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説明しているようでしてない

「ふふふ、未来さんとりあえず私の話を聞きなさい! 私とピクティアちゃんとの出会いを」


 母さんは不敵に笑い、腰の両手を当てて、その年の割に小奇麗な顔の皺を増やす。

 母さんは話す前からすでにどや顔で、同じ妙齢の女性特有の落ち着きというモノは一切感じられない。

 もう結構な年なのに無邪気というか、子供っぽいというか、母さんは変わらないな。

 相変わらずの変わらぬ母親の姿に安心感と、同時に何をするかわからない妙な緊張感、それに懐かしさを感じた。

 先ほど声を荒らげた未来は、母さんの迫力ある声色に困惑を隠せていない。

 未来は今にも母さんを問い詰めたい気持ちに駆られているのか、いかにも何か言いたげだ。

 ピクティアさんがそれを静観している、その様は、僕よりずっと年上のように大人びて見えた。

 母さんは黙った未来を一瞥し、僕たち三人を視界に納める様に頭を動かし、口を開く。


 「あれは三日前中東のある国での出来事だったわ。あるバザーの露店でピクティアちゃんのランプを見つけたの――」

 

 「「「………………………………」」」僕たちは黙って母さん言葉に耳を傾ける。

 しかし、一向に母さんから後続の言葉が出てこない。

 「以上よ」

 母さんはそう言い切った。


 「ちょっと母さん!」そりゃないだろ! と思わず母さんに強めのトーンの言葉を浴びせる。


 「何よ空」


 「本当にそれだけなの?」


 「ええ本当よ。出会ってすぐにこの子らアンタでも気に入るって直感したの! だから二つある願いのうち一つを使って、願いの権利をアンタに譲渡したんじゃない!」


 アンタだって一つ彼女に願ったでしょ。と母さんは言うと、母さんは悪戯をする子供のような笑顔を浮かべ僕の耳元で、願った以上彼女を大事にしないダメよと囁いた。

 

 「それより空テレビで見たわよ! 後二人フラグが立ってるそうじゃない! 後二人は?」


 母さんはそういうと部屋を見回す。

 そういえばそうだ三人の女性に出会うと水鏡レイナは言っていた。

 一人目はピクティアさんだろうけど。

 後二人はどんな子たちなんだろう。

 ピクティアさんだけでも十分だけど。

 出会うならその事柄は重要だ。

 ピクティアさんというエキゾティック美少女の次に現れる女性……心映りはしないだろうけど、分からないからこそありえないと言い切れないこの歯切れの悪いこの感じは、嫌だなと感じた。

 母さんは説明をしているつもりらしいが、結局謎を増やしただけだった。

 聞きたいことで未来も一杯なのだろう、未来が口を開いた。

 

 「恵美おばさん。このピクティアちゃん? の事がよくわからないんだけどランプって何なの?」


 「未来ちゃん驚いちゃだめよ。彼女はランプの魔人なの」

 

 

一度できた技術の吸収はすぐには出来ないね。

気長にやろう

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