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白蛇病恋譚~拾った妖怪に惚れて人間やめた話  作者: 二本角
第二章 永遠にあなたと在るために
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前日譚 高校生編3

明日も穴埋め予定!!

 月宮家の裏庭。そこはだだっ広い草原だ。一見すると何もない場所なのだが、ここには様々な結界が張られており、結界の内部はどんな損害があっても一晩で修復される実に都合のいい闘技場である。

 そして、「雫匂いチェック」が朝の日課ならば、この夕暮れに行われる日課は「生き残るための模擬戦」である。まあ、最近は生き残るというよりも「滅ぼす」とか「殺しきる」とかそんな感じの目的になりつつあるが。


「瀑布!!!」


 そんな可憐な声で唱えられた術名とともに雫が手に持ったおもちゃのような外見の水鉄砲から放たれたのは、台風が襲い掛かった際の川のような濁流だ。

 名前は世界にその存在を刻む証。術の名を唱えることは初歩的な術の強化方法だ。妖怪の類は特定の属性しか使えない代わりに術を発動するために詠唱を必要としないものが多いが、唱えることで精度は上がる。

 そうして唱えられた術によって、大人の背丈を超えるほどの高さの波が黒い外套に身を包んだ久路人に迫りくる。


「ふっ」


 しかし、久路人は動じない。

 瞬時に靴の底に何重にも巻かれたバネを形成すると、水が届く前に跳びあがり、そこを狙って放たれた氷柱を外套が伸びて叩き落とした。さらに、お返しとばかりに外套の一部が剥がれたかと思えば、空中で腕ほどの太さの鏃に変わって雫に向かって飛んでいく。その表面は赤く輝いており、とてつもない高熱を持っていることが見て取れた。


「それは嫌かなっ!!」


 氷の盾を用意してはいたものの、溶かされる危険性を考えたのか、雫は弾くのを諦め回避を選択。バックステップで後退し、鏃が突き刺さった場所を囲うように氷柱を生やそうとするが、自身の周りに黒い霧のように砂鉄が漂っているのを見て、標的を変更。直後、鏃に付いていたワイヤーを縮めて久路人が着地すると同時に、雫の周りにあった黒鉄は氷漬けになっていた。


「たぁっ」

「鉄砲水っ!!」

「!!」


 距離を詰めるべく、十手から直刀に武器を変形させて、バネを踏みしめて急加速する久路人と、彼に向って水ピストルを構える雫。一瞬の後、銃口から消防車のホースもかくやという勢いで高圧水流が放たれたが、久路人は驚異的な反射神経でこれを回避・・・・・


「えいっ!!」

「!?」


 間髪入れずに放たれたのは、精度を気にする必要もないくらい至近距離から迫る巨大な氷柱だった。その射線は久路人の服どころか心臓を貫くコースだが、久路人の纏う外套を突破するにはこれでもギリギリだろう。

 だが、久路人とて馬鹿正直にそんな攻撃を受けるつもりはない。


「はぁっ!!」


 久路人は走りながら突きの構えを取り、そのまま氷柱に突っ込むと、氷柱は刃先が当たった個所からバターのように裂けていった。それは、雷起による身体強化や単純な技量ではなく、特殊な術の一種によるものだ。


 術技「迅雷」

 神楽の如く、特殊な構えによる動作を詠唱の代わりとして発動する術を「術技」と呼ぶ。術として発動させるには技量が必要だが、使えるのであれば詠唱するよりも素早く撃つことができる。

 これによって、久路人は攻撃しながら足を止めずに移動したのである。ただし、走るコースが若干ズレたために、雫の懐に入ることは叶わず、その間に雫は地面を凍らせた上で滑り、久路人から距離を取っていた。そうして、二人は距離を開けたまま向かい合う。


