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15 三人で狩りに出る

「と言う訳でこれから三人で狩りに出かけます」


 コル・カロリの入り口で改めて言う。

 二人、つまり、ウミとリーザは神妙な面持ち。

 緊張してんのか?


「て言うか、そんなに緊張しなくても、只のゴブリンだからね?」

「ハイ。先生!」

「はい。何でしょう。リーザさん」

「先生はレベルいくつなんですか?」

「9になったばかり。二人は?」

「5」

 とウミ。

「4です」

 とリーザ。


「大丈夫。全然行けると思います」


 根拠は無い。


「「ハイ」」

「ただ、作戦は命を大事にです。

 危なくなったらすぐ離脱。

 回復は任せて下さい」

「「ハイ」」


 何だろう。このノリ。


「ぶっちゃけ、何か教えられる程でも無いんで、各々がんばってください」

「「ハイ!」」


 傭兵を雇おうかとも考えたが、見た目女性三人の中に男を一人引っ張り込むのも何か嫌だし、かと言って女性雇って女性三人にしてしまうと中身男の俺が浮きかねないのでひとまず止めた。


 という訳で、ウミの直した装備を身に纏った、ちょっと見た目派手な三人組の初パーティでの狩りへ出発である。


 不安だなぁ……。


 ◆


 ゴブリンの棍棒を盾で受け止める。

 そして、全身で押し返しゴブリンの体勢を崩す。

 突き飛ばされ、尻もちを付いたゴブリンの頭部に重厚な戦斧の刃が食い込み、その存在を消し去る。


 初めてきちんと見たリーザの戦い方だが、見た目の麗しさと裏腹にパワーファイター。


「すごいじゃないか……」


 いや、俺の助太刀なんか要らないんじゃ無いか?


「安心して戦えるんで楽しいです!」


 そうすか。


「じゃ、次は私ー!」


 そう言いながら前方から迫りくるゴブリンに突っ込んで行った。


 その戦いぶりは以前見た通り。

 速さで翻弄し、細剣で切り刻んで行く。

 リーザと違いゴブリンの攻撃を正面から受けるような事はせず、バックラーを巧みに使い受け流し、体勢を崩す。

 そこへ剣先を突き立て、しかし、深追いはせず再度、距離を取る。

 慎重だが、堅実な戦いっぷり。

 やがて、喉仏を細剣で掻き切られたゴブリンが、苦悶の表情を浮かべながら消えていった。


「ふ、他愛もない」


 そんな台詞を吐き捨てるウミ。


「あのさ、俺の助太刀要らないんじゃない?」


 改めて問い掛ける。


「いや! これも全部ハルシュのお陰だから!」

「ん?」

「このレイピアの切れ味! すごい!!」


 俺って言うか、俺の金のお陰!!

 ま、良いか。


「問題無さそうだから、油断せず、進んでいこうか。あと八匹」

「「ハーイ」」


 ◆


 カネスヴィナティキは、南北二つの島が連なる形をしている。

 そして、その二つの島を吊橋が繋いでいる。

 島の大半を森林が覆っている。

 我々が定宿を置いているコル・カロリは、南側の島にあり、東方にもカラという町が存在する。

 吊橋はそのカラの近くに設置されている。


 コル・カロリ周辺は、ゴブリンが単独で現れる程度であるが、少し島の奥へ進むと群れで行動することが多くなるらしい。

 まだ、俺もそこまで奥へ進んでいないのだが。

 安全第一だからな。

 ただ、パーティを組んで行動するのだ。

 奥へ、そして、カラへ、更にその先、北の島へと歩みを進めていくべきだろう。

 て言うかそうしたい。


 ま、ゆっくりとで良い。

 優先すべきは安全で、そして、そのためのレベル上げなのだから。


 結局その日は町の周辺でレベル上げをして、俺は10に、ウミとリーザは二人共6になった。

 そして、レベルが10になった事によって、スキルスロットが一つ増加した。

 このままレベル10ごとに増えていくのだろうか?


 ◆


「あのさ、別に俺の助太刀、要らなかったと思うんだけど」


 宿屋でメシを食いながら素直に感想を言う。

 別にこの二人なら、時間を掛ければ着実に歩みを進めていられたはずだ。


「普段はこんなに安心して戦えないから」


 そう、ウミが答える。

 どう言う事だろう?


「ほら、他のプレイヤーも気になるし、パーティ組んでも、やっぱり信用出来ないし。

 こっちも、まぁ、後ろめたさもあるし」


 ふーん。

 そういう事か。

 実は同じ様な状況の俺としてはわからないことも無い。


「そんなもんなのか」


 あえて同意はしないが。


「そうなんです」


 でも、気になる事が。


「そこで、何で俺が候補に挙がったのかがわからない」


 何でそんなに信用してるのか。


「勘!」


 と、ウミ。

 そっすか。


「だって、ハルシュさん、最初助けてくれたじゃ無いですか。

 それが、偶然にも二人の共通の知り合いだったんですよ?

 そして、こうして手伝ってくれてるじゃ無いですか。

 信用しない方がおかしいですって」


 いや、何というか……。

 どれも善意からじゃ無いんだけどな。

 見た感じ、二人共他意は無く信頼を寄せてくれている様に思える。


「そっか。ま、情けは人の為ならずって言うしね」


 ウミが、したり顔をしているのが気になるがそういう事にしておこう。

ハルシュ Lv.10

筋力値:12

魔力値:12

敏捷値:12


装備:

【ダマスカスランス】

【ワイバーンスケイル】


セットスキル:

├[1]【飛行】Lv.1

├[2]【槍】Lv.1

│└─【防御】Lv.1 

├[3]【神聖魔法】Lv.1

├[4]【観察眼】Lv.1

│└─【夜目】Lv.1

├[5]【超反応】Lv.1

├[6]【離脱】

└[7]


所有スキル:

【回復】Lv.1

【魔法防御】Lv.1


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