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星海の光  作者: ZEXAS
第一章 変化の種
13/50

非人道的な結末



こんばんはとおはようの境目の時間からこんにちは



…はい



8月って不思議なもので何故か寂しさというか不思議な感覚に襲われます


とにかく不思議不思議な8月なのですが、これはやはり…霊ですかねぇ?





「…『残像』」


シュウゥゥゥン…


まるで機械を無理矢理止めた時みたいな音とともにオレの感じる世界はまるで止まったかのような緩やかな速さで流れ始めた


「…人を殺す覚悟か」


残像を使った理由は簡単

自分に人を殺す覚悟があるのか考える時間が欲しかっただけだ


そして覚悟が無かった場合、どうやったら目の前の大群を抑えるのかを考える為だ


「武器ならいつでも創れる。鉄砲だってミサイルだってチハだって…」


殺す事自体は造作も無い

だけどオレに人を殺すなんて事出来るだろうか…?

アイツなら、オレの人生を滅茶苦茶にしたアイツなら別なんだがなぁ…


…何でも創れる。何でも創れる。何でも創れる…。うーん…

この能力を上手く利用できれば殺す事無く平和的に済むかも知れない…


「…ぐ、ぐるじい…」


さ、酸素が足りない!

本当に酸素が足りないのかは解んないけど苦しい!

早く残像を解かないと…!


もっと頭を使え!

早くしないと!


「何でも創れる…。何でも…。…!」


そうだ、敵をみんな味方に付けれるようにすれば!


そう、オレは誰も殺さずにこの場を制する事が出来るぞ!


「………けほっけほっ」


作戦も形になってきた

でも早く残像を解かないとヤバイな


飲むタイプの薬で敵に飲ませるってのはどうだ?


よし、もうヤバイしこの作戦でいこう

たまには後先考えずに突っ込むのも悪くない


「…『残像終了』!」


サァーッ


何かが引く音と同時にオレの世界は元の速さに戻る


そしてオレの存在に気付いた敵軍はすぐにオレを囲んだ


「この娘はサウシアの民か?」


「いやいや、俺達への貢ぎものだろ。どうぞ好きにして下さいってな!」


「だとしたら相当馬鹿な奴等だ。貢ぎものはサウシアの民全てだというのに。ハハハハ!」


人を囲むなり言ってくれるなぁ


「この娘、身体は幼いがえらい逸材だぞ。貢ぎものの女子供といったらブスかデブとか酷いものが多いんだがな。サウシアの女はみんなこんなスペックなのか?」


「俺、早くサウシアに行きたくなった。ふひひ!」


…うへぇぇ

オレはこんなケダモノを仲間にしようとしてたのか

どうすっかな〜


「奴隷なら服なんか要らないだろ?さっさと脱げよ」


「可愛いなぁ…早くやりたいなぁ…」


「…こんだけの人数でまわしたらこんな小さい子だとすぐに壊れちゃいそうだな。んふふ、壊れたそれをやるのも悪くない」


ワー、(趣向の)コワイオヂサンガイルヨー


…ふぅ。作戦を考える時間はもうないな。このまま決行しよう


「おい、黙ってないでさっさと脱げ!(クーデレか。萌える!)」


「…『残像』」




(三人称に移行)




