八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。その1。
八雲くんと夏目くんと、たまに誰かさん。~だいたい1分間話~ その1。
八雲 「なあ夏目、俺さ、小説書いてて思うんだけど」
夏目くん「おまえ、まだ書いていたのか」
八雲 「書いてるよ! 俺から小説を取ったら何も残らないだろ!」
夏目くん「そうだな」
八雲 「ちょっと! そこは「そんなことないだろ」って言うところでしょ!」
夏目くん「心配するな。元から小説もおまえの糧にはなってない」
八雲 「身も蓋もないよ! 俺、一応これでも学生小説家を目指してるんだからな!」
夏目くん「俺は今、かなりの衝撃を受けた」
八雲 「ならそれらしい反応をしろよ! 表情筋を動かせ!! ってか、別にいいだろ!夢を持つことは大事だ!!」
夏目くん「現実を見ることも大事だ」
八雲 「やめて……。そんな無機質な重低音で言われると俺、本当に心が折れる」
夏目くん「俺がどう言おうが、おまえは書くんだろ」
八雲 「まあ、そうだけどさ」
夏目くん「なら問題ない。おまえの途方もない壮大な夢は置いておくとして、小説書いていて気づいたことっていうのはなんだ」
八雲 「俺の夢はそんなに果てしないものなの? ……ええと、俺さ、小説書いてて思ったんだけど、会話主体で話を持っていくとテンポも速いし、一気に読めちゃうよな」
夏目くん「そうだな」
八雲 「逆に文章をたくさん入れると、字の文が多くなるから、テンポは会話主体より遅くなる。でも細かい描写が書けて、読者自身が想像しやすい」
夏目くん「そうだな」
八雲 「どちらの方がいいのかな?」
夏目くん「どちらでも。読み手の好みだからな」
八雲 「夏目は字の文が多い方が好みなんだろ」
夏目くん「確かに。台詞で説明されるより、文章で書かれていた方が自由に想像できるし」
八雲 「やっぱりなー。俺は会話主体の方が好きなんだよなー。ポンポンいけるのが好き」
夏目くん「おまえはそうだろうな。書いている小説も会話主体だもんな」
八雲 「うん。でも好みだもんね。それを聞いて安心した。俺さ、今書いてる小説で、キャラが一人で2ページ半に渡って喋ってるんだけど、でもいいよね! 好みだもんね!!」
夏目くん「シェイクスピアかよ。とんだ一人語りだな」
相変わらずの二人ですが、どうぞよろしくお願いします。