鮮やかさの足りない灰色の世界
ボクが着替え終わり時間を潰して玄関を開けるとそこにいたのは隣の家に住む。
幼なじみの東野未来がいた。
あさのたわいない挨拶を交わす僕。
見慣れた栗毛のショートヘアの彼女。
彼女は可愛らしい女性でボクと大の仲良しだ。
隣の家に住む幼なじみの可愛い隣人。
ボクがどこぞの物語の世界の人間なら、さぞかし充実した青春が送れるんじゃないかと思う。
すごいベタな設定だけど。
実際にあり得たら多くの人が羨ましがるんだろう。
しかし、恋愛感情の分からない僕には正に宝の持ち腐れで、彼女とは純粋な友人関係だけだ。
勿体ないと思う人がいても、手に入らない物は手に入らない。
ボクたちは歩き出す。
学校への変わらない道のり――。
学校についてからの代り映えのしない学園生活――。
友人との楽しい語り合い――。
未来との毎日の掛け合い――。
決してつまらなくはない――。
決定的に満たされないわけじゃない――。
幸せと言える環境にボクは恵まれていると思える――。
でも足りない――。
ボクの世界は色がついてない。
古びたテレビの白黒映像のように決定的な鮮やかさが足りない。
足りない物それが恋だと何故か思える。
だからこそ知りたい。
だけど知ることができない。
ボクの満ち足りないけど、ある程度の満足のできる時間はゆっくり流れていく――。
見慣れた教室と教鞭をとる教師――。
窓の外を見つめる授業中――。
いつも騒がしい合間の休憩時間――。
気付けば授業は6時限目を数え――。
暫く経って下校の時間。
今日も僕の求める鮮やかさを目に映らず。
未来との会話を右に流す――。
何度か返答を返すと、別れのあいさつ。
これで僕の鮮やかさの欠如した灰色の世界の一日の大半を終える。
ボクという人間は無感動な人間かもしれない。
ある程度満たされていると思えながら何かが足りない。
何を見ても何を食べても同じ。
小さめの身長、男らしいと言うより愛らしいとよく言われる顔。
筋肉も余りついていなくて、肉付きの薄い手足。
学校の成績は中の上程度。
特に才能などなくて、能力的には一般市民と自負できる。
そんな僕が求める灰色の世界の鮮やかさ――色めきとはなんだろう?
深い感動はない――。
深い悲しみもない――。
深い幸せもない――。
そんな毎日――。
あるのはぼんやりとした日常――。
ボクが見れた鮮やかな赤い屋根の一般的家屋――自家に入ろうとすると携帯のバイブが。
ボクが古臭いガラケーを開けると
『今日、彼女届きます』
成長が微妙!