表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その2。

八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その2。



八雲  「はあー」


夏目くん「ため息をついて、どうした」


八雲   「このゲームのヒロインがなかなか落とせないんだ。どこで選択間違えたんだろ」


夏目くん「フラグが立たないってやつか?」


八雲  「夏目、いつの間にゲーム用語を!」


夏目くん「おまえがいつも隣で「フラグが立った、フラグが立った」ってゲーム機に向かって騒いでるから覚えた」


八雲  「よし! 今度これ貸してやる! 『どんとこいメモリアル☆』を!!」


夏目くん「いらない」


八雲  「なんでだよ! 俺のお勧めヒロインは田山ちゃんだ! 手品が得意な黒髪美少女だ!」


夏目くん「やらない」


八雲  「おもしろいのに。俺はおまえと田山ちゃんについて熱く語り合いたいのにー」


夏目くん「おまえの趣味をとやかく言うつもりはない。(はた)から見ているとちょっと引くが、言うつもりはない」


八雲  「言ってるよ! 冷めた目と口で言ってるよ! ギャルゲーをバカにするなよ!!」


夏目くん「してない。俺がバカにしているのはおまえだ」


八雲  「そうか。いや! 俺のこともバカすんなよ!」


夏目くん「納得したり否定したり。忙しいヤツだな」


八雲  「おまえのせいだろ! よし、いい機会だ! よく聞け! 俺がおまえにギャルゲーの凄さを講義してやる!」


夏目くん「抗議する」


八雲  「誰がうまく返せっつった! 聞けって言ってんだろ!」


夏目くん「ゲームは中学くらいまではやっていたが、今はほとんどしないから別に聞かなくていい」


八雲  「そういえば、おまえがやっているところ見たことないな。なんで? 昔はやってたんだろ」


夏目くん「一度やったら大抵すぐにクリアするからつまらなくなった」


八雲  「……一度やっただけで、すぐクリアできるの?」


夏目くん「できる。ゲーム内容の傾向と対策さえ把握できればそんなに難しいことじゃない」


八雲  「そこまで言うならこの田山ちゃん攻略してよ! 激ムズモードだけど、できるよな!」


夏目くん「いいけど。おまえより先にクリアしていいのか?」


八雲  「いいよ! 夏目がそこまで言うならぜひとも攻略するところを見せてよ!!」


夏目くん「激ムズモードってことは簡単なものもあるのか?」


八雲  「あるよ! この別のセーブデータはイージーモードのだね」


夏目くん「そのイージーモードってやつを少しやっていいか」


八雲  「いいよ」


【夏目くん。ゲームプレイ中】


夏目くん「クリアしたぞ」


八雲  「早い!豪語するだけはあるな! じゃあ激ムズモードに入る?」


夏目くん「いや、それもクリアした」


八雲  「……は?」


夏目くん「だから、その激ムズモードをクリアした」


【夏目くん。八雲にゲーム機を返す】


八雲  「ほ、ほんとだ……! 結婚してるっ!! 初めて見るエンディングだ!!」


夏目くん「激ムズモードは最初の所で選択を間違えると、たぶんアウトだな」


八雲  「最初の所って、海? 学校? 本屋?」


夏目くん「学校。そこの選択肢が異様に細かかったから」


八雲  「確かに多かった。でもそんな初期でミスったら終わりなのかー」


夏目くん「学校編の選択の順番は③、②、①、①、①、②、①、③、③、②、①、①、①」


八雲  「覚えてんの!? どんな記憶力だよ!」


夏目くん「やったことは覚えてる」


八雲  「夏目! 夏目! 今の順番もう一回言って!!」


夏目くん「なんでだ?」


八雲  「メモるから!! 俺も結婚する!!」



八雲くん、語弊があります。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