表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その4。

八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その4。



八雲  「夏目のバカヤロー!!」


夏目くん「なんだ、急に」


八雲  「この前、あのあとひどい目に合ったんだからな!」


夏目くん「鏡花姐さんに喰われたか」


八雲  「さらっと恐ろしいこと言うな! 貞操は死守したよ!! 俺にだって男の意地があるんだ!!」


夏目くん「ああ見えて鏡花姐さんは頭脳派だから、力技では迫ってこない。安心しろ」


八雲  「俺は無理やり担がれて攫われたけどな!」


夏目くん「そうだった」


八雲  「もうやだ! ……俺、初めてスカートはいちゃった……。すっげえヒラヒラの。鏡花お姐さん、大喜びしてた」


夏目くん「結構じゃないか」


八雲  「結構じゃないよ! 俺、もうお婿に行けない! 田山ちゃんとも結婚できないよ!!」


夏目くん「安心しろ。もともと二次元のキャラとは結婚できない」


八雲  「わかってるよ! 気持ちの問題なんだよ!! だいたい、なんであんな濃い人と仲がいいんだよ!!」


夏目くん「知らん。向こうから勝手に寄ってきただけだ」


八雲  「……どういうふうに寄ってきたの?」


夏目くん「初対面でいきなり真正面から飛びついてこられた」


八雲  「そ、それでどうしたの?」


夏目くん「背負い投げで沈めた」


八雲  「どこが頭脳派だよ!! そしておまえは何者なんだよ!!」


夏目くん「そこからなぜか気に入られた。それだけだ。悪い人じゃない。たぶん」


八雲  「……最後の一言が俺の不安の心に深く刺さるんだけど」


夏目くん「あの人は気に入った相手にしか手を出さない。それもかわせばたいして害はない」


八雲  「俺にはおまえみたいな戦闘能力はないよ!!」


夏目くん「だから襲われてないだろ」


八雲  「あ……」


夏目くん「鏡花姐さんは人をよく見ている。本気を出されれば俺も簡単には勝てないし、おまえだって瞬殺だ」


八雲  「確かに……」


夏目くん「鏡花姐さんはおまえが気に入ったんだよ。これから関わっていくかは自分で決めろ」


八雲  「……着せ替え人形にされたのは恥ずかしかったけど、鏡花お姐さんはずっと優しかった。……だから、嫌いじゃないよ」


夏目くん「そうか」


八雲  「仲良くなりたいとは、思う」


【夏目くん、無造作に携帯電話を取り出す】


夏目くん「だそうだ。よかったな」


八雲  「へ……? 誰に話してるの、夏目」


夏目くん「鏡花姐さん。今の会話、全部スピーカーで聞いていた」


八雲  「な! 騙したな、夏目!!」


夏目くん「別に騙してない。 決めたのはおまえだろ」


八雲  「ぐっ! そ、そうだけど」


夏目くん「鏡花姐さん、あと数十秒でここに来るぞ」


八雲  「ふざけるな~!!」



逃げて、八雲くん!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