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2‐1やばばな予感

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、ミミズってベーコンの味がするらしいですね?

だから何というわけではありませんが。


●〇●〇


 街中なので、一応死ぬことは無いと思いますが、何となく落ち着かない半分削れたHPのまま、先ほども通った道を進み『隠居薬師の小店』に戻ってきます。


 そういえばこのお店、店名とかないのでしょうか。

 特に看板とかはないのですが。


 店内へ入ると、相変わらず数人の方が棚に向かってぽつぽつと居る程度です。


 まずは、カウンターへ向かいリーティさんに話してクエストを達成してしまいましょう。


「あの、渋草の若葉を持ってきたのですけど」


 12枚1スタックの若葉の束を取り出し、カウンターに置きます。

 1スタックを丸々取り出すと、茎の所が紐で括られてタグが付けられている形になっています。


「うん? あぁ、ありがとうね。助かるよ」


 リーティさんが受け取る前に数枚の硬貨と麻の袋をトレイに載せ、こちらに差し出してきます。


 触れると、それらは光の欠片となりアイテムを使用した時と同様に身体に吸い込まれていきました。

 同時に、チャリンという効果音が。


 触れた瞬間消えてしまったのには一瞬驚きましたが、おそらくこれで所持金欄が増えているのでしょう。


 宿木葉のお守り袋は、ボックスに入かな。


 リーティさんが、若葉の束を背後の引き出しの中にしまうと、


~ポーン… ポンッ~


 クエストウィンドウがポップし、達成のハンコが押されます。


「手が空いていたらまたお願いね」


 これで、この依頼は達成ですね。


 リーティさんに会釈をして、カウンターを離れます。


 効率は良いとも悪いとも言いづらい感じですね。

 多分、先に若葉を集めて置けば連続で達成することもできるのでしょうけど、若葉が意外と見つかりにくかったのですよね。

 でも、他の素材集めのついでに集めるだけ集めておいて、来た時に達成できるだけ達成する、みたいな感じならそれほど余計な手間にはならないでしょうから。


 なんか、そういうのを見つけやすくなる、みたいなのがアビリティとかスキルであればもっと話は別なのでしょうけど。


 あぁ、でもアビリティのレベルも一だけですけど上がりましたし、いいクエスト増えてるかもしれませんよね。

 あとでギルドに寄って他のも見てみるとしましょう。


 そんなことをぼんやりと考えつつ、壁際の棚の所に移動します。

 さて、リペアオイル買えないでしょうか?


 棚の商品を眺めると、商品一覧のウィンドウが表示されました。


 スクロールして、一通り眺めてみましたが、アイテム所持数が増えるバッグ系を中心になにやらとても魅力的なアイテムが多数ありますが、そもそもお金足りなくて買えないのですよね。


 今すぐ欲しいリペアオイルは一覧に無いようです。


 無いとなると、施設? んー、探してほっつきまわるより、一旦ギルドに戻って聞いてみた方が早いでしょうか。


 一応、聞いてみるだけ聞いてみましょうか。

 再度カウンターに戻り、声を掛けます。


「あ。あの、すみません。」

「うん? なんだい?」

「えっと、リペアオイルって、ありませんか?」


 聞いてみると、リーティさんは私を見て少し考えるような仕草を見せた後、


「あるよ。欲しいのかい?」

「はい」

「そうかい。何本だい?」


 あ、そういえば、一本いくらなのか知らないじゃないですか。


「あ、えっと、すみません。一本いくらなんでしょうか?」

「うん? 一本30 Cだね」


 一本30 C

 とりあえず、六本買っちゃいましょう。


 あ、これ、マケボで買った方が安いのでは? と一瞬思いましたが、お願いしてしまいましたし、買いましょう。


「六本でお願いします」

「はいよ、ちょっと待ってな」


 そう言って、一旦奥に下がっていったリーティさんは、仕切りの付いた厚紙の箱で六本のリペアオイルを手に戻ってきます。


「うちだと、いつもあるわけじゃないからね。ある時は構わないけど、ギルドで聞いてみな。その方が確実だからね」


 そう言ってリペアオイルをカウンターに載せ、軽く手元を動かします。


 リーティさんがついっとこちら側に指を振ると、売買用のウィンドウが表示されました。


 購入のボタンをぽちっとすると、チャリンという音と共にカウンターにあったリペアオイルがボックスに移ります。


「ありがとうございます」

「はいはい」


 さて、用事はひとまず済みましたし。

 済みましたよね? たぶん?

