八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その8。
八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その8。
八雲 「夏目、今日はおまえに会わせたいヤツがいるんだ」
夏目くん「会わせたいヤツ?」
八雲 「そう。前に話したろ! コスプレする友達!」
夏目くん「ああ。そういえばそんな話したな」
八雲 「そいつが夏目に会いたいって」
夏目くん「俺に?」
【少し離れた所から呼ぶ声】
龍くん 「夏目ぇ~!」
八雲 「あ、来た。龍之介! こっちこっち!」
龍くん 「いやー。悪ぃ。遅れた」
八雲 「大丈夫だよ。夏目、コイツが俺と同じ学部の龍之介。龍、こっちが高校からの同級生の夏目だよ」
龍くん 「おお! 夏目! 会いたかったぞ!」
夏目くん「初めまして」
八雲 「龍、どう? 俺は絶対剣士系のキャラがいいと思う! 夏目でかいから長剣持たせてもかっこいいと思うんだ!!」
龍くん 「いやいや、待て。夏目は顔もイケメンだが、あえて口元は隠して目だけ見せる忍者系もよさそうだ」
八雲 「なるほど! それもありだね!」
夏目くん「……おい」
龍くん 「これだけモデル体型だとなんでもいけそうだな。ぜひ今回のコミケにも出てほしかった! 狙うは冬だな!!」
八雲 「うわぁ! 冬コミか! 楽しみだ!!」
夏目くん「……おい。さっきからなんの話をしてる」
八雲 「何って、夏目の衣装の話に決まってんじゃん」
龍くん 「夏目! 俺がおまえをコス界の帝王にしてやる! まかせろ!!」
夏目くん「断る」
八雲 「なんで!? 龍の作った衣装着れるんだよ!? 『ドラゴンの神の手』だよ!?」
夏目くん「ドラ……? なんて?」
八雲 「『ドラゴンの神の手』!! 龍の異名だよ!!」
夏目くん「……それはすごいものなのか」
八雲 「すごいよ! コスプレイヤーはみんな龍に作ってもらいたいんだから! 前に画像見せたろ!?」
龍くん 「そんなたいしたもんじゃねえよ。俺はただ作りたいもんを作ってるだけだ。なあ、夏目ダメか?最近依頼ものばっかで自分から人に服を作りたいと思ったのは久しぶりなんだよ」
夏目くん「画像は見た。器用だとも思った。だが俺はコスプレをする気はない」
龍くん 「ダメか~。絶対かっこよくする自信があんだけどなぁ」
夏目くん「自分でも着るんだろ。自分用のを作ればいいじゃないか」
龍くん 「自分でも着るけどさ、やっぱ体型や雰囲気とかあるじゃん? 俺、おまえみたいに身長ないし、ダークな雰囲気もないからNGも多いんだよ」
夏目くん「サラッと失礼なことを言ったな」
八雲 「ダークいいじゃん。俺も言われたい!」
夏目くん「おまえは少し黙ってろ」
龍くん 「あー。でも初対面でいきなりはキツイよな。わかった! 今日は諦める!」
夏目くん「わかってもらえて助かる」
龍くん 「明日また来る!!」
夏目くん「わかってないな」
龍くん登場です!