「中々近寄らせてくれないね」

「普段だったら大歓迎なんだけどね~。この武器で久路人とクロスレンジで戦うのは嫌かな」


 ここ数年で、二人の実力は大きく成長し、中学の頃とは模擬戦でとるバトルスタイルも変わっていた。

 久路人はその反射神経と技量がもっとも発揮される接近戦を。

 雫は元の蛇のように豊富な霊力を使った広範囲攻撃だが、かつては比べ物にならないくらい精密な遠距離攻撃をメインに扱うようになった。もっとも、自分の得意なことを突き詰めるのは大事だが、穴を作るようなことはよくないのは二人とも分かっていた。


「なら・・・・」

「次はこれだね!!」


 久路人の持つ直刀がサァっと砂になって霧散したかと思えば、次の瞬間にはピンと弦が張られた弓に変わり、雫の持つ水鉄砲はグニャリと溶けて、薙刀に変わった。


「やああああ!!!」

「ふぅっ!!」


 そこから始まるのは、先ほどの逆。

 遠距離から黒鉄の矢を放つ久路人と、彼に追いすがる雫。

 二人の訓練は灯篭の灯りが消え、闇が訪れるまで続くのだった。


-----------


 久路人は本当に強くなった。


「はふぅ・・・」


 久路人が入った後の湯船につかりながら、雫はそう思う。


 雫が入浴中に平静をたもてるようになったのは、一年ほど前のことだ。雫の内心で思うように久路人は成長しているが、雫も胸を除けば実力も精神面も成長している。中学までの間は、「ハァハァ、このお湯全部から久路人のエキスを感じる、まるでお風呂の中で久路人とセッ・・・・!!!」となまじ水に対して親和性が高いために入浴中に心を落ち着けるなど不可能であった。しかし、常軌を逸する忍耐と「久路人のエキスに浸かるせいで入浴中に冷静でいられないなら、風呂に入る前にもっと強い刺激で限界までエキスを摂取すればいいのでは?」という天才的な発想によって、脱衣所にある久路人の汗がしみ込んだ服の匂いを吸入することで克服したのだ。

 ともかく、今の雫はある種の賢者タイムであり、冷静に先ほどの模擬戦を振り返ることができていた。


今の久路人は強い。瞬間的な強さならば、自分を上回るほどに。


大妖怪たる自分が模擬戦の一時の間といえど、逃げの一手をとらされたのだ。もはやそこらの中規模の穴から出てこれるような妖怪では相手にもならないだろう。一時期は「護衛など、いや、私などいらないのではないか?」と目の前が真っ暗になるほどの不安を感じ、模擬戦をサボってしまうこともあった。


久路人が強くなったのは、雫のような様々な部分が成長したからだ。霊力は勿論、その扱い方に、武術の冴え。そして、肉体的な成長だ。


「久路人、大きくなったな・・・」


 雫が出会ったころの久路人はまだ小さな子供だった。

 中学生の頃までは、雫と背丈も大して変わらなかった。だが、今の久路人は体格が大きくなって、雫よりも頭ひとつ分くらい背が伸びた。まあ、それは久路人が平均より少し背が高いのとは逆に、雫が平均よりもやや小柄なのもあるが。

 ともかく、今の久路人は肉体が全盛期に至る一歩手前にいると言っていいだろう。そう、ほんの数年。妖怪にとっては瞬きの間にすら感じるほどのわずかな間にそこまで育ったのだ。それは、久路人が特異な力を持っていても、人間だからだ。


「久路人、今日も怪我してた・・・」


 最近は、とみに久路人が人間なのだなと感じることが多い。短い間に体が育ったこともあるが、訓練に今までに増して熱が入っている最中に、肩で息をしているとき。強化を解いた時に脱力している時を見たとき。なにより、久路人が溢れ出る霊力を抑えきれずに血管が切れて怪我をしているときだ。自分は蛇という極めて生命力の強い動物が元になった妖怪のため、ちょっとやそっとの傷ならばあっという間に治ってしまうが、久路人はそうでもない。京が用意した術具を使えばすぐに治療はできるが、逆に言えば自力で傷を治すこともできない。少し力が荒ぶっただけで、少し転んだだけで傷ついてしまうような脆い生き物なのだということをまざまざと見せつけられる。

