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3-2やりやすく

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、考える人、は地獄のことを考えているらしいですよ?

だから何というわけではありませんが。

●〇●〇


 街門の人の出入りは大分落ち着いたもので、お喋りしながらゆっくり歩いていても邪魔になることは無さそうです。


 街門を通る際は、人が多くなければなるべく門兵の方々にご挨拶も欠かさず。

 そんな私を見てシノも兵士さんにご挨拶。普段も一応しているらしいですけどね。


 レアモブ狩り金策の内容については詳しく聞いていないので、街を後に大人しくシノについて行きます。


 森の少し奥の方まで向かう道中聞いたお話によると、このザクロの街は山々に囲まれた窪地を埋める森の中にある形らしく、街道以外は森で囲まれているそうです。

 この森自体も外の森とは色々な面でかなり違い、高レベルな方も割と来ることがあるとか。


 また、外側が山脈で囲まれた形の為、次の街、というか外の街に行くためには必然的に山越えをする必要があり、街道があるのは最も越えやすい、ということになっている谷に向けての道とのこと。


 ただやはり、谷を越える際の一部の区域には足を踏み入れた集団・個人に対して一体の敵がポップするボス戦もどきのようなものがあり、そこを倒すか逃げるかして越える必要があるそうです。


 一期組にはプレイ開始当初から今でも、頻繁にそこを周回している方がいるらしく、結構有名だそうですよ。

 ただ、そこにポップする敵は通常・レア共にドロップも大したことないそうで、シノ的には目的不明の不審者扱いでした。不憫。


 それ関連の話でステータスに関してなのですが、どうやらそういったボスやそれに類するものには、大体の一撃ラインというものがあるらしく、シノのステータスは一撃ラインをぎりぎり越えるようになっているそうです。


 つまるところ、HPに関しては一撃ラインを越えないような中途半端な上げ方だと、振ってないのと変わらないということになるのでしょう。


 シノの場合、一撃はぎりぎり耐えられるので、なるべく貰わないようにしつつ貰ったら即時回復。というプレイスタイルなわけですね。


 ただ、ある程度は上げないとHP消費系のスキルも多いですし、スリップダメージでも死にかねないような状態になってしまうので、上げない、という選択肢はない感じらしいです。

 どこまで上げるかは完全にスタイル次第。


 私の場合は薬品過剰オーバードーズが無い特性を上手に使うなら、タンクのように大きくいくか、シノのようにぎりぎりにするか、どちらかがいいですよね。

 私の場合、基本一人の方が多いでしょうしタンクは火力不足になる未来しか見えませんから、シノスタイルでしょうかね……


 聞くと、一先ずは500が序盤のボーダーらしく、通常種族はそれくらいならフリークエストで比較的簡単に上げられるらしいですが、私に関しては知らないと言われました。

 デスヨネ。


 いまSPは、なぜかあれからまた増えて、29。固有アビリティの分を含めても35。

 HPは1振ると+20。


 ふむ。

 一応、現状120あるので、19振れば500になりますが……

 やはり基礎ステータスが上げられないことには、追加付与も振りづらいですね。


 というか、身体部品の更新をどうやってするのかがいまだにわからない不思議。

 このゲームちゃんと親切なのにこんなところだけ不親切なの謎ですよね。


 もしかして私、何か飛ばしていたりするのでしょうか?


 そんなことに頭を捻っている間にも話は移り、内容はスタイルの話になっていきます。


 シノによると、今の主流は大まかに分けて四種類。

 火力構成とヒーラー構成とタンク構成とクラフター構成。

 ここら辺は他のゲームと変わりませんね。


 ただ、このゲームだと純粋物理はほとんどいないそうです。少数だけ、いるにはいるそうですが。

 「物理系はHP消費のスキルも多いし、あとは色々」と説明は放り投げられたので理由はよくわかりません。

 なぜでしょうね?


