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17 裏ギルドに行く

 ジジイにもらった地図の通り、裏路地を入っていく。

 路地の先にガタイの良い短髪の男が腕を組んで立っている。


 こいつか?


「何だ?」


 遠巻きに観察していると、向こうから声をかけてきた。

 仕方なく、紹介状を手に近寄る。


「紹介状をもらった」

「見せろ。誰からだ?」

「ガウラ」


 その名に僅かに眉が上がる。

 有名なのか?

 紹介状を検めた男が一歩横にずれる。

 その背後に、扉があった。


「入れ」


 そう言ったっきり男は俺から目を外し、再び通りを見張り始めた。


 ◆


 扉の奥は、地下へ続く階段になっていた。


 うん。

 ベタだ。


 階段を下りきった先に再び扉。

 さて、何があるんだろうか。


 意を決して扉を開けた俺の目に飛び込んできたのは、カウンター席だけのバーだった。


 うん。

 ベタだ。


 中にはバーテンが一人と、客が一人。

 さて、どうすれば良いんだろうね。これ。


 ひとまず、カウンターに座る。

 すると一番奥に座っていた先客が、3つ席を飛ばして座った俺に話しかけて来た。

 細面の鋭い眼光の男。


「ガウラさんの紹介だって?」


 低い、かすれた声。

 ガウラさん・・か。

 あのジジイ何者だ?


「ああ」

「クックックッ。あのジジイまだくたばって無かったのか。今何やってるんだ?」

「傭兵」

「ハァ? 奴隷になってんのか。懲りねぇジジイだな」


 知らんがな。


「ご用向きは?」


 バーテンが、水の入ったグラスを置きながら問いかけてくる。


「スキル」

「こちらになります」


 バーテンがリストを提示する。


 そこにはランク4からランク7までのスキルリストと、その金額が書かれている。

 ランク4はスリや物色などから始まり、ランクが上がるにつれ拷問や暗殺などの明らかに物騒な名前が並ぶ。

 そして、その金額。

 正規の同ランクスキルに比べ、三倍……。


 暫し、考え、しかし、背に腹は代えられない、そう決断する。

 『暗視』を三人分、そして、自分の安全の為に『看破』と『魔力察知』を購入することにした。

 ここには無いが、『変装』と言うスキルがあるかもしれない。そう考えると『看破』は必要性を認識してから購入では手遅れの可能性もある。事実、目の前のリストの中に『偽装』と言うスキルもあるのだから。

 そして、『魔力察知』。

 これも、用心のため。

 表のスキルショップで『気配察知』も購入することに決めた。

 最近の主戦場である、森林は視界を遮る障害物が多く、敵を見つけづらい。

 両方合わせて少しでも役に立ってくれればいいが。


「贅沢だね」


 奥の客が嘲笑気味に話しかけて来る。


「金はあの世に持って行けないからな」


 今日の支払いぐらいなら、一日の配達で簡単に取り戻せる額だ。


「どうせなら、仕事も見てかないかい?」

「いや、それは結構」


 見たら、引き返せなくなるような気がしたからだ。

 おそらく、血生臭い依頼が並んでいることだろう。


 ◆


「ハイ。これ。ギルドランクアップのプレゼント」


 二人に暗視のチケットを渡す。

 決して安いものでは無いのだが。

 額面通り売りつけると出処とか、そもそも俺が何でそんなに金持ってるのかとか、色々突っ込まれて面倒そうなのだ。

 で、考えた結果、ならいっそ黙って渡してしまおう、とそういう結論になった訳で。

 信用も欲しいし。

 そう、一緒に風呂に入るぐらいの信用が欲しい。欲しいのだ。


「何、これ」

「ありがとうございます」


 怪訝そうなウミと、嬉しそうなリーザ。

 対象的な反応。


「貰っていいの? タダで? いくらしたの?」

「プレゼントの値段を聞くのは野暮だと思うんだ」

「そりゃそっか……出処は問題ないのよね?」


 疑り深いなぁ。


「大丈夫じゃないかな。それがあれば夜も大分活動しやすくなると思うんだ」

「本当に何から何まですいません!」


 素直なリーザ。

 一方ウミは、まだ警戒している様子。


 信じろって!


 ◆


 レベルも上がり、そして、ギルドのランクも上がった。

 一度に請けれる依頼の数も増えた。

 となると、複数の依頼を受けて、そして、一度の狩りでまとめてこなしてしまうのが効率的だ。

 必然、島の奥、モンスターが群れで活動するエリアを目指すこととなる。


 ◆


 昼とは言え、木々に覆われた森は薄暗い。


「あっち。多分、三匹くらい」


 南西方向を指差しながら、気配察知で感じ取ったモンスターの気配を二人に伝える。

 それに合わせ、二人も警戒しながら武器を構え直し、会敵に適した場所を探し始める。


 これは、うん。

 効率的だ。


 欲を言うなら遠距離攻撃と魔法使いも欲しいな。

 あ、必中と魔王かな。仲間にならないかな。

 どこに居るかわからないLP1組に思いを馳せる。


『居ました。ゴブリン三。武器は全員手斧です』


 リーザから通信に、意識を戻される。

 油断してたら駄目だ。

 俺だって、LP1、つまり後がないんだから。


 ◆


 その日、俺のレベルは11に、ウミとリーザは揃って8になった。

ハルシュ Lv.11

筋力値:13

魔力値:13

敏捷値:13


装備:

【ダマスカスランス】

【ワイバーンスケイル】


セットスキル:

├[1]【飛行】Lv.1

├[2]【槍】Lv.1

│└─【防御】Lv.1 

├[3]【神聖魔法】Lv.1

├[4]【観察眼】Lv.1

│└─【暗視】Lv.1

├[5]【超反応】Lv.1

├[6]【気配察知】Lv.1

│└─【魔力察知】Lv.1

└[7]【離脱】


所有スキル:

【回復】Lv.1

【魔法防御】Lv.1

【夜目】Lv.1

【看破】Lv.1

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