結果的に、そのことが雫に護衛の必要性を改めて示したのだが。


「やっぱり、私が傍にいて守ってあげないと!」


 ふんす、と雫は鼻息も荒く改めて決意すると、久路人の浸かった残り湯を心いくまで堪能したのだった。


-----------


 雫にはある悪癖がある


「ふんふ~ん、い~い湯だな、ババン!」


 鼻唄を歌いながら何の心配もないようにしているが、その悪い癖は今も現在進行形で影を落としていた。


「旅行先の温泉は混浴かなぁ?そうだったら、他の女がいなくなるまで久路人には待ってもらわないと」


 努めて明るい未来を楽しみにするように、雫は笑う。その脳裏によぎった記憶を忘れるように。


 それこそが、雫の悪癖だ。

 雫は、心の中に沸いた大きな不安から目を背けてしまうことがある。先日の久路人に拒絶されるかもしれない恐怖を、見ないフリをして目先の享楽に逃げたのもそうだ。


「さ、さすがに混浴だからって一緒に入ろうとするのは、はしたないかな?でもそろそろ・・・」


 先ほども、怪我のことが衝撃的でそちらの方が印象に残っていたのも大きいが、雫が感じたのはそれだけではない。雫は最期まで気がつかないフリを、忘れたフリをした。


「よし、ちょっと名残惜しいけど、そろそろご飯の支度しないといけないし、上がろっと」


 久路人の守護をしてほしいと京に頼まれ、契約したときのことを。そのときに自分が思ったことを。

 結局、雫がそれを思い返すことはなかった。



 修学旅行に行く3日前のことであった。


-----------


「なんか退屈だな~。これ、私が飛んでいく方が早くない?信号無視できるし」

「そりゃそうだろうけど・・・・なんなら、先に向かっててもいいよ?地図だって・・・」

「却下!!」


 修学旅行に向かうバスの中。雫が僕のすぐ隣にフヨフヨと浮きながらしゃべる中、僕は携帯をいじるフリをして返事をメール画面で打っていた。

 雫が退屈しているのは、運悪く、僕らのバスは渋滞に捕まってしまったからだ。実を言うと、僕も雫もあの街を離れたことはほとんどなかったりするので、僕らにとってあまり見慣れない渋滞やら高架橋やらに最初の内は感心すらしていたのだが、すぐに飽きてしまっており、暇を持て余していた。思えば、都会の光景なんぞニュースだの映画などで見るものと大差あるわけもなく、改めて見てどうというものでもない。

 不幸中の幸いは、バスに乗る際に生徒間で勝手に席替えが行われ、僕と同じ班のメンバーが、僕の隣に座っていた男子も含め、自分が話したい奴の隣に移動したことだろう。見れば、バスの座席間に収納されている非常用の座席を引っ張り出しているのもいる。先生も修学旅行で浮かれるのは仕方ないと考えているのか、これくらいなら目こぼししてやろうと言わんばかりにスルーしている。そのおかげで僕の隣は空席になっており、そこに雫が収まることができていた。


「池目君や伴侍君とは班分かれちゃったなぁ・・・・」

「別にいいじゃん!!あの二人は悪い奴じゃないけど、一緒の班だとうるさいのが寄って来るし!!」

「まあ、それはそうだけどさ・・・」


 池目君と伴侍君はクラスでも外見・内面ともにイケメンであり、人気がある。僕は中学の一件で縁ができてそこそこ仲がいい方で、おかげで高校では平和に過ごせている。ただ、そんな彼らは非常にモテる。そのおかげで、いや、せいでというべきか、女子たちが近づいて来ることが多いのだ。僕も一時期は女子に群がられたことがあるが、彼らの場合は完全にプラスとマイナスが逆である。その影響で「池目君に好きな人がいるか聞いてくれない?」とか「伴侍君の好み教えて」などと聞かれることも何度かあった。そのたびに雫が不機嫌そうな顔をしていたが、僕としても正直そういうのは勘弁してほしい。

