表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/100

ローレライ

今日、複数アップします。


 ヴェガ騎士軍に声をかけられたカップル。


 その2人のうち、女性の名前はローレライという。


 ローレライは、自分の作戦が上手くいった事に、内心喜んでいた。


 狙っていたのは、ヴェガ騎士軍のみ。


 理由は、女性兵が多いため、軍内の規律の乱れが少ないという噂と、死ぬ兵が少ないという噂。

 この2点は、ローレライにとって重要であった。


 この街に流れてきてから、各騎士軍の噂は聞くし、しっかり調査もした。


 強いという噂の、アース騎士軍やバウ騎士軍は、確かに強いようだが、その戦い方は力推し一本。


 コレは、負傷したアース騎士軍の兵に聞いたから、間違いない。


 ジュンス騎士軍は、慎重に戦うらしいと噂だったが、聞いた話だと、慎重というより弱腰な感じらしい。


 ローレライが求めるものは、無茶な戦はしないが、確実に金を稼げる騎士軍。


 それと自分が手柄を立てる事。


 ヴェガ騎士軍がスカウトする条件とは、その多くが男女のカップル。言い換えると、ヴェガ騎士の娘に手を出さない人物である。もちろん女の兵でも良い訳だが、傾向として男女カップルがスカウトされる事が多いと、噂を聞いていたのだ。


 ローレライは、何度か募集を見に来ていて、自分の年齢に近くて、女性を襲わなさそうな男を探していた。

 そうしてようやく、多少品のありそうな男を見つけ、事情を話してヴェガ騎士軍に入ろうともちかけた。


 ローレライは、自分の事をよく分かっている。


 武の力はそこそこ強いし、容姿については、特に自信があった。


 細く長い脚に豊かながらも引き締まったヒップ。くびれたウエストに、金色の長い髪からピョコンと突き出た耳。


 特に主張する、2つのメロンとも形容したくなる胸は、ヒョウの獣人としてはかなり珍しいので、自慢である。

 

 男性に誘われる事も多く、そのほとんどがいやらしい目で自分を、特に胸を見てくる。

 外見しか見ない男に、反吐が出そうになる。


 声をかけた男は、自分の眼を見て話してくれた。

 胸はチラッと見たがそれくらいは、許容範囲だろう。


 そんなこんなで、男ばかりの騎士軍には入りたく無かったし、自身の手で確固たる地位を築きたいと思っていた。


 なぜなら手柄を立てれば、女性でも騎士になれるチャンスが、この国にはあるからだ。


 この国には、女性が当主の貴族の家がある。


 そしてそれは、この地の領主であるロローシュ伯爵も、その一人である。


 ロローシュ伯爵家は、代々女性が当主を務める家系である。


 このレイリス国は、大陸では珍しい国であり、男が当主を引き継ぐという決まりがない。


 初代レイリス王は、


「色々な家の家風があり、色々な意見があってこそ、良い国となるはず。女性が家長となる事もあるだろう。私はそれを尊重する」

 と、建国の演説で述べた。


 その言葉は、代々レイリス王家の家長、王によって守られており、この国の女性達が戦に参戦する事が多いのも、この言葉あっての事だ。


 2公、3侯、5伯。


 これは、この国の上級貴族の数であるが、そのうち、1公と、2伯の当主は、代々女性である。子爵や男爵になるともっと増えるし、騎士爵ならば、さらに増える。


 歴史の浅いレイリス国ではあるが、初代国王の弟と妹の家系が、公爵家として王家を支え、建国の時に功のあった家が、侯爵、伯爵に任じられ今に至る。


 子爵、男爵は、それらの家を支える家として、上級貴族の領地の運営などを、委託されるというシステムになっている。


 そして騎士爵は、領地の防衛を担う。


 勿論、各貴族家に兵はいるし、国軍も存在する。


 貴族の領兵は、基本的に領地の治安維持を、国軍は王都の治安維持と、貴族達を取り締まる仕事と、騎士軍と共に国境の防衛をしているのだ。


 いざ戦争になると、国境の国軍や騎士軍の兵だけでは足りなくなるときもある。


 領軍は基本的治安維持が仕事だが、応援に派遣されれば、国軍と領軍、騎士軍の共同軍として、他国と戦闘をし国を護ることになる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