父親に会えました
それにしても父親は来ないのだろうか?
兄2人の顔を見る限り、父親もイケメンなのだろう。
バンッ
「リーンー!お父さんが会いに来たぞー!」
またか、静かにドアも開けれないのか。しかし、タイミング良すぎるだろう。
「あら、あなた、お仕事終わったの?」
やはり、今来た人が私の父親なのだろう。
「フローラ!ここに居たのか!身体は良いのか?」
急いだような足音が聞こえる。濃い青色の瞳、長い赤髪を緩く結い肩に垂らしたこれまたイケメンが立っていた。
「えぇ、大丈夫よ。もう、みんな心配し過ぎよ〜」
「それならいいんだが、...心配したぞ」
そういったお父さんは優しく微笑んでお母さんの頬に触れた。触れられたお母さんも微笑んだ。
…仲が良いな。ラブラブだ。
「それよりリーンに会いに来たんでしょ?」
お母さんが頬にあった手に触れて下に下ろして言った。
「ああ。今日は朝から仕事に追われて、リーンに会えなかったからな。ああ、仕事は終わらせてきたから心配するな」
そう言ったお父さんは私の頭を撫でた。
大きな手で包み込むように撫でてくれた、とても優しく暖かかった。
しかし、服装も気になる。
ミルクをくれたメイド?さんの彼女はシンプルな黒色の長めのワンピースに首元と袖に少しフリルが付いて、私のイメージのメイド服とは系統が違った。
お母さんは白のワンピースで所々に細かい刺繍が施されているがラフで動きやすそうで、お父さんは黒を貴重とした軍服のようなものに金の金具や刺繍が細やかにされていて、兄たちが着ているラフなワイシャツとは違っていた。
どこかに行っていたのだろうか?お仕事だと言っていたし、戻って来たのかもしれない。
しかし、時間帯からしてお昼過ぎのような気がする。そんな早く終わる仕事なんだろうか?
まあ、いつか知ることが出来るだろう。
話が脱線したが、服装、髪色、瞳の色も私が居た世界では見かけない。まあ、私が知らないだけでこういう服装もある可能性が無くはない。しかし、現状何も分からないことばかりで、ここが日本だということはほぼ無いだろう。
何か分かるものがあればいいんだけど、話すことも出来ないし、前途多難だ。
「しかし、リーンは可愛いな〜。フローラに似てとても可愛い。あまり起きている時に会えなかったからな。寝顔も可愛いが起きているとまた可愛さが増すな」
あ、多分親バカの人だ(失礼)。
おうおう、娘や息子の前でよく出来るな...。
.....、ちょっとまて、あれ?そういえば私は女なのか?それとも男なのか?ずっと気づかなかったが、転生したってことは性別が変わっていてもおかしくない筈だ。
でも、下半身に変わった感覚はない。...女であることを願おう。
ふぁ〜、もう、眠たくなってきた。
赤ん坊は寝るのが仕事だからね。あー、なんて幸せなんだろう。寝たい時に寝れる。最高だわ。
...でも、動けないと退屈だな、
そのまま私の意識は沈んでいった。