4-7りーざーるーとー
皆様こんにちは。お世話になっております。
からすです。
そういえば、湯船というのはその昔、本当に船の上でのお風呂があったからだそうですね。
だから何というわけではありませんが。
●〇●〇
無意識のうちに胸に詰まってしまっていた息に気付き吐き出してようやく、危機的な状況を脱したのだなと実感できます。
疲れました。
幸いにして今回は無事に済みましたが、使えるものが多かったというだけで、単純な戦闘能力だけで見たら確実に負けていたところです。
倒されたからどうなるというのは未だ知りませんが、デスペナルティは確実に何かあるのでしょうし、心情的にもなるべくご遠慮したいものですね。
今後とも活動範囲を広げたときは少し注意していないと、今回のように無事で済むとは限りません。
今も戦闘で攻撃手段もなくなってしまいましたし、森を抜けるまで無事で済む保証もないのですけど。
色々とポップしているものを確認したいのはやまやまですが、早急に戦闘の起こらない場所まで撤退しなくてはいけません。
森狼さんとでも出会おうものなら、素手での殴り合いに敗北は確実です。
身体部品の劣化消耗は少し怖いですが、急いで街へ帰るとしましょう。
私の歩いた場所とその周辺の情報が記録されているマップを確認して、敵と出会わないようにだけ注意しながら森の外へと慎重に歩みを進めます。
ステルスミッション開始です。
マップを確認して初めて気づきましたが、森のかなり奥まで入り込んできてしまっていたのですね。
現在地は大体、街道から泉までの距離と同じくらいの距離をさらに森の奥へと進んだ位置でした。
かなりうろうろとしていたはずですが、それでも森の全容が記録されるには程遠い様で、虫食い状態。
広いですね。
そのうちマップ埋めなんかもしたいですが、今は森を脱出することに集中しましょう。
森狼を探して入り込んできた先ほどとは打って変わり、今度は森狼にだけは見つからないように隠れつつ森の外へと移動していきます。
泉を横切り、ちらほらと増えてきたよそ様方を横目に街道へ出たところで、ようやく安心することができました。
実際、森の浅いところでは角うさぎしか見かけませんし、そこまで来たらもう安全ではあったのですが、やはり森を抜けると緊張感が違います。
明確に戦闘区域、非戦闘区域と別れているわけではないのですから、街道が安全とは言えないのかもしれませんが、それはそれとして。
街道は、日が落ちて門が閉まるような時間になればまた違うのかもしれませんが、今はまだザクロの街から離れていく形で人波が流れています。
人波、というほど人通りが多いわけではありませんが、道もそこまで広いわけではありませんし、街道を通られている方々は複数名の団体さんが多いのでそう見えるのでしょうね。
それにしても、装備が華やかで少し羨ましいですね。
ちらちらと横目にすれ違う方々を観察しながらようやっとの思いで街へ戻ってくることができました。
門をくぐり街の中へ。
街中へ入ったら早速色々と確認。
街中の門前広場の端に寄り、並ぶ通知に目を通していきます。
まずはステータス関連のMPの変換効率と各種ステータスの上昇が完了しました、という通知。
またハツメさんとオーリナさんの所に行かないといけませんね。
次がクエスト自動受注の通知。
一つは装備品修理のチュートリアルクエスト。
これは短剣が壊れた時に出てきたものですね。
修理すべき短剣は、既に説明に修理不能と書かれてしまっているのですが、クエストがちゃんと進められるのか少し心配です。
場所は、中央の広場よりも街の奥側の道沿いにある『相棒』というお店に目印が立っていました。
場所的にはマップに既に書き込まれているので、前を通ったことくらいはあると思いますが、いまいち記憶にありませんね。
もう一つは身体部品の整備と修繕について。
こちらは、ハツメさんの所に目印が立っています。
あとはドロップ品とアビリティ。
ドロップ品から見てみましょうか。
通常のドロップは、森狼から森狼の毛皮が四つと爪が三つに牙が二つ、霊森狼から霊森狼の毛皮と爪が一つずつドロップしていました。
ほかにも、群れ討伐報酬として霊森狼の微小魔石と森狼の尾が一つドロップしています。
さらに、霊森狼の寝床からランダムアイテムとして『霊翠のハーフマント』という装備が手に入っていました。
魔石が手に入ったのは泉の水玉以外からだと初めてですし、装備品が手に入ったのに至っては初です。苦労した甲斐があったと思いたいですね。
取り出してみると、割と地味めのハーフマントが手元に現れます。
色味は古布の上下と大して変わらない様な感じの色味。
なんと読むのかは相変わらずわかりづらい名前ですが、少なくとも霊翠なんて恰好良さげな字面が似合うとは言えないようなハーフマントでした。
説明を見てみましょう。
