通常保健室には、どんな先生が必要だと思いますか?
これはビックリ。
今日はサッカーの試合授業で、補欠と違くて、レギュラー入り。
身長139cmでレギュラーです。
結局授業でだが現実スポーツで。
通常運転の仮想現実スポーツeスポーツでなくて。
ポジション、キーパー。
見方赤組、敵白組。
両チーム、攻撃力と守備力がほぼ一緒。
グランド中央部でボールが動かねぇ。
吹きっさらしのゴール付近。
すんげー、さみぃんだが。
いつも体育は男子24人なんだが2人欠席。
んで向こうのキーパーアッくん。
ワンツーフィニッシュコンビはこんな扱いも通常運転。
サッカー部キーパーのやつ以外は誰がやってもキーパーザルだからな、キーパー。
ぼっとしてたらなんだか、こっち来るんだが、ボール。
おいおい、この速さ逃げるれか?
シュートしやがった!
なんでか、サッカーボールの縫い目が見えた!?
見えた!
手を伸ばせばとめられる!?
バシュ!!
なんか、おでこや目のへんが熱いのだが……ブラックアウト。
気がつけば黒い場所。
目の前にトイレの鏡のあの可愛い女の子。
うちの学校のジャージ着てっけど。
『……今生の私よ、やっと、話せるな』
うわぁ、スッゲー可愛い声だ。
脳ミソ蕩けそうなアマアマボイス。
でも、少し見下されてるような感じなんだが。
『私の名は、……そう、メファシェハ。魔法術を司るカヴン……家のものだ……った。
今生の私よ、汝に特別にメファシェハ・カヴンの名において、レスペクトゥスと呼ぶ事をゆるそうぞ。』
リスペクト?
おお、笑った可愛い。
『今生の私よ。汝に伝えねばならぬ事がある。
私に、暗き魂を持つもの、私に、悪しきちからを持つもの、今生に現れり。今生の私よ。汝が、私の名を喚べし時、基なるガヴンの霊脈のちからにおいて、私は汝のレスペクトゥスとならん。今生の私よ。汝の血肉に連なりし者、汝を救であろう。汝に魂近しき者等、汝を導くであろう。汝の魂揺らす者、汝の助けと……ならん……』
女の子が両腕を広げる。
フィギュアみてぇでキレー。
服装学校のジャージだけっどな。
で、光ですか、閃光ですか!?
まぶしいんだが……で……ホワイトアウト。
目を開けるとやはり。
白い視界。
あっ?なんだっけか?
気がつけば白い天井、照明器具。
心配そうに見下ろすクラス担任ででっかい体育教師の先生……おっさん……老け顔……高身長……細マッチョ……20代……新卒2年目……担任。
あ、僕はひっくり返ったんだ、ボールぶつかって。
「10分くらい倒れていたが、平気か?」
「寝たらスッキリしました」
「今日は早退するか?」
「平気です。授業出ます」
「送ろう」
「いえ、姉と一緒に歩いて帰りますんで」
ベッドの上で起き上がって、僕は肝心な事を聞いた。
「保健のマキちゃん先生は?」
今年度から勤務の千田真利校医は学校の中のアイドルなのだ……マドンナだったっけ。
「あぁ、今日は研修で居ないぞ」
いないんかい!