表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/62

1‐10ここからが本当の始まり

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、意外と烏は人懐っこいのですよ?

だから何というわけではありませんが。


●〇●〇


 道を外れ、森へと足を踏み入れます。


 採取は特定のポイントでできるようになっているようで、入る前の場所にもいくらかあったので、正直、クエストを達成するだけなら森に入る必要もないのでしょうけどね。


 あたりを見回すと、少し離れたところにリスのような何かと壮絶な戦いを繰り広げている方が……


 うさ耳に…… 杵? でしょうかそんな感じの武器? を持った方です。


 特段そのリスが大きいとかそういうわけではないのですが、戦っている方が特大の武器で盛大に外しまくっているので、なんかすごい激戦している感が醸し出されています。


 移動してくる感じはないので大丈夫でしょうが、まぁ、お邪魔しないようにだけ気を付けて自分のことをするとしましょう。


 どっかんどっかん鳴っているのが聞こえない程度に距離をとっていきます。


 そういえば、敵モブはおそらくポップするものだと思いますが、範囲はどうなっているのでしょうね?


 いきなり背後とかで湧かれても困りものですよね。

 と、そんなことを考えていたら早速です。


 木の陰から顔を出してきたのは、角の生えたうさぎさんでした。

 パッと見、可愛くも見えるのですが、角生えてますし、そこそこでっかいですし、目つきが悪いしで減点です。


 とはいえ、アクティブ、敵から積極的に攻撃してくるようなものではないようで、視界に入ってはいると思いますが、襲ってくる様子はありません。


 あ、そうです。


 第一分類記録照会権……

 うん? なんかSP増えてません? ナンデ?

 んー?


 まぁ、いっか。


 角うさぎさんに向かってスキルを使ってみます。


==========

『角うさぎ』

 角うさぎ

==========


 ……は?


