4-8必要なこと
皆様こんにちは。お世話になっております。
からすです。
そういえば、うどんやそうめんの違いは太さだけなのだそうですね。
だから何というわけではありませんが。
●〇●〇
残りは短剣使いと羽々流々だけですね。
この二つは戦闘においてのメインアビリティですからしっかりと把握しておかなくては。
まずは短剣使いの方からです。
==========
『陰潜む短剣使い』Lv.2 → Lv.3
無盾一刃、陰に潜みて時を待つ。
スキル▼:P 道具の扱い(短剣)
P 短剣使いへの憧れ
A 幻影の稀撃
P 伏陰の一閃 - New
TEC+7 LUC+5
==========
あまり積極的に戦闘をするつもりはなかったのですが、よもや裁縫師よりも先に短剣使いの方がレベル3になるとは思いませんでした。
レベル3でいよいよ私の方向に合わせて成長を始めたように見えますね。
確かに、そういえば盾持っていませんでした…… いえ、意識してそうしていたわけではないのですが。
成長の方向については、まぁ、バックアタックとかばっかりしていましたからね、さもありなん。
ますます不穏なお人形になっている気がしますが、真正面から戦うのは不安になるので仕方ないです。
新しいスキルの『伏陰の一閃』はパッシブなので、効果と適用範囲だけ把握しておけば安心ですね。
効果は、対象から未発見状態の場合に限り、特定の場所を攻撃することで対象に致命的な攻撃を加えることができる。
おぉー。ついに来ましたか。
この特定の場所を攻撃する、というのはおそらく、短剣使いの習得の際にもあったあの赤い指示の事ですよね?
致命的な攻撃は運に頼るしかないのかな、と疑問でしたが、やはりありますよね。
こちらが敵から未発見の場合はあれが見えるようになった、という認識でいいのでしょう。
効果はそれだけのようですから、難しいことは無さそうです。
レベルアップしたアビリティ、最後は羽々流々ですね。
==========
『羽々流々』Lv.1 → Lv.2
遥か東の地に伝わる特殊な技術。その身はひらりひらりと風に舞う。
スキル▼:P 羽々流々の歩法
A 風の声
A 舞風 - New
TEC+5 AGI+4
==========
このアビリティはずっと名前が変わりませんね。テキストはちょこちょこ変わりますけど。
新しく追加されたのは『舞風』、アクティブスキルですね。どんなスキルなのやら。
効果は、発動中に一定回数以上の『羽々流々の歩法』を使用することで自身に一時的に『舞風』状態が付与され、『舞風』が付与された状態では『羽々流々の歩法』の回避性能が向上する、となっています。
組み合わせスキルですね。
明確になにかと組み合わせて発動するスキルは、初めてですよね?
消費はMP 3。
今の私からするとかなり重いですし、それでいて効果時間は1分。
一分間にそう何度も羽々流々の歩法を発動できるでしょうか?
相手が攻撃してきてくれないと発動できないカウンタースキルですからね。
CTが1分半あるので、連続発動で発動させっぱなしにしておくということも出来なさそうですし。
随分と扱いが難しそうなスキルが来ましたね。
確認の為に少し試してみて、あとはこやしになりそうな予感がします。
付与というのも初めてなので気になりますし、あとで確認だけはしておきましょう。
レベルアップしたアビリティは以上でしょうかね。
増えたアクティブスキルは『尊ぶべき誤りの選択』と『舞風』。
『尊ぶべき誤りの選択』は、HP消費・身体部品劣化で次に使うスキルの効果が上がるよ、でもCTが十二分と長いので、注意しましょう。
『舞風』は…… うん。
パッシブの方は、『伏陰の一閃』だけ未発見であれば致命攻撃の指示が出るようになりましたよ、と。
それ以外は勝手に発動するので、気にしなくてよし、ですね。
それぞれの試運転は後でしましょうね。
さて、アビリティの確認も済ませたことですし、早急に出てきたチュートリアルクエストを済ませないといけません。
あとは武器ですよね。完全に壊れてしまったので買いに行かないと。
またマケボで良さそうなの探しましょう。今なら懐も温かい小金持ちですし、奮発してもいい気分です。
未だにSTRはほぼ初期値の2ですが、SPもたくさん増えていますから、そこらへんは良さそうな武器が見つかったらそれに合わせて振ってしまえばいいですよね。
ついでに、買えそうであれば他の装備も買いたいですね。ずっと初期装備のままというのもなんですし。