「あれヤバくないか?」


ライトにしぇんぱいと呼ばれていた兵士はそう言った


「…囲まれているな」


ダークSUNこと黒陽は無表情のまま答えた


「やっぱり間違っていたんだ。早く助けに…」


「その必要はない」


「馬鹿か黒陽とやら!どんな優れた力を持つ者だって多数の者に囲まれたら終わりだ!」


「…しぇんぱいとやらは戦いの心得はちゃんと持っているようだな。だが、あの娘は常識の範囲で物事を考えてはいけない」


「…?よくわからない」


「…すぐに解る」





数分もしない内にライトは敵軍の中から出てきた

そしてそのまま砦へと歩いて来た


「よかった、無事だったか!…しかしなんだ?敵軍が全員こちらを見たまま突っ立っているぞ?」


「ふふん♪さてなんでしょー?」


得意気に微笑むライトを見るからに、作戦は上手くいったみたいだ


「…全員視線が一点に集中しているな(なにが起きたのだ?)」


「うーむ、わからないぞ。教えてくれ」


「あの人達はみんなオレの味方になったんだ」


「「え?」」


ライトの一言で砦中が静かになった


「(いや、サウシアのみんなは奴隷とかふざけた事言ってたし味方じゃなくて手下、忠実な犬、いや下僕、いや奴隷だな。うん)」


「…確証はあるのか?」


「あの人達はみんなオレの言う事には絶対従うよ。まぁ見ててよ」


そう言うとライトは10歩ほど敵軍…ライトの奴隷に近付くとこう言った


「『馬から降りて武器を降ろしたらスボンを限界まで上げて逆立ちしながらオレの所まで来て』!」


「「仰せのままに!」」


ライトの味方もとい奴隷は武器をその場に置きスボンをぐいぐいっと限界まで上げた


「(な、なんか申し訳ない事言っちゃったなぁ。あれは恥ずかしいなんてレベルじゃないぞ…)」


勢いよく上げたため当たり処の悪かった奴隷もいたようで内股のまま逆立ちする者もいた


「「(なんかこっちまで痛くなった様な気がする…)」」


逆立ちしながらの移動はなかなか時間が掛かる上に、さんさんと降り注ぐ太陽の光で熱せられた砂漠の熱の果てしない熱さでじんじんする手は更に移動を遅くさせた




砦の兵士達は素振りをしながら時間を潰していたら数十分の時間が達ち、やっと奴隷達が砦へ辿り着いた


「いくら屈強な兵士でもこんな長時間の逆立ちは無理だろ…。どんだけ主に忠実なんだよ)」


今までに見なかったもはやホラーな現象にこの現象の元凶であるライトも驚きを隠せない様子だった


「ま、まぁザッとこんなもんでございますよ…はは」


「…なかなか非人道的だが証明には十二分だ。だろう?しぇんぱいとやら」


「確かに非人道的だ。まぁ我らのサウシアを落とそうなどと考えた国の兵士だから別に構わないが。それに言っておくが俺はしぇんぱいではない。フィルという立派な名があるんだ」