 見間違いかと思い、何度か試してみましたが、照会内容に間違いはないようです。


 大雑把にもほどがあるというか。

 あぁ、ギルドで木札に使った時は閲覧不可だったので気づきませんでしたが、そんなものなんでしょうかね。レベルにもよるのかもしれませんけど。

 正直、見れば分かりますよ。って感じですが。


 試しに、角うさぎは放っておいて、近場の採取可能なポイントでアイテムを入手。

 また、スキルを使ってみます。


==========

『ポポタの葉』

 ポポタの葉

==========


 あー…… 把握しました。

 正直、アイテムボックスに入れたらアイテム名わかるんですから、この程度だと実用性はないですよね。

 レベル上げましょう。


 脳内メモ。

 照会スキルは、なるべく使ってレベル上げ。


 よし。


 さて、となると、角うさぎが倒せる敵なのか判断つきませんよね。

 たぶんそこまで強いということは無いと思いますが。


 考えている間にも、周りで湧いたのか、数匹の角うさぎがうろうろし始めていました。

 ノンアクティブでよかったです。

 じゃないと今頃タコ殴りにされてますよ。


 一匹殴ると周りも敵対するとかだと怖いので、放置で。

 色々確認してから、戦ってみましょうね。


 角うさぎはある程度近づいても敵対しないようですが、一定以上近づくとこっちを向くので、多分それ以上近づくとダメでしょうね。


 その距離感を確認、距離を維持しつつ、近場の採取ポイントを漁ります。


 採取ポイントは視線を向けると解る、と言った感じで、逆にそこを見ないと解らないようです。


 今はとりあえず、渋草を主に何でも欲しいので、今採取できそうなポイントを探していきます。

 敵モブだけ注意して。


 今採取できるのは主に草、というか、草だけですね。


 採取ポイント以外でも一応、石とかはアイテムボックスに入れること自体は可能なようでした。

 土は一応、スキルでは森土、と出るのですが、ボックスには入りませんでしたね。

 木は、削ったら木屑になりましたが、こちらも同様、ボックスには入りませんでしたね。


 ぼちぼちと、色々確認しながら、アイテム集めをしていきます。

 ポイントは割とそこら中にあるようで、見つけては採取、見つけては採取と、スキルもつどつどしっかり使いながらやっていきますが、意外と渋草の若葉がありません。


 渋草自体はあるのですが、若葉となると一群生地につき一~二枚といったところで、既に渋草自体は1スタック集まってしまっています。

 ボックス圧迫しますし、流石に何スタックもいらないので、今はもう採っていません。

 四葉のクローバーでも探している気分です。


 現状七枚。

 ポポタの葉、ギシ草、渋草に加え、ポポタ、渋草の若葉と採れるものの種類は少ないので、ある程度ボックスは無事です。


 とはいっても、もう半分近く枠が埋まっている事実。


 因みに、ポポタは花です。ほぼタンポポですね。花の時点で綿毛の時のように真ん丸な形をしていますが。

 これも、結構数が無くて、まだ十本くらいしか集まっていません。


 渋草の若葉を求めてさ迷い歩くことしばし。

 一本たりとも見逃すまいと、目を皿にして探し、見つけては毟り、ボックスにねじ込んでいきます。


 そんなことを繰り返していくと、


~ポーン~


 と、音と共に、達成可能なクエストがあります、とクエストのウィンドウが表示されました。


 これで、一先ずはよしですね。


 帰ってしまってもいいのですが、あとは、ところどころ木の上に生っているものが気になるのと、戦闘ですよね。

 戦闘の感覚は少し試しておきたいものです。


 そうと決まれば、まずは木のぼりです。


 いえ、先ほどからちらちらと木の上に黄色い木の実が見えていたのですよね。

 結構上の方にしか生っていないので、取ろうと思ったら木を登るしか。


 あたりを見回し、適当に登りやすそうな木を見繕い、足を掛けます。


 つるんとした木ではないので、意外と登りやすいです。

 現実でやったら怪我必至でしょうけどね。VRバンザイ。


 とはいえですよ。

 葉のある部分まで登りきったところで少し下を覗いてみると、意外と高い。

 落ちてもダメージを食らうくらいがせいぜいでしょうけど、心理的に怖いですよね。


 這いつくばって枝を伝い、先にある果実に手を伸ばします。

 掴んだはいいものの、当然と言えば当然、引っ張ったくらいじゃ取れません。


 足でしっかりと太い部分を挟み、もう片方の手で短剣を抜き、茎に。


 すっといってくれると良かったのですが、硬いのか、切れ味が悪いのか。

 結構ギコギコしないと切れないようです。


 しばらくそうしていると、苦闘の末ようやく切り落とすことに成功。

 そそくさとボックスに。


 ふぅ。

 肉体的な疲労はないですが、精神的にはあまり回数やりたくない感じです。

 一本に一個しか生ってないので、もう一個欲しければまた登るしかありません。


 ぷりーず みー 高枝切りばさみ。


 落下しないように気を付けつつ、降りようと動いた時。


 その振動の所為だったのか。


 ぽとっ……


 目の前に落ちてきた緑色の物体。


 一瞬、葉っぱかと思いましたが、ころんとした造形にマットな質感、うねうねと身をよじらせるその姿は、まさに芋虫、そのお方でした。


 思考停止した私を誰も咎めまいて。


 眼状紋さんコンニチワ。コンニチワ?


 ひぇっ ……ベシッ! ぽとっ…… ~シャリーン~


 ハッ!? つい。


 反射的に落ちてきた芋虫を枝から叩き落すと、落下のダメージ表記と敵モブを倒した時のエフェクトを残して、散っていきます。

 スマヌ。いきなり出てくるのが悪いのじゃ。


 少しして、今のモブからドロップしたのか入手アイテムのウィンドウが表示されます。


==========

New『生繭糸』

==========


 ほう?

 ほーう?


 とりあえず木から降り、アイテムをスキルで見てみます。

 例の如く、知ってるって感じの情報ですが。


 木の実は、オオナツというらしいです。

 オレンジ色で、匂いは柑橘系?


 食材はあまり使い道がないのでいいとして、生繭糸ですよね。


 糸ですよ。

 布を作るにも、裁縫するにも、糸は必須ですもんね。

 まぁ、マケボとか街でも買えるのでしょうけど、コストは削減したいですよね。


 さっき、芋虫が落ちてきたのを思い出し、近場にある細めの手ごろな木を揺らしてみます。

 一本二本と揺らしても落ちてこなかったので、大きな木にしかいないのかとも思ったのですが、そんなことは無かったようで。

 数本揺らすと、芋虫が一匹ぽとっと。


 小さな木だった所為か、今度は落ちてきても死にませんでした。

 ついでなので、スキルで見てみます。


 と、スキルを発動した時。


~ピロリン~


 普段のクエストとかとは違う音が。

 同時に、ウィンドウが表示されます。


==========

『世界を探求する知識』Lv.0 → Lv.1

 その人形に与えられる知識は誰が与えるものなのだろうか。


スキル▼:A 第一分類記録照会権限

     A 情報請求 - New


INT+3  LUC+3

==========


 アビリティのレベルが上がったようですね。

 こんなに早いのは最初だけでしょうけど、早いですね。


 レベルが上がって、名前が変わりましたね。

 テキストは…… 同じ、かな?