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『霊翠のハーフマント』
霊森狼が寝床にしていたことで霊気が宿った、どこかの誰かのハーフマント。今はもう元の所有者も製作者も知ることはできない。ルーツを失った装備品。
品質:劣等品質
※劣等品質付与:存在否定※
※状態付与:破れ(大)
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状態付与に関しては、短剣が壊れた時に付いた刃こぼれと同じものですね。表記のされ方も同じですし。
劣等品質の付与についてはハツメさんかオーリナさんに聞いてみましょう。
流石に破れ(大)なんて書いてあるものを着ておくわけにはいかないので、バッグにしまいなおします。
せっかく手に入れたのに、短剣のように修理不能まで壊れてしまったら困りますし。
さて、そうしたらアビリティの確認でございますよ。
レベルアップしたのは固有アビリティ、先天性アビリティの二つ、解体、短剣使い、羽々流々、の六つが一気に上がりましたね。
戦闘で使っていたものは全部上がったようです。
ざっと確認していきましょう。
まずは固有アビリティから。
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『我思う、』Lv.2 → Lv.3
ヒトを真似、無機質によって形作られた身体は、いつしか真似を超えは …Error
スキル▼:A 自己管理▼
A 最適化▼
A 芸術を解す機械
A 尊ぶべき誤りの選択 - New
SP:12
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我思う、故に我あり。
有名な言葉の、半分ですね? 句読点で終わっちゃっていますし。
それになにやらエラーが出ていますが、これは説明の一部、でいいのでしょうか? 流石に今どきのゲームでエラー表示は無いでしょう。
なんだか今回のレベルアップは色々と不安定ですね。
……なぜだかちょっとわくわく。
スキルは『尊ぶべき誤りの選択』長い名前のスキルです。
明確に意識すれば使えますからいいですけど、ありがちなゲームのように宣言しないといけなかったりしていたら、大変な所でした。
またアクティブスキルなのですね。
消費はHPが24と身体部品の劣化が進行。
HPの消費量は、情報請求の倍。とはいっても今のHPであればそこまで気にするほどではありません。
問題は身体部品の劣化ですが、わずかに、といった言葉が書かれていない分、最適化や芸術を解す機械よりも大きく進行するのでしょうから、なるべく多用はしたくないスキルですね。
CTは十二分……? ずいぶん長い。
効果は、このスキルの使用後、次に発動するアクティブスキルの影響を向上させる。
強い。……強い? たぶん強い。
身体部品の劣化だけ対策して、効果がどこまでどのように適用されるのかは確認しておかないといけないでしょうね。
中度劣化の状態で試してみるわけにもいきませんので、保留です。
お次ましては先天性アビリティ。
まずは使うのを忘れがちなこちらから。
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『追究する知識』Lv.1 → Lv.2
その人形は、解を求める。誰に与えられたとも知らぬ知識は、欠片となって様々なものを組み上げる。
スキル▼:A 第一分類記録照会権限
A 情報請求
P 権限拡張(生態) - New
INT+5 LUC+4
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増えたスキルはパッシブスキルですね。
効果は、情報請求により開示される対象の生態の情報がより多くなる、と書いてあります。
考えてみれば、ほとんど動植物にしか使っていませんでしたし、それでなのでしょう。
石とか土とかの環境オブジェクトというので正しいのかわかりませんが、そういった物にたくさん使っていたらまた違った成長をしたのでしょうか?
農家さんや鍛冶屋さんであればそういう方向で成長もするのでしょうけど、園芸程度であればいざ知らず……
そういえば、木の実から種取り出して植えてみよう、とか言っていましたっけ。
後でやってみましょう。忘れなければ。
とはいえ、今のところは本格的にほぼそれ一本でやってみるつもりもありませんし、これで正統レベルアップでしょう。
どういう情報が見られるようになったのかだけ確認しておきたいですね。
あと、一度情報請求で見たことのある対象は情報請求を使わなくても見られるのですが、そこはどうなっているのでしょう。
また全部調べなおさないといけない、なんてことは無いですよね?