 お暇するとしましょう。


 リーティさんに会釈をして、店を後にします。

 お金貯めたらまた来ます。


 そしたら、一旦ギルドに戻る必要もないので、もう一つのクエストの方も達成しに行ってしまいましょうか。

 の、前に、部品の確認とかしておきましょう。


 結構探索しましたし、戦闘も一応しましたし、減っていてもおかしくありませんよね。


 歩きながらというわけにもいかないので、少し道の端に寄ってしゃがみ、ステータス画面を開きます。


 確認するのはアビリティのレベルが上がってないかなー、というのと、身体部品の消耗ですね。


 アビリティは…… あれから特には上がっていないですね。

 やはり、スキルをしっかり使っていかないと上がらないのでしょうか。

 とはいえ、自己○○系のスキルって、行動を制限されてしまうので難しい所ですよね。

 効率的な伝達も、自己○○系のスキルを使わないと機能しないのでしょうし。


 身体部品の方は、特に表示がないので、まだ劣化も消耗もしていないようです。

 意外と頑丈なのですかね?

 結構動き回りましたし、戦闘に派手に攻撃も受けてしまったので、軽度くらいにはなるかと思っていましたが。


 一応、と思い、目を瞑り自己整備を発動してみます。


【セルフメンテナンスを開始します。】

【完了まで、残り二十一分です。】


 ふむ?

 表示は無いですが、一応発動はできるのですね。


 何となく、なにかがわかりそうではありますが、深く考えることなく目を開けます。


【セルフメンテナンスを中断します。】


 そういえばこれ、ログアウトしている時の扱いはどうなるのでしょうね?

 ぎりぎりまで劣化させて、セルフメンテ、ログアウトという感じでも大丈夫なら、結構稼げそうな感じですよね。

 やってみましょう。


 さて、確認も済んだところで、続いてのクエストの開始位置まで、足を運びます。


 続いては街壁沿い、門から横に逸れて少し進んだところのようですね。

 中央道に出て、再度門の方へ向かいます。


 日はかなり傾き、一応まだ太陽は出ているようですが、陽光が街壁に阻まれることでほとんど入ってきていないせいか、中央道の脇に沿う形で並んだ街灯と店から漏れる灯りが街中を照らしています。


 歩くこと少し。

 門は既に閉じてしまっているようです。いつの間に……

 少し、開閉するところを見てみたかったです。


 門から横に逸れ、門沿いの細道を進んでいくと、詰所、というのが正しいのでしょうかね。兵士さん達数名が居る建物にたどり着きました。


 開始地点はここのようです。


 なんか、こういうのに話しかけるのはとても勇気がいるのですが。皆様はどうなのでしょう。


 とはいえ、話しかけざるをえないので意を決して、入り口わきにいる方に声を掛けます。


「あのー、すみません」


 近寄ると、頭三つ分くらい違う大きさに思わず半歩程下がってしまいます。

 兵士さんはわるくないのですが、圧がちょっと怖い。


 兵士さんが顔を向けこちらを見ると、膝を折り目線を合わせるようにしてくださいます。ありがたいですね。


 それでようやく同じくらいの目線。

 しかも同じくらいなだけで、まだ兵士さんの方が高いっていう。


「はい、何か御用でしょうか?」

「あ、はい、えっと、シロと言います。ギルドの依頼を受けたのですが」


 こっちの依頼は、これですね。


==========

【倉庫の定期巡回補助】フリークエスト

 害獣などが出てくる場合があるため、戦闘要員としてのご協力をお願いいたします。


達成条件:対象倉庫への巡回補助


報酬: 1000 C

==========


 千ですよ、千。

 さっき、ポーチが一番安いので3000 Cだったので、これを三回やればとりあえず買えちゃうわけです(皮算用


 コスパがいいかはやってみないとわからないわけですが。

 特に今は火力がお察し下さい状態ですからね……


「依頼を受けてくださった方ですね。ありがとうございます。依頼内容のご説明をいたしますので、中へどうぞ」


 と、建物の中へと案内され、席に着き一通りの説明を受けます、とはいってもこれといって何か特別なことがあるわけではなく、本当にただのお役所的というか依頼内容をしっかりと再度説明しておきますね、って感じのお話でした。


 内容的には兵士の方と一緒に街の倉庫を回ってください、との事なですので、さっそく出発します。

 基本的には兵士さんについて行くだけいいみたいです。

 私必要? という感じですが。


 一軒目。

 何かしている兵士さんをぼんやりと眺めながら待ちます。

 特に何もなかったようで、二軒目に移動することになりました。


 二軒目。

 一軒目とおなじ道具を使って作業をしているので、あれが何かしらの何かなのだろうなー、と思いつつぼんやり。


 すると、キーキーと鳴き声を上げながら建物の屋根裏から蝙蝠が飛び出してきました。


「お願いします!」


 え、空飛んでるのですが……

 お願いされてもどうしたものかと思っていると、蝙蝠はこちらに飛び込んできます。


 びっくりして慌ててよけると、蝙蝠はそのまま地面へべちゃっと。

 意外とどんくさいのですね。


 ちょうど足元の位置に落っこちたソレに思わず足が。

 感覚は、転がっちゃった硬貨を咄嗟に足で止めるような感覚ですよね。

 広がった羽を踏んづけると、蝙蝠は、ぴぎぃっ! と鳴き声を上げ、びったんびったん、暴れまわります。


 何とも言えない気持ちになります。

 なんか、左右に頭を振るおもちゃの頭側を持っちゃった、みたいな。


 あ、スキル使ってみましょ。


==========

『ヤミコモリ』

ヤミコモリのオス

==========


 で、『請求』


==========

『ヤミコモリのオス』

 ヤミコモリは暗闇に住み着き、メスのため命を懸けて生きる


※クエスト対象のため、ドロップ対象外


※※

・・・

・・・

※※

==========


 うん、献身的過ぎて泣きそう。

 いいやつなのですね。倒すのを躊躇いそうです。


 説明を見たからといって、いつまでもそうしているわけにもいかないので、短剣を手に何度か攻撃すると、ポンッ、ポンッ、と何度か5程度のダメージ表記が出た後、コモリは光の欠片となって消えていきます。