 そういう意味では彼らと班が分かれたのは悪い話ではない。高校に入ってからは怪異の襲撃も増えたが、僕らも強くなり、特に僕は黒鉄を散布することでかなりの範囲を探知できるようになったため、妖怪が出現→僕が発見→雫が氷柱で即死させる→すぐに溶かすというコンボが組めるようになったことで騒ぎになることはめっきり減った。元からあまり他の人と深く関わらないようにしていることもあるだろうが。そのおかげで僕にまつわる悪評も立たず、今回同じ班になったクラスメイトとも仲は悪くない。


「というか、飛んでいくって、蛇の姿でしょ?最近はあんまりならないじゃない」

「えっ?そりゃあ、まあ・・・・人間の姿の方が色々都合がいいし」


 雫は蛇の姿になると飛ぶことができる。今も浮遊しているが、飛ぶのはなぜか人の姿よりも蛇の姿の方がうまくいくし長時間続けられるのだとか。泳ぐのも蛇の姿の方が得意だし、空を飛ぶのも同じような要領でやっているのだろう。ただ、僕は中学の時から雫が自分から蛇の姿に戻っているのをほとんど見たことがない。


「だって、蛇の姿だとゲームもトレーニングもお喋りもできないし・・・」

「でも、僕が頼んでもあまり変わってくれないよね」

「・・・・なんか、複雑な気分になるんだもん」


 雫はどこか不満気にそう言った。

 おじさんに聞いたところ、人化の術は一度できるようになると常時かけておくことができるらしいが、別に元の姿に戻れないというわけでもなく、さらに言うなら蛇の姿に戻った後にもう一度人の姿になるのも簡単にできる。僕は小学校のころから蛇やトカゲといった爬虫類やイモリに蛙のような両生類も好きなので、たまにあのスベスベした肌に触れたくなって「ちょっと蛇の姿に戻ってもらっていい?」と頼んだことが何度かある。一回や二回頼むくらいだと「え~・・・」という反応が帰ってきて戻ってくれないのだが、しつこく頭を下げると渋々、本当に渋々といった風に蛇の姿になってくれる。ストレスがたまるとモフモフした生き物を触りたがる人が多いらしいが、僕の場合は爬虫類だ。前に雫が頼んでも元に戻ってくれなかったので庭にいた蛇を捕まえて観察しようとしたところ、凄まじい冷気を放出してあっという間に冬眠させた後に「どうした?蛇に触りたいのであろう?ほれ、好きにすればよいではないか」と拗ねたように大蛇になったこともある。人の姿がちらつくので首に巻いたり服の下に巻き付かせたりはさすがにやらないが、頭を撫でまわしてスッキリしたところで人の姿に戻った時には、「違う。嬉しくないわけじゃないけど、違う、これじゃない」とかなんとかブツブツ言っていた。


「前から気になってたんだけどさ、久路人は私が人の姿と蛇の姿だったら、どっちの方がいいの?」

「えっ?」

 