 一応、火力構成が人気で多い印象だそうです。

 ハイブリッドも出来なくはないそうですが、始まって日が浅いというのもあるのか、まだ何かに特化した構成が遊びやすいみたい。

 確かに、聞いた感じだとハイブリッド化は何かを極めてからの方がやりやすそうではありますね。


 シノも短剣がどういう武器でどういう成長をするのかは知らないらしいので、悩みどころですよね。

 まぁ、クラフター構成でもいいのですが、ある程度の素材集めは自分でできるくらいには戦闘もできたい、というわがままを許してほしいものです。


 そんなお話をしながら森を突き進むことしばらく。

 今まで途切れることが無かった木々の先に、ぽっかりと開いた空間とそこに広がる泉が。


 木漏れ日を照り返す透明な水を満たしたそれなりに大きな泉にたどり着きました。


 ここが目的地のようで、シノが今まで装備していなかった武器を取り出し、装備。

 見た目は予想通り、腰に帯びて剣先がぎりぎり地面に付かない程度の直剣。

 大剣、というには少し小さいですが、片手剣という程度の大きさではないくらいの感じです。


 左に帯びたそれをシノが抜くと、銀に赤の意匠が映える剣身が姿を見せました。


「ここに出るモブのレアドロップが売ってもいいし使ってもいいしで便利だから」


 そう言ったのに合わせるように、泉から透明な水の玉が浮かび上がってきます。

 その水玉に対して剣を軽く振り抜くと真っ二つになった水玉がパシャリと泉に帰っていきます。


「範囲技が効かないし大きくなると厄介だけど、弱いから」


 言われて私も飛んできた水玉に短剣を振ってみます。

 すると、何の抵抗もなく水玉は両断でき、1のダメージポップと共に泉に帰っていきました。


==========

New『霊晶片』

==========


 何かドロップしましたが、これが通常ドロップだそうで、使い道は装飾品くらいのものだそうです。

 あ、スキル使い忘れましたね。

 一応、スキル使っておきましょうか。情報請求、っと。


==========

『霊晶の欠片』

 砕けたごく小さな精霊水晶の欠片。

==========


 続いて、先ほどからポコポコと生まれ続けている水玉にも。情報請求。


==========

『微精霊水球』

 精霊水晶の欠片を核に形成された水球。


※※

霊晶片

・・・

※※

==========


 ……これ、倒して大丈夫なのでしょうか?

 え? あとで怒られたりしないですよね?


 シノに聞くと、へー、とか言っていたのですが、一応こういう微精霊の本体さん? にとあるイベントで会えるらしく、こういうのは倒しても問題ないと言われているそうです。


 それならいいのですが。


 流れ作業で倒していき、霊晶片が軽く六スタック分集まったところでようやくレアドロップが来ました。

 霊晶片が一スタック36個なので、体感0.5 %位ですよね。


==========

New『霊晶片の魔石』

==========


 おぉ。

 魔石ですよ。こんなところで入手できるとは。

 結構大変ですけどね。


==========

『霊晶片の微小魔石』

 水の属性を帯びたごく小さな魔石

==========


「出た?」


 私が動きを止めたのに気付いたのか、シノが問いかけてきます。


「はい。魔石もどこで手に入るのかわかっていなかったので助かります」

「……ただの魔石なら大きめのモブからならレアドロップで手に入るわよ?

 これは属性付きだから」


 ふむ?

 確かに水の属性を帯びた、と書いてあるので違うのでしょうが。


「何か違うのですか?」

「対応属性の魔石でないと動かない魔道具があるのよ」


 魔道具とな?

 何ですかね、その素敵ワードは。私知りませんよ?


 すぐにその疑問は解決していただけました。


 曰く、魔道具はレベル5の段階のクエストで使うことがあり、初回はそこら辺のことを教えてもらえるそうですが、私はまだレベル0のクエストしか達成したことが無いので、この後の要素でしたね。

 シノも、私が魔石のことを知らない様子を見てようやく気付いたようです。


 まぁ、そこら辺のことはクエストで教えてもらった方がいいということで、今はとりあえず集めるだけ集めておくことに。


 一個当たり大体三万 C前後でマーケットボードで売れるらしいですが、ここまでくるのが面倒なのと、進めればもっといいのがあるので人も少ない、と。

 人と会うこともないので、私も気楽にできるでしょ、ということでおすすめだそうです。

 ありがたや。


 ただやはりドロップ率はかなり渋め。

 通常ドロップが六スタック分で一つだとボックスの圧迫が酷く、魔石が一枠一つで重ねられないのもあり、通常ドロップに埋め尽くされてしまうとその時点でドロップしなくなってしまうため、どんどん捨てていかないといけない手間も考えると結構大変。