見た目を取るか効果を取るか、そこが悩みどころです。
見た目が良くて効果もいい装備があればいいのですけどね。
そんなことを考えながら、まずは近い方、こちらですね。
==========
【冒険のパートナー】チュートリアルクエスト
あなたには、あなたと共に旅する装備がある。
達成条件:装備品修理『相棒』を利用
報酬:装備修理割引券▼
==========
装備品修理のチュートリアルから進めていくことに。
短剣は完全に壊れてしまっていますが、ハーフマントが壊れていますから、必要ならそちらをお願いしましょう。
目印の立っている『相棒』というお店へ向かいます。
中央広場を通過し、街の奥側へ。
すると目印の位置はもうすぐです。
広場から中央道を街の奥側に向かって少し歩くと、そのお店はありました。
目印の位置には、入り口上に大きな『相棒』の看板を掲げた大きなお店が。
確実に前は通っているはずですが、気にしていなかったので印象に残っていませんでした。
入口はギルドのように戸が無くそのまま出入りができるようになっています。
中は、広さなどの規模こそギルドよりも小さいですが、基本的にはギルドと似たような感じ。
数名の方が出入りするのを見ながら、中へと進みます。
ギルドのようにあちらこちらにカウンターがあるわけではないので、まっすぐ奥のカウンターへと進み、受付窓口へ。
並んでいる方もいないため、すぐに窓口にたどり着きました。
こちらへどうぞー、の声に金髪のお姉さんのいる窓口へ進みます。
「いらっしゃいませー。ギルド証のご提出をお願いいたします」
そう言われて、ギルド証を取り出しお姉さんに渡しました。
お姉さんがギルド証を機械に差し込み、少し。
「初めてのご利用ですね。
登録まで少々お時間を頂きますので、その間に当店のご説明をさせていただきます。
ここはギルドと提携した装備品修理を専門とした仲介店になります。
ここでは料金を頂いて、お預かりした装備品を必要な工房へと渡して修理していただき、お客様へとお返しいたします。
その際の金額は必要な素材、技術料の時価に応じて変動いたしますので、ご了承ください。
お預かりの期間は必要な修理によって変動いたしますが、最長で一晩となります。
お返しは、専用のアイテムによって通知したのち、あちらでのお渡しになります。
受け取りの際は、指示される操作手順に従ってください」
そう言って示された方へ視線を向けると、受け取りに来た方か、数名の方が壁際で何か操作しています。
ふむ。
「何かご質問はございますか?」
お姉さんに視線を戻し、何か気になることはあるかなと考えてみましたが、特に思い当たりませんでした。
「ありがとうございます。
それでは、登録も完了いたしましたので、装備品の修理をしていかれますか?」
この時点で、ポーン… ポンッ、とクエストウィンドウに達成のハンコが押され、一枚のチケットが排出されます。
チケットは利用によって修理の代金が半額になるようでしたが、修理代金が高くつくときに使いたいですよね。今はまだこやしになっていてもらいましょう。
他のチケットと共にポーチの中に。
代わりに『霊翠のハーフマント』をバッグから取り出し、カウンターへ。
「はい、一旦お預かりいたしますね。少々お待ちください」
お姉さんはそう言って一旦窓口を離れましたが、すぐに戻ってきました。
「はい、お待たせいたしました。
お預かりした装備を修理する場合500 Cになります。修理いたしますか?」
破れの大が付いていたのに意外と安いですね。
試しにお願いしてしまいましょう。
「畏まりました。
……ありがとうございます。
それでは、こちらの札をお持ちください。」
取引のウィンドウに承認を押してチャリーンと取引完了の通知が流れると、お姉さんが一枚の札をトレイに乗せてこちらへ。
差し出された札に触れると、視界の端に『修理受付中』というポップが表示されます。
これで、あとは通知が来るのを待って、来たらまた受け取りに来ればいいのですよね。
受付さんにお礼を言って、その場を後に。
関連して何かのチュートリアルクエストが連続するということは無い様なので、このままもう片方の固有チュートリアルクエスト、ハツメさんの所に向かいましょう。
==========
【満身創痍】固有チュートリアルクエスト
ぼろぼろの身体では、何も出来ない。
達成条件:創作系アビリティ保持者による身体部品の整備・修繕
報酬:身体部品保護液▼
==========
ふむ。
ハツメさんの所に行けば勝手に始まるのかな?