 不意に、雫がそんなことを聞いてきた。なんとなく目がジト目だ。


「そりゃあ・・・「言っておくけど、両方はナシね」ええ・・・」


 しかも釘を刺された。雫の方を見ると、紅い瞳は不機嫌そうに、しかし真剣にこちらを見ていた。

 これは、おふざけや冗談を言ったらバスの中で誤魔化しが効かないような怒り方をしそうだ。

 僕はまじめに考えて、普段の日常を振り返ると・・・・


「まあ、人の姿かな」

「本当!?なんで!?」


 僕がそう言うと、それまでの様子が嘘のように目を輝かせて身を乗り出してきた。


「えっと、まあ、今こうやってメールで書いてるから特にそうなんだけど、喋れた方がやりやすいし」

「ふんふん、他には?」

「訓練とか、料理とか、ゲームとかは人の姿じゃないとできないし」

「ほうほう、で?」

「えっと、う~ん、今思いつくのはそれくらいかな・・・・」

「・・・・・・」


 やや急かされるようにメールを打つと、雫は複雑そうな顔でこちらを見ていたが・・・・


「まあ、今はまだこれでいいか。蛇に興奮する特殊性癖じゃないってわかっただけでも」


 小声で何事かを呟いたが、隣をちょうどトラックが通り過ぎてよく聞こえなかった。


「雫、今なんて・・・?」

「なんでもないよ」


 僕が聞き返しても、雫は答えてくれなかった。しかし、人の姿と蛇の姿か・・・・


「あ、そうだ!!」

「わ!?どうしたの?」


 僕が急に声を上げると、雫は驚いたようにこちらを見る。だが、僕には今までの会話で名案が浮かんだのだ。朝の日課を円滑に行う妙案である。


「いや、朝の日課なんだけどさ、人の姿じゃなくて蛇の姿なら早く・・・「却下!!!」」

「え~・・・・」


 ものすごい勢いで断られた。


「え~、じゃない!!久路人は私が人の姿の方がいいんでしょ!?私の体臭、人の姿の時の方が濃そうじゃん!!」

「・・・・自分で言っててどうなの、それ?」

「~~~!!!知らない、バカっ!!」


 雫は自分が何を言ったのか遅れて理解したのか、顔を真っ赤に染めてそっぽを向いてしまうのだった。


-----------


 その後、「これからは朝だけではなく、訓練後の風呂上りにも匂いチェックする」という条件を僕が飲むと雫は機嫌を直した。ただ、完全には直っていなかったようで、モンスターをハントするゲームをマルチプレイしていると普段は使わない大剣で薙ぎ払いを連発したり、爆弾の詰まった大きなタルを僕の傍に置いた後に爆発させて心中を図ってきたが。さらにその後、「旅行から帰ってきたらメアさん直伝のサイコロステーキを僕が3日間作る」という譲歩を僕から出したらバスに乗る前よりも機嫌がよくなったのだった。


 ただ、僕としては実は日課がこれまで通り行われることに、というか追加まで増えたことに内心思うところがあった。


(なんというか、中学の前、蛇の姿の時には気にもしてなかった癖に。現金というか、軽いよなぁ、僕も)


 「雫が人の姿で日課を続けるということについて、どこかホッとしている自分がいる」などと、もちろん雫には言えなかったが。



-----------



 そうして、久路人たちの乗るバスは目的地に到着した。久路人たちのバスには何の問題もなかったものの、田戸、近野、二浦、林村が乗っていたバスでは異臭騒ぎが起きたらしいが、些細なことだろう。


 修学旅行の目的地は、自然豊かな山の中で、観光客が訪れることもよくある場所だが、のどかで平和な場所だ。野生動物も多く生息していて、数年前には熊がでたこともあったようだが、近ごろは大人しいらしい。

 最近にあった大きな事件といえば、やはり数年前に、地元の高校生3人が数日行方不明になった後、隣町でバイクに3人乗りをして事故死したくらいだろう。大きな事故と言えば大きな事故だが、元よりその3人は夜な夜などこかに出かけて「幽霊が出た」などと騒ぎを起こすような素行不良の生徒だったようで、事故の現場にも特に不審な様子はなかったため、今ではもう忘れ去られている。


 そんな、日本のどこにでもあるような、ありふれた観光地。

 これより始まる、祝福された少年と蛇の少女の物語の、第二部の舞台。


 「自分の大事なモノが、永遠に自分のモノである保証はない」


 蛇の少女は、それを深く思い知ることになる。


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