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幕間1 復讐者

何かあったのだろうか?

用事を終え、外見が何から何まで真っ黒で悪趣味極まりない城から出た俺は歓声で騒がしい騎士団大門前通りに戻ってきた。帽子を違和感を持たれない程度に深く被り顔を周りから見られないようにするが…

「おいそこのお前、止まれ」

自分に話しかけていないと信じたかったが、どう考えても声はこちらに向いているし視線も感じる。

誰とも関わり合いにならないよう動いていたはずだがどうやら上手くいかなかったようだ。

軽く息を呑み体に必要のない力が入ってしまう。声が聞こえた方に体を向けるとそこには全身鎧を身に纏いガシャンガシャンと石造りの大地と金属をぶつける不快音を奏でながら近づいてくる頭だけ出したトカゲの魔族がいた。緑色の鱗と金属の鎧が太陽光を反射し、隠していた俺の顔を照らす。顔を思わず顰め不快げに口を開いてしまった。

「…なんすか」

「お前、今魔王城から出てきたな?今はオベディエンスが過激な動きをしていて警戒を強化しているのでな…少し話を聞かせて貰いたいのだがよろしいかな?」

チッと舌打ちをしかけたがなんとか抑える。これも全て計画のためだ。だが時間を無駄に浪費する程余裕があるわけでもない。

「すんません。俺配達屋のもので…デュランさんから配達を頼まれてんっすよ。なんで余り時間が…」

後ろに背負っている大きめのカバンに視線を送ると騎士は納得したのか鋭く突き刺さるような視線が消えていく。

「そうなのか、時間を取らせてすまなかったな」

「いえ…ところでなんっすかこの騒ぎ?」

流石にここまで騒がしいと気になってしまい俺がそう聞くと頭をポリポリと掻きながら罰が悪そうに答えてくれた。

「ここで私達の所(魔族騎士団)の者が大道芸をしたみたいでな…それが受けるに受けてしまってアンコール騒ぎにまで発展したのだ。まぁ途中から消えただの飛んだだの訳がわからなくなってしまったのでもうじき冷めると思うがな」

なんじゃそりゃ、と思ったが口には出さない。魔族の中には姿を消す者や魔法を利用して超スピードで走る者だっているので珍しいという訳でもないからだ。

だが俺が口にしなくてもこのトカゲ良く喋る。おそらくずっと大門警備の為、碌に動けず暇だったのだろう。周りにバディと呼べる相手もいなさそうだし話相手にかなり飢えていたようだ。

「それにあの大道芸してた赤い髪の女がえらく美人でなぁ。いったいなんの魔族なんだろうな?」

「あー、その…時間が…」

流石に時間に不安を感じる頃になったので話を切る。周りの騒ぎも収まりだしここにいる者全員がいつも通りの動きを再開する。だが所々で大道芸の話が聞こえる。そんなに凄かったのか?

「おっとすまないな、つい話込んでしまったようだ。配達頑張れよ」

「ああ、おたくも頑張れよ」

頑張るも何もただ門の前で立ってるだけだがな、という自虐気味な愚痴を聞き流しながら肩に力を込め自慢の翼を広げ空へと飛翔して魔王城を後にしていく。


計画通りに事は進行している。もう少しで復讐は成功する。ようやく、ようやくだ。


「あともう少しだから待ってろよ、フィオナ」

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