「(しぇんぱいってフィルって名前があったんだ。じゃあフィルしぇんぱいだね)」

「(しぇんぱいが名前では無かったのか?俺も名前というより名称みたいな呼び名だからその呼ばれ方を疑いもしなかったぞ)」


「それで、これからはどうするの?」


ライトは心の中で突っ込みを入れてこれからについてフィルやダークSUNに聞いてみた


「俺達は引き続きここを守る。ライト嬢ちゃん達は王様の命で来たんだろ?だったら結果を報告しに帰らなきゃな」


「…そうだな。敵国も味方の報告を待つだろうがその味方はこの有り様だ。異常を察知するまでは時間が掛かるだろう」


「じゃあ一旦戻る?」


「…そうしよう」


今後の行動も決まったところで全員の視線はある団体に集まった


「「(この敵軍兵士、どうしよう…)」」




・・・・・・・・・・・・



〜サウシア王宮〜



「…で、その兵士達が今目の前にいる敵軍の装備を着た者達だと?」


「はい、みんなオレの仲間もとい絶対服従の(しもべ)となりました」


「それが本当だとしたら凄いな。確証はあるのか?(本当にライトは何者なんだ?もはや神業だぞ)」


オレ達はロイ王に色々と報告する為に王宮に戻っていた


「…俺はこの目で見た。この娘の言う事は何でも聞く僕を。もしかしたら死を命じても逆らいはしないだろう」


「そこまでか!うむ、黒陽が言うのなら間違いは無いな…」


「…それで、この僕達はどうする」


「あ、それは考えてなかったよ…どうしよっか」




…30分くらいに及ぶ話し合いの結果はなかなか酷いものだった


サウシアでいきなり100人以上はいる僕を飲み食いさせるには少し厳しい

出来るっちゃ出来るが、そんな事をすれば備蓄も1年と持たないらしい


緊急時の備蓄をあろうことか元敵軍に渡そうなどあってはならない事なのだ


そこで彼らには領土拡張の為、サウシア周辺の施設開発の命が出された

…まぁいわゆる奴隷労働者というヤツだな


もちろんオレが命じたら喜んで仕事に励むだろう

…ちょっと罪悪感が…




「ライトよ。お前は敵軍から砦を守るどころか敵軍を味方に付けるという予想を遥かに超える仕事をしてくれたな」


「…いやぁ、ちょっと後悔してたり…」


「後悔?あの僕達の事か?」


「はい…」


「何故だ?」


「あんな大勢を下につけるなんてちょっとオレには重すぎるかなぁって思いまして…」


「…なるほどのぅ。だがやってしまったものは仕方無い。魔法とは取り返しのつかないものなのだ」


オレは俯くしかなかった


「お前は魔法の中心であるサウシアの王でさえ知らない強大な魔法をいくつも知っている。真似出来ない程に強大なものをな」


…そうだよな。神から貰った魔法、力だもんな

普通の人が真似しようったって出来る訳がない


「だがその強大な力を誤って使ってはならないぞ。他人だけで済めばいいが、いつかそれはお前を殺す事になるだろう」


この王様、あのおっさんと同じ事言ってるよ


…そうだな、今日は人の意思を曲げちゃったからな


人の意思を曲げる能力を持つ薬だったけど、薬自体は意思を持たないから死ななかったのかな?


これからは気をつけなくちゃな…


「…今日は疲れたろう?我らから敵陣に突入するのはもっと後になるからの。しばらくは休んでおくとよい」


「…ありがとうございます」


確かにもう疲れたちゃったな…


「ライト様、お部屋まで運びます。ロイ様、失礼しました」


「え?」


「うむ、疲れたライトを運ぼうとは気が利くな。御苦労様だ」


「恐れ入ります。では」


何処からか現れたシェリルさんはオレを抱き上げると王の間を出てしまった


「…ごめんシェリルさん。オレ、もう眠いや…」


「はい、ぐっすり休んで下さい♪後はお任せ下さい♪(ライト様を洗う権利ゲットォォォォォ!!)」


なんか嫌な予感がしなくもなかったが、シェリルさんの腕の中はあまりにも居心地がよく、すぐに意識は無くなってしまった




(三人称へ移ります)




ライトが去った後、ロイ王は黒陽…ダークSUNと執政のコルシオンを呼び出した



「あの娘1人で一体何が起きたというのです?あまりにも話が飛びすぎています」


「我は当事者ではないからの。やはり黒陽に聞くのが打倒だろう」


「…これは王様にも話した事だが、アイツは一瞬で俺達の前から消え、現れて敵軍に囲まれたかと思うとその敵軍を引き連れてきた。言っておくがこれは紛いもない事実だ。詳細は俺も解らない」


「…ライト・エクスシーション。一体何者なんでしょうか…」


彼らは最近現れたライト・エクスシーションと名乗る謎の少女について語っていた


「…まるで伝説の存在みたいであったな」


「リスエル教の伝説か」


ロイ王の言葉にダークSUNは少しだけ興味ありげに答えた


ちなみにリスエル教とは魔王と呼ばれる存在が現れる少し前に生まれ、今ではアルスフィガーデンで一番勢力のある宗派である

その勢力の大きさは凄まじく、リスエル宗教国家という国まで現れるものだった


リスエル教といえば創造神の右腕とも言われるハトルという神様が管理している区画に住んでいたリスエルという少女とハトルの話が有名だ


ハトルはある日リスエルに気まぐれで恐ろしく強大な力を与えてしまった

リスエルはその強大に力を使いこなし人助けをするも悪者に欺かれ自我が崩壊してしまい、身体的に許容範囲を超えた力を使い遂には消滅してしまった


主な要点だけを挙げるとこんな感じだ

そしてリスエル教に基づいた話は星の数と存在し、アルスフィガーデンの各地に散らばっている


「ライトはその強大な力で何の利も考えずに我々を手助けしている。まるで語り継がれているリスエル様のように」


「…もしそうだとしたら、いずれあの娘は誰かに欺かれ消滅するな」


「それは困ります。ライト・エクスシーションは今の我々にとってはあなたと同じと言ってもいい程の戦力になるかもしれない人材なんですよ?」


黒陽に対しコルシオンは黒陽にそう言った


「…ほう?それなら俺も心置きなく主探しが出来るな」


「ふむ、とにかく今はあの大国をなんとかするのが先だ。ライトについて知る前にこの国が滅びては大きな捜索も困難になる」


「確かに…」

「…そうだな。この国が消えるのは主の命に反する」


どうやらライトについての論議も終了を迎えるようだ


「では、今後の策でも話しあおう」


そして彼らは今度は軍会議を始めた





殺さず非人道これいかに

ただのSMプレイですねわかります


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