そういえば私も裁縫師を持っていますけど、自分で直すことはできないのでしょうかね? そんなスキルは特に無いですが。
確か、創作系アビリティに『整備』と『修繕』のスキルがある、と言っていたはずですけど…… ハツメさんに聞いてみましょう。
修理屋さんを出て中央道を街のさらに奥へと進み、ハツメさんの所に到着。
よその方は誰もいらっしゃらないようですね。
奥のハツメさんと目が合い、ひらひらと手を振るハツメさんに軽く会釈をしてから中へと進みます。
「いらっしゃい、新しい手入れ――」
カウンターまで進むと、私の身体の上から下に視線を送り見たハツメさんがそこで言葉を切りました。
「あんた、随分とボロボロだねぇ。
直すのなんて大した手間じゃないんだから、さっさと直しておきな。
それとも何かい? 伝手が無かったりするのかい?」
その言葉に首肯を返すと、納得したように言葉を続けます。
「あー、まぁ、元々ここらにあったのでもなけりゃ仕方ないのかね。
そしたら、少しお金は頂くが、あたしが直してやろうか?」
その言葉に一も二もなく、お願いします、と返答すると、ステータス上げと同じように奥の間へ通されました。
この時点で早くも、クエストが達成判定になり達成のハンコと共に『身体部品保護液』が吐き出されます。
説明では、整備・修繕時に渡して使ってもらうことで劣化・消耗の進行速度を抑える、となっていますね。
はいはい、こやしこやし。
こういうクエスト報酬の聞いたこともないアイテムって、どこかで入手できるものなのでしょうか。
どこかで入手できるのであれば気兼ねなく使えるのですけどね。
これもあとで聞いてみましょうか。
そんなことを考えている内にいつもと同じく多くのお人形の並ぶ部屋へと通され、そのままの流れで畳の上に寝ころびます。
すまないね、の言葉と共に渡された枕を頭の下へ。
私の側へハツメさんが座ると、人形たちが動き出し、私の身体に触れ始めます。
されるがまま、少し待っていると、一旦人形たちが離れてハツメさんが口を開きました。
「はいよ、そしたら、修繕に必要な素材を確認してくるから、ちょいと待っていておくれ」
そう言ってその場を離れます。
私は傍で座り込んでいるお人形さんたちを愛でながら戻ってくるのを待つことに。
気にしていませんでしたが、よく見ると結構個性があるものなのですね。
表情はもちろんですが、体型というのか、作りもそれぞれに違いがあります。
服装も様々で、これは全部ハツメさんが作ったのでしょうか?
「可愛いだろう?」
畳に座り込むお人形さんたちを、這いつくばって眺めていると、背中から声が掛かります。
「可愛いです」
変な姿を見られてしまったことに恥ずかしさを感じながらもそう言葉を返すと、ハツメさんは少し上機嫌になった様子で言葉をつづけました。
本当に人形が好きなのですね。
「確認してきたよ。
整備が全部で6000 C、修繕が今は2466 Cだけど、端数は切って2400でいいよ。
どうする? やっていくかい?」
結構かかりますね。
でも、考えてみれば、他の方はEPの為に食材アイテムを買っているのでしょうし、その分と考えればそこまでではないのかもしれませんね。まとまっているから多く見えるだけで。
お金は十分に足りますので、そのままお願いすることに。
「あいよ。そしたら……」
ハツメさんが手元をいじると、私の方へ取引用のウィンドウがポップしました。
計8400 Cです。承認を押してチャリーンと取引を完了します。
「ありがとさん。それじゃ、始めるよ」
それを確認し、私の周りの人形たちがまた動き始め、私に触れてゆきます。
今度はその小さな手元から、ステータスを上げる時とはまた少し色の違った仄かな光をぽわぽわ光らせ始めました。
ステータスを上げる時よりも数が多い為か一つ一つが小さな光でもかなりの光量となっています。
身体に触れる人形たちの小さな手を感じながら、頭に触れている和装の子をぼんやりと眺め、しばらくそうして大人しくしていると、光が止み人形たちが離れました。
終わりかな?
「あいよ。これで、整備と修繕は完了だよ。確認してみな。
あとは…… 手入れはしていくかい?」
そうですね。そちらもお願いしてしまいたいですね。
お読みいただきありがとうございます。
もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。
あとブクマとかも(強欲