 これは今度金策に来ようと思ったら、魔石用のポーチとか作って沢山持ってきた方がよさそうですね。


「どうする? もう場所も教えたし、解散?」

「いえ、もう少し、集めていきたいです」

「そう」


 忘れないようにマップの現在位置に印をつけます。

 せっかく来ましたし、いくつかは集めていきたいですよね。


 何をするでもなくぼんやりこちらを眺めるシノを横目に水玉たちを蹂躙していくこと少し。


~ピロリン~


 アビリティのレベルアップ音。だんだんと聞き慣れてきましたよ。

 上がったのはもちろん『短剣使いの才』


===========

『初心者短剣使い』Lv.0 → Lv.1

 短剣の扱いに才を持つ者が短剣を扱い始めた証


スキル▼:P 道具の扱い(短剣)

     P 短剣使いへの憧れ New


TEC+4 LUC+2

============


 『短剣使いへの憧れ』は、短剣使用時のステータスがわずかに上昇。


 そういえば、わずかに、ってどれくらいなのかが気になったのでシノに聞いてみたのですが、さぁ? と言われました。

 秘密、というわけではなくて、本当にわからないそうです。


 検証班。ゲームの数値的なことだったり、様々なことを身を挺して検証してくださる方々の事ですね、その方々ですら1.1 ~ 1.3倍くらいとしかわからないらしいです。


 確かに、チュートリアルでも1の四分の一にされましたからね。

 見えていない数値があるのでしょう。


 あ、手元を見て思い出した『効率』についても聞いてみたのですが、これも さぁ? と言われましたよ。


 対象に対する影響力? とか、プレイヤーから対象に影響を及ぼす際の出力? とか、そんな話があるそうですが、よく知らないそうです。


 何となく、わかりそうでわからない。

 不思議な感覚ですね。


 ぼんやりとこのゲームの仕様に頭が慣れてきたような感覚を抱きながらひたすらに水玉たちを狩っていきます。


 結局大量の霊晶片に埋もれながら計四個の魔石を入手で若干心が折れました。

 これで単純計算十二万 C分ですか。確かに美味しいですね。


 この手のゲームでこの程度の金額は、一瞬で無くなっていくような金額ですが、それでも懐に余裕があるとできることも違いますからね。


 ボックスを埋め尽くす霊晶片を処分し短剣を仕舞います。


「もういいの?」

「はい」

「そう」


 道中、森狼さんにもリベンジを果たしつつ、来た道を戻ります。

 幾つかの毛皮と、一度、致命が入った状態でドロップがあり、上質な毛皮が手に入り、ほくほくで街まで戻ってくることが出来ました。


「まぁ、元気にしているようで良かったわ。

 じゃあ、またね」

「はい、また」


 門前で別れを済ませると、シノはボックスからランタンのような何かを取り出すと、起動。

次の瞬間には掻き消える様に姿が無くなってしまいました。

 ワープか何かでしょうか? 便利ですね。

 

 シノを見送って、少しずつ傾き始めた日を背に、私は街の中へ。


 魔石は二つ売ってみて、それで少しだけお金を作ったら、今レベル0のアビリティのレベル上げがてら受けているフリークエストを達成して、そうしたら夜になるでしょうから、『糸操り』でしたっけ? それを教えてもらいに行きましょう。


 アビリティの合計が五以上になれば今度は、魔道具のことを教えていただけるクエストが解放されるのですよね?


 それっぽいフリークエストを受ければ、魔石のことはそれでわかると思いますので、あとは身体部品の事ですか。


 身体部品のことは、一度ギルドの特殊種族担当のあのシニョンお姉さん、リチアさんでしたよね、の所に行って聞いてみるのもいいかもしれませんね。


 兎にも角にも、マケボで素寒貧のお財布を潤しにギルドに向かいましょう。話はそれから。


 街中へ向けて流れる人並みの少しだけ濃くなった中央道を、ギルドに向かって歩みを進めます。

お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲

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