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172 ネコ娘が誕生する

 眼下にイベントフィールド、フェリスが出現。


<ポーン>


 システム音。


<イベントフィールドに侵入>

<プレイヤーを専用フィールドに転送します>


 そして、降臨イベント『フラウロス』戦の開始。

 挑むのは前回同様、女の子六人組。私含む。


 立ち木の疎らなフィールドを上から眺める。

 全て落葉していて、裸の枝が寒々しい。

 その上に、敵の気配。

 樹上からこちらを睨みつけるように光る目。

 月の光に薄っすらと浮かび上がるそれは巨大なネコ科の獣。

 そして、数は……十を超えるか。


「どうする? 隊長」


 腰を抱きかかえたウミに問う。


「連れて帰りたい」

「いいですね」


 背中のリーザが同意する。

 餌代がとんでもない事になりそうだ。


 ……餌か。


 餌に食いついた所を一網打尽。

 そんな適当な作戦を思いつく。


「お前、生肉とか持ってないの?」

「生肉は無い。何故か魚の切り身はある」

「なんでだよ」

「本当、何でかね。

 うーん、勿体無いけど……やるか」


 ウミがアイテムを取り出し、下に投げる。


 獣達は、一瞥し、再びこちらに視線を戻す。

 ……ですよね。


「ああ、勿体無い……。

 あいつら、可愛げないな」


 そりゃ……モンスターだからな。

 そういうのをデレさせるから良いんだろ。

 猫はデレないだろうけど。


「ま、ここで眺めてても仕方ないか。

 じゃ、四人は一気に降りよう。

 ジルとピエラはワンコで上で待機。

 無理の無いタイミングで降りてきて」

「わかったわ」

「じゃ、みんながんばるでぇす」


 その声と共に獅凰がワンコの背から飛び降りる。

 一気に下へ。


連弾フューゼレイド

切り裂く風(エア・シックル)


 俺とウミが援護しながらそれに続く。


 ◆


 俊敏に動き回る白と黒の豹。

 その奥で真っ赤な豹が一匹微動だにせず、様子を伺う。


 そして、今、取り巻きの最後が獅凰の刀の餌食になった。


 互いに連携して集団で狩りをするようなタイプで無かった。

 これが、連携を取ってくるようになればもっと苦戦するだろう。


 そして。


白。静寂、終焉(ディマイズ)


 魔王の遠慮のない一発。

 熱風が木々を揺らす。


<ポーン>

<降臨モンスター・フラウロス討伐おめでとうございます>

<フィールド上のプレイヤーには初回撃破ボーナスが送られます>

<特別フィールドから通常フィールドに転送します>


 ……アレ食らって生きてたパズズってすごかったんだなと、改めて思う。


 ◆


 〜アルケス エリア:クラテル〜

 南天で最も多く酒所が集まる街

 自警団が組織され治安は悪くない


 さて、恒例の祝勝会。

 パスタやらピザやらがテーブルの上に所狭しと並び、隊長がそれを取り分ける。


 で、こちらも恒例のイベントアイテムなんだが……。

 変なもの手に入った。

 どうしよう。


 チラリと横を見る。

 トマトソースを頬に付けピザを頬張るアリアシア。

 悪戯心が疼く。


 そっと椅子から立ち上がり、その後ろに立つ。

 次のピザへ手を伸ばした彼女に声を掛ける。


「アリアシア」

「はい?」


 伸ばしかけた手を止め、振り返ろうとする。

 その前に。


「プレゼント」


 そう言って彼女の頭に今しがた手に入ったアイテムを嵌める。


「え、にゃ、にゃんですか? これ」


 にゃ?


「何それ!? アリア、可愛い!」


 ウミが笑いながらアリアシアを指差す。


「にゃ?」


 アリアシアはピザを求める手を戻し、自分の頭に取り付けられたアイテムを確認する。


 アイテム【猫耳カチューシャ】


 効果は知らない。

 鑑定してないし。


 ただ、見た目はズバリ猫耳である。


「にゃんですか!? これ」


 猫耳を触り俺を仰ぎ見るアリアシア。

 なかなか似合ってるんじゃないか?


「そう言う趣味なの?」


 ジト目の魔王。


「いいなー。猫耳」


 ちょっとずれたリーザ。


「新たなライバルの爆誕でぇす。ぐぬぬ……」


 悔しがる天使。


 一瞥しただけで黙々と食す獅凰。


「ほら、アリア」


 ウミが手鏡を差し出す。


「にゃー!?」


 鑑の中の猫耳娘を見て絶叫を上げるアリアシア。


「にゃ! これ、とれにゃい!」


 え。


「うそ?」


 そのカチューシャを外そうと両手で掴んで見る。

 ……外れない。


「呪われたんじゃ無い?」

「にゃー!?」

「呪い?」

「そ」

「にゃんとかしてくださいにゃ!」

「その喋り方、何だ?」

「こうなっちゃうんですにゃ!」


 うざー。

 自分で試さなくて良かった。


 涙目のアリアシアを見ながら心から安堵する。

 結局食後に天使が呪いを解除していた。

 アイツ、いつの間にか俺より神聖魔法のスキルレベル上がってた。


 やばい。

 アイドルヒーラーなんかに負けるわけには行かないのでぇす!

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