79 魚座に行く
調べたところ、魚座で刺し身が食えるらしい。
ウミなら旨い店知ってそうだな。
失敗した。
聞いておけば良かった。
まあいいや。
ひとっ飛び行きましょう。
初めての島。
◆
~【アルレシャ】 エリア:ピスケス~
『はぐれない様に』そう願い込め作られた御守が有名
現在唯一南への航路が残る港町
夜の街に降り立つ。
石造りの建物と小路が入り組む、そんな町。
そして、猫が多い。
モフモフ好きにはたまらないだろうな。
捕まえようとして近寄るが逃げられる。
そんなことをしながら町の中をふらついていると、やや人が多い屋台。
……寿司だ!
米!
そして、何の魚だろう?
いや、まあ良い。謎肉でも。
◆
うん。
美味いんだが、何の肉か分からないというのは怖いですね。
さ、宿を取ってログアウトだ。
◆
何だよこれ。
浴場からそのままバルコニーに出られて、そのバルコニーには木製のガーデンテーブルとガーデンチェア。そしてパラソル。
さらにテーブルの上には、瓶入りの炭酸水。
バスローブに身を包み、夜景のきらめく街を見下ろす。
向かいに誰か居れば言うことなしなのだが。
あ、獅凰にいい加減メッセ返しておかないと!
◆
【闘技大会開催のお知らせ】
ハルシュ様
コンステレーション クエスト オンラインをお楽しみいただきありがとうございます。
11月27日よりアルデバランの闘技場に於きまして、
闘技大会を開催いたします。
ハルシュ様におかれましては
29日の本戦の決勝戦後に
今回大会優勝者の方と王位決定戦を行いますので
ご参加をお願いいたします。
したがいまして、通常の闘技大会への参加はご遠慮願います。
お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
運営チーム
◆
うん。
来たね。招待状。
これ、毎月呼ばれるのも面倒だな。
この辺で負けておくのも手か?
いや、そんなことしたら上司が怒るな。
じゃ、ちょっくらこの周辺でレベル上げでもしてきますか。
そんで、そのあと乙女座に戻ろう。
◆
月明かりの平原。
「であぁ!」
槍を横払いにし、迫る触手を切り落とす。
しかし、間髪おかずに三本の触手がこちらに伸びてくる。
「クソ、来るな! 貫く投槍!」
触手の向こうの体へ槍の一撃。
高さだけで五メートルはあろうかと言うタコのモンスター。
触手に捕まって、きゃー、何処触ってんのー! なんてお約束はゴメンである。
少なくとも俺は。
今度、みんな連れてこよう。
誰か一人くらい引っかかるだろう。
その時は遠慮なく頑張れ! タコ。
でも今はいい加減沈め。
「取寄」
タコの体に突き刺さった槍を手元に取り寄せる。
「もう一丁! 貫く投槍 !」
投槍の連発。
スキルのお陰で、槍の回収が簡単になった。
「取寄」
次で沈むか?
「サー……」
槍を投げようと振りかぶった手を止める。
微かな敵意。
それも、押し殺した様な……。
目の前のタコの物では無い。
周囲を警戒。
刹那膨れ上がる敵意。
その先へ目を。
一瞬、何かが飛来するのが見え、そして、腹部にわずかな痛み。
「離脱」
状態異常。
それを感じ取った俺は咄嗟に逃げ出していた。
◆
視界がぶれ、アレルシャの街中。
ステータスを確認。
状態異常【猛毒】。
現在進行形でHPが減少している。
残り半分を切った。
「解毒、治癒」
急いでそれを解消。
そして、腹に手をやる。
小さなダーツの様な矢が一つ刺さっていた。
……PKだよな?
相手の姿は確認出来なかったが。
毒、か。
あれこれ趣向を凝らし出したな。
これ、霊薬の加護が無ければ死んでいたかもしれない。
「うーん、用心しないとな」
取り敢えず、宿に戻る事にした。
◆
偶然な訳が無いよな。
戦闘中の隙を見計らって殺しに来たんだ。
俺を。
そいつは、今この町中に居るのか?
浴室から外を観察する。
見つけられる訳が無いのだが。
しかし、何故?
恨みを買う様な覚えは無い……事もないか。
それとも英雄狙い?
何にせよ、降りかかる火の粉は払わないとなー。
じゃ、装備品とスキルショップでも見てきますか。