 スキルは情報請求っていうのが増えて、ステータス値はLUCが増えたんですね。


 情報請求のスキル説明によると、『HPを消費』し『照会』したアイテムの情報を請求する、らしいです。


 とりあえず丁度いいですし、芋虫に対して使ってみます。


==========

『ハナマユチョウ』

 ハナマユチョウの幼体

==========


 で、『請求』


==========

『ハナマユチョウの幼体』

 オオナツの花で繭を作る蝶の一種。


※※

生繭糸

・・・

・・・

※※

==========


 おぉっ

 結構いい感じになりましたね。

 わかりやすい。


 HP消費は、12ですね。

 結構重い……


 ふむ?

 生繭糸の所が伏字になっているのは、まだドロップしたことないものってことでいいんでしょうかね?

 へー、ほー、ふーん。


 ~ザック、ザック、シャリーン~

 ~ザック、ザック、シャリーン~

 ……慈悲はない



~自主規制~



 芋虫狩りを続けてしばらく。


 どうやらハナマユチョウのドロップは『生繭糸』『ぬめる酸液』『繭糸』の三種類のようです。


 あと、倒していたものの中には、十匹に一匹位ハナマユチョウモドキが居ました。

 手に入ったものは『毒液』と『繭液』


 繭糸と繭液は、レアドロップ枠なのか、全然出ませんでした。

 繭糸は他が1スタック32個の時点で12個。繭液にいたっては3個しかありません。


 でも何となく満足。

 そして都度都度スキルを使っていたので、瀕死です。

 石ころ当たっても死にます。


 今の体力だとリペアオイル一本で全快するのでぎりぎりまで粘っちゃいました。


 アイテムボックスを開き、チュートリアルの時に貰ったリペアオイルを使います。

 これで安心安全。


 で、流石に街に帰りましょう。

 今度探索するときはしっかりリペアオイル買い込んでこないとですね。


 スキルにHPを消費するというのが想定外だったのもありますけど。


 もういよいよをもってぎりぎりのボックスを整理していると、唐突に、ウィンドウが落ちてしまいました。


 何事かと思った次の瞬間。


 後ろからの衝撃。


 ぐはぁっ、背骨がぁ!

 ってそんなではないのですが、体力を確認すると、およそ半分程度のHPが吹き飛んでいました。


 ここら辺はノンアクティブでは……?

 慌てて攻撃してきた主を確認。


 オオカミ。

 イヌ、と言った方が近いかもしれませんが、オオカミです。

 だってスキルで森狼って出てるので。


 幸いにして、一匹だけのようですが、HP半分でいけるでしょうか?

 いやー、逝けそうですね。


 これ、死ぬ?

 油断しました。


 距離を保って引いて、逃げられるか試しつつ、動きの癖の把握でしょうかね。

 死んでも序盤ですし、多分被害は少ないと思いたいですが、なんか嫌ですよね。


 しばらくじりじりとオオカミとにらめっこをしながら移動していると、何となく一定の癖を見つけました。


 一定以上離れると、走ってきて飛び掛かってくる時があるんですよね。

 それ以外は、距離を保っているとほとんどにらめっこなんですよ。

 で、石沢山持っているので投げてみたりしたんですけど、まぁ、1とか2とかな訳です。


 でも、思ったんです。

 あたりはするんですよ。


 じゃあ、毒液があるじゃない?

 そんなわけで、毒液作戦実行です。


 普通に攻撃? ムリムリ、かすっただけで死んじゃいそうですし。


 距離をとりつつ毒液を投げていきます。

 オオカミはよける行動をとることもなく、投げた毒液がそのまま当たっていきます。

 七本目で、オオカミの息が紫色に。


 継続的に3ほどのダメージ表記がぽろぽろとこぼれでるように、オオカミの身体から出始めました。


 後はもう耐久です。

 意外と早く毒ったので、もし足りなくてももう一度くらいは毒にできるとは思います。耐性が出来ていなければの話ですけどね。


 逃げまわってしばらく。

 ダメージ表記が出なくなり、オオカミの動きが急に止まります。


 ~シャリーン~


 モブを倒した時の音を上げながら、オオカミは光の欠片となって消えていきました。


 すぐにドロップ品の表示が。


==========

New『森狼の毛皮』

==========


 期せずして戦闘をしてしまったわけですが、なんか違うんですよね。


 それはそれとして、早く帰りましょう、すぐに帰りましょう、わき目もふらず帰りましょう。

 死んでしまいます。


 周りに警戒しながら進み、ようやく街門まで戻ってきた頃には、かなり日が傾き始めていました。


 跳ね橋を渡り、門をくぐると、ようやく落ち着けた気がします。

 

 とりあえずクエストの、リーティさんの所に依頼達成報告がてら、リペアオイル…… 売ってるかな?

 売ってなかったら、どこでしたっけ? 施設? まぁ、ギルドで聞けばわかりますよね、きっと。


 心もとない半分体力で『隠居薬師の小店』へと、歩みを進めます。

お読みいただきありがとうございます。


次回からは二章です。


もしどこかで面白いと感じいただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