 ところで、実はこうしている間にも兵士さんは何匹も倒しているわけなのですが、これ、依頼出す必要あります? とか思ってはいけません。

 何か理由があるのでしょう(思考停止


 屋根裏から次から次へと出てくるコモリ。

 まだ倒されていないコモリを同様の作業で倒していきます。


 これ、ヘイト集めるスキルと、範囲攻撃があったら一瞬ですね。

 という、効率脳…… 悪い癖。


 しばらくそうしていると、大体10匹くらいでしょうか。

 それくらい倒した時点で屋根裏から出てくるコモリが居なくなりました。


 終わりかな?

 そう思った時、今までとは違うギーギーと低い声で鳴く声が。


 屋根裏から今までのものより二回りほど大きな体の個体が顔を出します。

 ラッシュのボスって感じですか。

 ところで、思うのですが、どこにあの量とあの体積のものが詰まっていたのでしょうね?

 屋根裏にコモリたちがミチミチに詰まっていたのでしょうか? 意外と悪くない見た目でしたし、結構可愛い? んー、想像すると…… うぇっ

 ダメですね。やめましょう。


 一応、ささっとスキルを使ってみると、大きいコモリはコモリのメスだそうです。

 そしてオスを食べるそうです……

 鬼畜の所業である。


 野生動物では珍しくないことではありますが、なんだかなぁ、ってなりますよね。


 気を取り直して。

 動き自体は小さいのと変わらないみたいです、メスのコモリは兵士さんの方へ体当たりしていきます。

 体が大きい分、体当たりの威力も当然大きい様で、兵士さんでもノックバックするようです。


 さて、私はどう戦えばいいのやら。

 とりあえず、あの体当たりを食らったら普通に死ぬと思うので、背面に回り込みつつ、攻撃の当たり判定のなさそうな所で近寄ります。


 そして、兵士さんにヘイトが向いている内に背面からブスッ、とポンッと出てきたのは3のダメージ。悲しい。


 塵も積もれば山となる精神で、ひたすらに刺し続けます。

 どうやら、ダメージが低い所為かお陰か、こちらにヘイトが向くことはありません。

まぁ、こちらには向かない仕様なのかもしれませんが。


 めった刺しの刑に処し、もう何回刺したかわからないくらいになった時、メスのコモリが断末魔の悲鳴を上げて光の欠片となり消えていきました。

 意外と疲れますね。


 兵士さんが倉庫で何かしらの作業をすると、三軒目に移動することに。


 その後、三軒の倉庫を回り、さっきの戦闘とおなじ戦闘を一軒で行うことになりました。

 

 そして、最後の一軒ということで、たどり着いた倉庫は、街壁に刺さった様な不思議なつくりになった建物になっています。


 今までと同様に兵士さんが作業をしていると、今までとは違う音が。


 これまでは作業が終わって少ししてから、モンスターが出てきていたのですが、兵士さんはまだ作業中でした。

 やっぱり最後は、大ボスでしょうか?


 聞こえてきたのは、ホーホーと正に梟の鳴き声。

 その音を聞いた兵士さんが慌てた様子で倉庫から出てきます。


 今まで使っていた警棒のようなただの棒ではなく、帯びていた剣を抜きました。

 必要な敵が来ますか。


 身構えて待ちます。


 もちろん手にはとりあえず毒液。

 大事。


 月の浮かび始めた暗い空を切り裂くように飛来したのは漆黒色の梟。


 屋根の峰に舞い降りたソレは広げていた翼を閉じると、赤い瞳でこちらを睥睨。身構えて脚に力が入ったのか、倉庫の屋根が ばきゃり と音を立てて拉げます。


 スキル……

 請求

 リペオ


 リペアオイルは減った都度使っていたのですが、今はちょっと少しの減少が生死を分けそうな雰囲気がかなりしているので、惜しまず。


==========

『ルフ・ファナ』

 森に生きるものは、畏れと恐怖を以ってこれを暗闇の使者と呼ぶ。


※※

・・・

・・・

他 三種

※※

==========


 待ってください? 雰囲気がほんとに今までと比にならないのですが、これ、ほんとにこのクエストで出てくるものなのでしょうか?

 なんか、毛色違くありません……?


お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じいただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲

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[一言] 難易度ベリーハードだぜぇ?
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