それはそれでスキル上げにはなるのでしょうけど、少々面倒です。
適当なアイテムをバッグから取り出し、見てみることに。
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『ポポタ』
ポポタの花部分。ポポタは全ての部位が広く利用されるが、花も利用に足る効果を持つ。染料や香料としても利用される。食べることもできる。
※拡張情報
一見一つの花に見えるポポタの花は小さな花の集合体である。ポポタは非常に生命力が強く、花一つ一つにその強い生命力を宿している。
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ふむ。
一度スキルを使ったことがあれば、再度スキルを使わなくても拡張情報も含めて見られるようですね。
上の説明部分はレベル2の時と変わりませんが、拡張情報だけが追加されています。
だからなにといった感じが満載な拡張情報ですが、情報が増えて悪いことは無いのでね。
生態なんてなさそうなものはどうなるのでしょう?
今度は容量ポーチに入った森土を取り出してみてみます。
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『森土』
精霊の森に生える木々の葉が分解されることで出来上がった土。
※拡張情報
主となった分解者はハナマユチョウの幼虫、ハナマユガの幼虫、トラナテカブトの幼虫、ミークルワーム。
十分な栄養を蓄えている。
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これは土だけを見た場合ですね。容量ポーチに入った状態だと、森土の入った練習用ミニポーチ、として表示されるので。
生態のない様なものの場合はこうなるのですね。
石とかはどうなるのでしょう?
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『石』
精霊の森で長い年月を過ごした何の変哲もない石。
※拡張情報
遥か太古より地上にあった大きな岩が長い時間の中で砕け小さな欠片となったもののうちの一つ。
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あ、うん、石ですね。何の変哲もない石です。把握。
何となく拡張される説明については分かってきましたので、次に移りましょう。
次は伝導体ですね。
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『心理伝導体』Lv.2 → Lv.3
その人形の素材に使われた何かは、なにかに従い、より求めるものへと。
スキル▼:P 効率的な伝達
P 精密な伝達
P 有機的な伝達
P 集中的な伝達 - New
AGI+2 INT+5 TEC+5
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またパッシブスキルです。
伝導体にいきなりアクティブスキルが増えられても忘却の彼方へさようならしてしまいそうですので、ありがたいのですが、ここまでPが並ぶと面白いですね。
なんだか、このアビリティはとても整っていて気分がいいです。
新しく増えたスキルの効果は、と。
特定のステータスのみの影響を受ける行動の際、一時的に対象のステータスが向上する、となっていますね。
パッシブスキルなので考えてもしょうがないのですが、確か、羽々流々なんかはTECとAGIで判定していたはずですから、効果が無いということになるのでしょうか?
それとも、えっと……
書いてあったはずですので、羽々流々の歩法の詳細説明を開いて確認してみます。
そうです。事象に対してTEC、行動に対してAGIで判定が出るのですよね。
となると、別々に、判定が出るタイミングで効果が出る、と考えるのが妥当かもしれませんね。
これに関しては、勝手に発動するスキルでもありますから、気になるのはこれくらい。
次は解体の才を見てみましょう。
致命的な攻撃によって倒した場合に発動する慈愛の終撃。そんなに発動していた印象は無いのですがそれでもレベルアップしたのですね。
条件甘いのでしょうか?
それとも気付いていなかっただけ?
ダメージが小さいと、乱数による数値の上下で致命が入っていても気付かないのですよね。
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『解体の技術』Lv.0 → Lv.1
余すことなく。それが義務である。
スキル▼:P 慈愛の終撃
P 丁寧な解体 - New
LUC+4 TEC+2
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効果は、致命的な攻撃によって倒した場合、稀にドロップ数が増加する。
ふむ、そういうアビリティを選んだのですから当たり前ですが、またドロップ増加系ですね。
慈愛の終撃はドロップ率が上昇する、でしたけど、今度はドロップ数の増加です。嬉しい。
これに関しては特に気になるところもありませんね。次行きましょう。
あとは短剣使いと羽々流々だけですね。
この二つは戦闘においてのメインアビリティですからしっかりと把握しておかなくては。
お読みいただきありがとうございます。
もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。
あとブクマとかも(強欲




