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7 金を稼ぐ

 休憩を挟み、再びログイン。


 今後の方針は定まった。

 金策をしつつ、プレイヤーの居ない所へ。

 PKの的になる前に、そもそもプレイヤーが居ない場所まで行って力をつける。


 まずは、道具屋。

 使い果たした『転移石』を一つ、そして、この先の道標となるアイテムを購入。


 アイテム【簡易ワールドマップ】

 島々の位置を記した地図。

 簡易版の為、訪れていない島には名前が無い。

 ※このアイテムは、購入後メニューに追加されます。


 これが、1,500G。合計2,200G。

 所持金は、ほぼ全滅。


 早速、メニューから地図を選択。

 仮想ウインドウ上に、3Dの球体が現れる。

 球体の表面には淡く光る無数の白い点。

 指でくるくると回す。

 中に一つ、赤く光る点が。

 そっと触れると『アリエス』と表示が出る。

 ここが、今いるところな訳だ。

 そのまま『アリエス』を拡大する。

 羊を模ったような海岸線の島。その中に『ハマル』『シェラタン』と言う表示。


 ……やはり、星座がこの世界のモチーフか。

 今更ながらに納得する。


 その足で、冒険者ギルドへ。


「ども」

「こんばんわ」


 受付嬢と挨拶を交わしつつ、依頼リストを確認。

 目的は配達の依頼。

 配達先が、シェラタンである依頼は除外する。


「この、配達先、アルデバランって?」

「隣の島のタウルスにある街です。港から船が出ていますよ」


 やはり。


「船で届けるには、安い気がするけど?」


 タウルスへの船賃は30,000G。

 アルデバランへの配達依頼は報酬が7,000G前後。


「配達先までの交通費は、請負人持ちです。

 訪れるついでに請ける方が多いですね」


 ですよね。

 次に高いのは、配達先エルナト。

 報酬は10,000G前後。


「エルナトは?」

「それも、タウルスにある町です」

「ふーん。じゃメタラーは?」

「トリアングルムにある町です。タウラスから更に船に乗っていく必要があります」


 次の次の島。

 プレイヤーはそこまで足を伸ばしているだろうか?

 それを確かめる意味でも、一度訪れてみるか。


 メタラーへの報酬は15,000G前後。

 が、そのうち一つだけ少し高い。


 クエスト【薬を届けて】

 急病人が発生。なるべく早く薬を届けたい。

 目的地:メタラー

 期限:一日間

 報酬:25,000G


「因みにタウラスからトリアングルムまでの船賃っていくら?」

「20,000Gです」


 おいおい。

 普通に行ったら船賃だけで大赤字じゃないか。


 どうなってんだ。この世界のギルド。


 まあいいや。


「トリアングルムって、どの島?」


 地図を開いて、場所を尋ねる。


「えっとですね、これが、ここアリエスです」


 地図に記された赤い点を指差す受付嬢。


「ここから、東に一番近い島が、タウラスです。ここからまた、北西に戻ったところにあるのがトリアングルムです。高度はアリエスより低いんですよ」


 彼女の指が、点と点を繋ぐ。


 ほう。

 直接の船が無いだけで、タウロスより近いのか。


「じゃ、これを受けます」


 そう言って先程の依頼を示す。


「え? 大丈夫ですか?」

「ええ。まぁ。ついでなので」


 と言うことにしておこう。


「ありがとうございます。これは、正直受け手がいないのでは、と思っていたところです」


 でしょうね。


「じゃ、行っています」

「はい。ハルシュ様に星々の導きのあらん事を」


 ギルドを出て、そのまま港へ。

 先程と同じ様に、岸壁から空へ。


 さらば。

 ハマル。

 そしてアリエス。


 ◆


 ~【メタラー】 エリア:トリアングルム~

 トリアングルムで唯一の町。

 周囲は穏やかな田園風景が広がる。


 地図を確認しながら、空を飛ぶことおよそ15分。

 あっさりと目的のメタラーに着いた。


 港の下側から回り込んで、人が居ないことを確認して上陸。

 木造の家が並ぶ、ハマルよりは閑散とした町の様だ。

 ざっと見たところ、プレイヤーらしき姿は無い。


 町の地図を確認し、冒険者ギルドへ。


「納品に来ました」

「あいあい」


 受付に居たのは、ふくよかなおばさん。

 カウンターにハマルで預かった荷物を置く。


「あれ?」

「どうしました?」


 荷物を見て、怪訝そうな顔をするおばさん。


「……いや、品物は問題ないんだがね。随分と早かったね。どうやったんだい?」


 荷物と俺の顔を交互に見つめるおばさん。


「それは、企業秘密です」

「はっはっは、そりゃそうか。まあ、早い分には助かるよ」


 意外とあっさり引き下がったな。


<ポーン>


 システム音。


<クエスト【薬を届けて】を達成しました>

<クエスト報酬 25,000Gを入手しました>

<ギルドランクΕイプシロンにアップしました>


「お、ギルドランクが上がった?」

「良かったね。これで二つ同時に依頼を受けれるようになったよ。ランクが高くないと受けれない仕事もあるからね」


 二つ同時!

 つまり、時給が倍!!


「よし、じゃ、どんどん依頼をこなしていこう!」


 ◆


 その後、俺は配達の依頼をこなしながらペルセウス、アウリガ、リンクス、ウルサマヨルと次々と新しい島を飛び回り、そしてレオミノルのプラエキプアと言う町で依頼を完了させた時には、もう一つギルドランクが上がり、Δデルタにアップしていた。

 財布も順調に潤い、三十万Gを超えるを手にしていた。

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