみました。


 すると、頼んでもまだ素材を取りに行けないだろうから、との事でしたので、アビリティ合計レベルが足りないとか、素材の場所のマップが記録されていないとか、そんな感じの条件があるのでしょうね。


 お礼を言ってカウンターを離れ、棚の所で商品一覧を開き、手持ちのぬめる酸液を全て精製リペアオイルにすることに。


 残りの手持ち31個のぬめる酸液と62個のリペアオイルで31個の精製リペアオイルを2790 Cで購入します。


 用事は済ませましたので、フリクエの消化とまいりましょう。


 ここから一番近いのは、1レベルの『戸を叩く悪戯』というクエストですね。

 すぐ近くです。


 お店を出て細い道を少し移動したところに開始地点はありました。

 どうやら普通のお家のようです。


 扉前に立つと、ノックしてください、の指示が出ましたので、それに従い扉をノックしました。

お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